ザベストテン
ザ・ベストテン


山田修爾

木曜夜9時は少し遅れてきた青春でした。――黒柳徹子。伝説的音楽番組の誕生から終焉まで、そのすべてを知る男が綴ったあの時代。

毎週木曜日夜9時──誰もが唄える歌があふれていた歌謡曲の黄金時代、誰もがこの番組に釘付けだった。黒柳徹子・久米宏の名司会、ランキング方式での歌手の出演、ハプニング連続の生放送、生中継。70年代~80年代を彩った音楽シーンがそこにあつまっていた。番組の誕生から終焉までをすべてに携わってきた男が綴る。黒柳徹子さんとの記念対談と「全ベストテンランキング一覧」も収録。

発行形態 : 新潮文庫
判型 : 新潮文庫
ISBN : 978-4-10-136341-7
C-CODE : 0176
整理番号 : や-68-1
ジャンル : 芸術・芸能
芸能・演劇
発売日 : 2012/01/01

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山田修爾
ヤマダ・シュウジ

1945(昭和20)年、東京生れ。1969年、慶應義塾大学を卒業後、TBS(東京放送)へ入社。主に制作局で音楽番組を手がけ、1978年1月から1989(平成元)年9月まで「ザ・ベストテン」のディレクター、プロデューサーを担当した。「ザ・ベストテン」の番組終了後は、スポーツ局番組制作部長、編成局アナウンス部長などを歴任し、2005年同社を退社。現在、「キャスト・プラス」代表取締役社長。

第1章 番組企画
人気歌手・山口百恵が出演できない理由
思いがけない視聴者からの反応
キャスティング方式か、ランキング方式か
新任制作局長の、ツルのひと声
『ザ・ベストテン』の名付け親
ハガキ枚数、レコード売り上げ、ラジオ、有線放送
得点ボードのヒントは羽田空港
組織票を排除するために比率を変更
生放送の三つの魅力
遅れる郷ひろみに、あせる久米宏
新幹線の窓から手をふる山口百恵
音楽番組初のTBSのネットワーク活用
系列各局制作部門との直接交渉
8月6日原爆の日
三位一体の番組制作
西城秀樹の得意芸、1円玉高跳び
どんなに若い歌手にも“さん”づけ
とんねるずが暴れた400回記念『ザ・ベストテンイン静岡』
第2章 番組司会
西田敏行も加わるトロイカ司会構想
「順位でウソをつかなければ」と承諾した黒柳徹子
黒柳徹子の“カックラキン・ベストテン”
追いかけます。休暇中の黒柳徹子を、どこまでも
黒柳徹子が涙した、シャネルズ事件
優秀な頭脳運動神経とそうでもない運動神経の久米宏
第3章 番組中継
4Wで明るみに出たホンネ
歌舞音曲番組の“されど”の意地
松坂慶子押し入れ秘匿事件
新婚旅行の部下に中継業務命令を出した鬼上司
沢田研二の一等賞発言
アルフィーの連続アクシデント
黒沢年男の過酷な映画ロケ現場
飛行速度を落としてもらえませんか?
初の衛星生中継音楽番組
久米宏の画像中断に対する機転
日本人がアメリカ人スタッフを指揮
社内で中国語を話せる社員を探索
少年隊のオーストラリア中継の中断
キャンディーズのマネージャーの24時間電話
優秀なマネージャーの資質
第4章 番組交遊
“松田聖子”という逸材
極私的な“松田聖子論”
山口百恵にニコニコの久米宏
風邪で雪景色セットをムダにした山口百恵
山口百恵の、もうひとつのムダにした話
本物の雪をスタジオに持ち込んだ日
松山千春、ついに出演
松山千春に時間を奪われた山口百恵
桑田佳祐本人いわく、目立ちたがり屋の芸人
冷や酒あおって学園ライブで歌う桑田佳祐
桑田佳祐のレコーディング姿は、修行僧
桑田佳祐という人間の体液
チャコの海岸“温泉”物語
第5章 番組進行
携帯の前はテレカ、その前は10円玉
本番30分前に駆け込んだピンク・レディー
構成はシンプルに、中身は面白く
スポットライトの面々
沢田研二が開いたベストテン美術史
ベストテンでピンク・レディーが透明人間になった!?
山本譲二のふんどし姿・みちのくひとり旅
田原俊彦のピンチヒッター「浪花恋しぐれ」
近藤真彦に歌唱指導
デビュー直後の歌手・小泉今日子に「きみはドラマ向き」
MC席はベストテン歌手の掘りごたつ
中島みゆきが出演しなかった理由
アリス、谷村新司
法事を理由に出演を断った井上陽水
ついに本人が出演しなかった「初恋」の村下孝蔵
100回以上出演した郷ひろみの辞退
NHKを蹴ってTBSを選んだ桜田淳子
第6章 番組社員
ゴルフ断ちで番組ヒット祈願
高視聴率の副産物は、高級梅酒
新時代の感性と大衆感覚のバランス
我が家の2階から東京タワーがよく見えた
第7章 番組終焉
『ザ・ベストテン』の功罪
久米宏の『ニュースステーション』への転身
黒柳徹子に『プライムタイム』MCの依頼
所属事務所社長の意外な告白
三位一体の構図の崩壊
『ザ・ベストテン』終了の最終決定
中森明菜の「山田さん、出世してないでしょ?」
第8章 番組回顧《あとがきにかえて》
過去20年間の音楽番組でトップの支持
異端であり続けようとした番組
アマチュアリズムの斬新な発想
心からの感謝の気持ち
文庫版あとがき

[スペシャル対談]黒柳徹子×山田修爾
――国民的番組の「表」と「裏」の放映30周年記念対談――

巻末付録 『ザ・ベストテン』全603回
ベストテンランキング一覧

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