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【モータースポーツ】

<インタビュー>強行出場!鈴鹿入りした玉田を直撃 8耐で転倒、骨折などで療養中も無理言って退院

2013年8月30日 12時0分

鈴鹿で初開催のARRCきょう開幕

満身創痍ながらチャンプ獲得にやる気満々の玉田(カメラ=佐藤洋美)

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 日本人ライダーが多く参戦、活躍している2輪のアジアロードレース選手権(ARRC)第4戦が、三重県・鈴鹿サーキットで初開催(9月1日決勝)される。注目は今季からフル参戦し、第3戦インドでダブルウインを飾ってランク2位に急浮上した玉田誠(36)=ホンダ=だ。鈴鹿8時間耐久レースで転倒し、数カ所を骨折し、まだ完治していないが、当人は強行出場の構え。鈴鹿入り直後の玉田を直撃、この一戦にかける思いを聞いた。(聞き手=佐藤洋美)

     ◇     ◇     ◇

 −ケガの状況は?

 玉田「左の肩甲骨、鎖骨、足首を骨折。それと左手中指の指先を欠損して手術を受け、療養中だったけど、今月13日に無理を言って退院。以後リハビリしてきました」

 −かなりのケガですが?

 「痛みに勝つ自信はあるけど、体がどこまで動くかは走ってみなければ分からない」

 −通常なら骨折部分はギプスですよね

 「いや固めてしまうと復帰が遅れる。痛いのは走れないことに比べれば問題じゃないから」

 −そこまで復帰にこだわるのは?

 「フル参戦ライダーだから。シーズンを戦う以上、諦めるわけにはいかない。それにチームメート(アズラン・シャー・カマルザマン)の教育係という役目もある。どんな状況でも最善を尽くさないと」

 −ARRCに対する思いは?

 「今年は王座を狙えるところにいる。清成(龍一)がホンダライダーとして必死で獲得したタイトルだから、それを守らなければ」

 −ARRCの印象は?

 「最初レベルは低いんだろうって思ってた。克ちゃん(藤原克昭=カワサキ)が活躍したのも当然だろうって。でも昨年アジア・ドリーム・カップのアドバイザーとして現地に行き、清成が苦労しているのを見て、克ちゃんも清成も簡単に王者になれたわけじゃないんだと感じた」

 −レベルが高い?

 「彼らの吸収力は半端じゃないんだ。ライバルから学ぼうとする姿勢がすごい。それはメカニックにもチーム関係者にもいえて、なんか熱がある。僕らがチャンスを求めてがむしゃらだったころと同じ空気なんだ。悪いけど今の日本の若手ライダーにはないハングリーさを感じる。だから当然レースも面白いし、レベルも高い。当然急激に伸びるね」

 −ライダーとしてのやりがいも大きい

 「今年、走らないかと話をもらい、即決。でもアジアで勝つのは難しかった。やっと勝てたのは3戦目だから」

 −鈴鹿は面白くなりそう?

 「コーナーに4、5台並んで突っ込むなんてざらだもんね、面白いはずだよ。そこに加われるようにと思ってる」

 −楽しみですね

 「緊張感を切らさずつらいリハビリを続けてきた。鈴鹿、オートポリスと日本のレースが大事だから。チームも頑張ってバックアップしてくれるし、できる限りのことをやってグリッドに並びたい。そして僕だけでなく懸命に頑張るアジアのライダーを応援してほしいよね」

     ◇

 ▽玉田誠(たまだ・まこと) 1976(昭和51)年11月4日生まれ、36歳。愛媛県出身。95年GP250で全日本ロードデビュー。03〜07年はWGPモトGPクラスで82戦2勝3PPの成績を残した。08、09年はWSB。今年、ARRCで4年ぶりとなるシーズンフル参戦を開始、現在ランク2位。

     ◇

 [アジアロードレース選手権] アジア地域を転戦するロードレース選手権で、今年は6戦(2レース制)のシリーズ。最高峰クラスの「スーパースポーツ600cc」は市販車ベースの車両で競われ、2011年に藤原克昭、12年に清成龍一が王座獲得。また、12年からは日本を含むアジア地域から選抜されたライダーによる、グランプリライダー育成プログラム「アジア・ドリーム・カップ」が併催され、初年度は大久保光が王座獲得、今年は尾野弘樹がランク首位につけている。

 

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