【ワシントン29日=島袋良太本紙特派員】米西部ネバダ州で現地時間の26日(日本時間27日)に、米軍普天間飛行場配備機と同型の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが着陸に失敗した事故について、事故機が所属する米ミラマー基地は29日、琉球新報社の取材に対し、事故機から乗員が脱出した後に機体が炎上したと明らかにした。炎上を招くほどの強い衝撃が機体に加わっており、事実上の墜落事故だったとみられる。米軍は着陸失敗について「ハードランディング(危険な状態での着陸)だ」と説明している。
ミラマー基地基地広報官のカール・レディング少将は、事故発生地点について「あらかじめ設けた連邦政府の遠隔着陸地だ」と説明。ミラマー基地は事故発生現場から事故機の飛行記録が入った「ブラックボックス」を回収したとも説明した。
事故経緯については現段階で回答は控え「事故原因の調査は継続中だ」と説明した。事故発生地点は事故機が当日に訓練をしていた米空軍クリーチ基地から約5キロの距離。米国内の環境と異なり、市街地と隣り合わせに基地が存在する沖縄で発生した場合、市街地を巻き込む事故になっていた可能性が高い。同基地は既に「機体は飛べなくなるほどの損傷を受けた」と米地元紙に答えている。
一方、在沖米海兵隊は29日、事故機と同型機のオスプレイを米軍岩国基地(山口県)から普天間飛行場に長距離飛行させた。普天間に追加配備される予定だった12機中、岩国基地に駐留したままだった残り1機に動きはなかった。機体に何らかの不具合がある可能性が高まっている。
普天間飛行場に飛来したのは、3日に追加配備されていた番号「11」の機体。午前11時50分ごろ岩国基地を離陸し、午後2時6分ごろ普天間に着陸した。同機は23日、普天間からほかの2機と一緒に岩国に移動していた。ほかの2機は25日に普天間に戻った。
県軍用地転用促進・基地問題協議会(軍転協)の要請行動で上京中の仲井真弘多知事は29日、事故原因などが公表されずに、飛行を継続していることに「原因究明をしてから飛行するのが当然だ」と不快感を示した。
米海兵隊は30日、CH46ヘリコプターとオスプレイの追加配備機を交換するため、部隊再編式典を開催する予定で、同機は式典に合わせ帰還したとみられる。
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