査察通訳を任されたけど、ノウハウがわからない!
査察を優位に進められる通訳になりたい!
GMP文書の英訳ってどう作成してよいか分からない!
そんな皆様のための基礎からのスキルアップセミナー!!
海外GMP査察官との円滑な英語コミュニケーションと
事前準備・査察対応のポイント
講師
明海技術サービス合同会社 社長 伴野博 先生
* 希望者は講師との名刺交換が可能です
講師紹介
■経歴
国内製薬会社の工場で5年間,錠剤,カプセル剤,注射剤,輸液の生産に従事し,医薬品製剤の生産とGMPの基本を習得する。その後,国内営業を経て,海外部門に異動し,技術担当として,欧米への原薬などの販売活動に従事する。欧米の法規制や局方の相違などを習得しながらSDSやDMFの作成,登録を行なう。また,英文Newsletterの編集・発行も行なう。
海外顧客からの数多くのGMP適合性調査書への回答,および海外顧客や当局のGMP査察の立会いや通訳・応対を多数行ない,海外企業の現地工場におけるGMP査察の実施経験をもつ。さらに,KOSHER査察の通訳・立会いも数多く,HALAL査察も経験する。
製薬会社退社後,明海技術サービスを立ち上げ,契約先顧客の査察対応の助言・模擬訓練・英文資料の作成,査察時立会いなどを行なっている。
■専門および得意な分野・研究
GMP査察立会い・通訳
GMP関連文書・製造関係文書類の翻訳
GMP査察対応訓練,模擬査察実施
英文SMFの作成・翻訳支援
→このセミナーを知人に紹介する
日時・会場・受講料
●日時 2013年12月5日(木) 10:30-16:30
●会場 [東京・大井町]きゅりあん4階第1特別講習室
●受講料 1名45,150円(税込、資料・昼食付)
*1社2名以上同時申込の場合、1名につき34,650円
*学校法人割引;学生、教員のご参加は受講料50%割引。→「セミナー申込要領・手順」を確認下さい。
●録音・撮影行為は固くお断り致します。
●講義中のパソコン・携帯電話の使用はご遠慮下さい。
助成金制度について
助成金制度(厚労省)を利用すれば受講料を軽減してご参加いただける場合がございます。
→詳細はこちら
セミナーポイント
海外当局のGMP査察中に生じるトラブルには,曖昧な説明や誤解によるものも多い。これは,言語の違いに加え,文化的背景の違いや,曖昧な日本語の使用,国内外の法令・行政用語やその定義の認識不足などに起因すると考えられる。同じ言語の場合でもこうしたコミュニケーションギャップは起こるが,言語上の違いがある場合は,問題がこじれて大きくなりやすい。その防止策として,以下の対策を提供する。
1.通訳者が特に気をつけなければならない用語類の確認とその対策
・日本語から英語の例
・英語から日本語の例
2.通訳者が心得ておくべき(外部通訳者に伝えるべき)ポイント6項目とその他の対策
3.トラブルを避けるために,事前に英文化しておくべき文書類とその方法
4.トラぶった事例と事前対策の方法
5.責任者が心得ておくべき英語関連の事項や対応策
6.海外査察対応のコツと査察を優位に進めるテクニック
■受講後,習得できること
・通訳業務の実施について自信が持てる
・通訳・翻訳・査察対応準備の対策が具体的にわかる
・英文サイトマスターファイルの作成法を学べる
・通訳の重要性を再確認できる
■本テーマ関連法規・ガイドラインなど
・EU GMP(PIC/S GMP),CGMP
・PIC/S document: EXPLANATORY NOTES FOR PHARMACEUTICAL MANUFACTURERS ON THE PREPARATION OF A SITE MASTER FILE
■講演中のキーワード
実例査察英語の数々,査察通訳のポイント,SMFの作成,プラントツアー・ラボツアーの要領,応答訓練
セミナー内容
1.経営者・査察責任者を含む担当者全員が理解すべきこと
1.1 査察(査察官)の目的と,期待値の理解
・受ける側の正しい認識(既存顧客や見込み客へのプレゼンとは中身が異なる)
1.2 欧米のGMP文化の理解と,その対応準備
・思考回路の基本
・「恥の文化」の落とし穴
・職責(責任範囲)とは
・双方の基本認識の確認=日本人は,相手も同じ認識との前提で確認せずに話を進め,後になって食い違いが判明する場合がある
1.3 通訳者に与える権限と期待する任務
1.4 応答の基本と練習
2.通訳者の役割
2.1 通訳者の重要性と,楽しさ,面白さ
2.2 査察官が見るのは,通訳者を通して理解するGMPシステム
3.通訳者が習得しておくべき(と期待される)事項
3.1 EU-GMP,CGMPやJ-GMPの内容と相違事項
3.2 Ph Eur,USP,JPの一般通則,該当試験法と相違事項
3.3 社内用語,特殊な専門用語,略語の洗い出しと確認
4.査察通訳のコツ・応答のポイント
4.1 言葉を置き換えるのではなく,意味を伝える
4.2 日本語で3分間の長さの回答を,英語に通訳したのは「YES」の一語だけ!
4.3 流暢な英語や,速さは重要ではなく,正確なコミュニケーションをしっかりとること!
4.4 15秒の区切りを推奨
4.5 日本語と英語の概念の差異
4.6 数にも注意
4.7 要注意の用語類と陥りやすい間違いの例
4.8 日本語から英語へ通訳する時の要注意用語の一覧
4.9 英語から日本語へ通訳する時の要注意用語の一覧
4.10 formal と informal の切り替え
5.製造現場やQC現場での用語集と確認問題
【確認問題・例】
・「○△台帳」の英訳は,その内容により,( ),( )や( )を使うが,( )の訳は使わない。
・「保全」の訳は( )と( )のどちらが適切?
・実際の行動・作業状況に応じた「確認する」の訳は,( ),( ),( ),( ),( )など,どれが適切?
・現場の「チェックする」は,check であっている?
6.査察責任者の役割
6.1 通訳者の選定‐人数と分担など
6.2 通訳者に伝えるべき重要ポイント
6.3 通訳者を複数にした場合の注意点
6.4 プラントツアー・ラボツアーの進め方
7.査察を優位に進めるテクニック
7.1 査察の連絡を受けてから,査察官を迎えるまで
7.2 査察官の出迎えと査察期間中,査察後まで
8.GMP文書の英訳
8.1 英文化しておく文書類
・サイトマスターファイルと添付資料
・逸脱,OOS,出荷承認,苦情処理,CAPA等のフロー図
・ロット付番方法
・文書体系と文書リスト
・バリデーションマスタープランと報告書のサマリー
・MBR
8.2 GMP文書類の英訳版の作成手法とその位置付け,管理方法
8.3 英訳のコツ
・文書作成のポイント
意味の通じる英文にするには
結論(知らせたいこと,重要事項)を最初に書く
意図した意味の英訳に間違いないか?(曖昧さの排除)
punctuation とスタイルガイドの活用
略語使用のルール(マナー)
・英訳を作成したほうがよいもの,そうでないもの
査察時・プラントツアー時の注意事項と確認サイン文書
ツアー時の説明用台本
自社用語の英訳
・やってはいけないこと
話し言葉と書き言葉
他の文書との不整合
QA部門で確認していない私的翻訳文書の提示
9.トラブルの実例と対応策
10.質疑応答