東京放送ホールディングス（ＴＢＳＨＤ）は29日、保有する自己株計5.13％分をＮＴＴドコモ、三井物産、毎日放送、ＷＯＷＯＷの４社に売却すると発表した。売却する株式は、経営統合の提案を受け、その後関係を解消した楽天から買い取った約20％の一部。

　ＮＴＴドコモに発行済み株式総数の2.99％、三井物産に1.78％、毎日放送に0.21％、ＷＯＷＯＷに0.12％の株式を売却する。売却日は９月13日で、売却額は合わせて約120億円。ＮＴＴドコモとＷＯＷＯＷは新たに株主となり、三井物産の出資比率は4.03％に増え、株主順位が７位から３位に浮上する。

　売却する株式は楽天から買い取った株式の一部。楽天は2005年にＴＢＳ株を大量取得し、経営統合を提案したが、ＴＢＳが反発。その後、楽天が提案を撤回し、買い取り価格について最高裁までもめた末に11年５月にＴＢＳがすべて買い取った。

　今回の売却価格は、基準とした28日の株価終値を約３％下回る１株1219円。楽天からの買い取り価格の1294円を若干下回った。売却により新たな資金を調達でき、「財務が強固になり、放送事業を強化するための投資などにあてられる」としている。

　株を購入した各社との業務提携も検討する。ＮＴＴドコモとは共同でイベントを企画したり、アニメなどを共同で制作したりし、同社の動画配信サービスに供給する。三井物産とはテレビ通販などの事業で連携する。