WRAPUP1-ユーロ圏の8月景況感指数は大幅上昇、7月失業率は依然高水準 南北の差際立つ
* 景況感指数は4カ月連続で上昇
* 失業率はギリシャ約28%、スペイン26%強
* 8月のCPI速報値、前年比+1.3%に低下
[ブリュッセル 30日 ロイター] - 欧州委員会が30日発表した8月のユーロ圏景況感指数は95.2と、7月の92.5から大幅に上昇した。一方、7月のユーロ圏失業率は12.1%と、依然として高水準にとどまっている。比較的経済力が弱い国の失業率が高水準のままとなっており、回復する北部と苦境にあえぐ南部の差が際立っている。
景況感指数は4カ月連続で上昇。上向き傾向は特にドイツやオランダで顕著だが、イタリアやフランス、スペインにも見られる。
ゴールドマン・サックスのエコノミスト、ディルク・シューマッハー氏は「危機の最も深刻な段階および最も厳しい緊縮期間は過ぎた」と指摘した。
一方、欧州連合(EU)統計局が発表した8月のユーロ圏のEU基準消費者物価指数(CPI)速報値は、前年同月比1.3%上昇し、エネルギー価格の低下を主因に前月の1.6%上昇から低下した。
インフレ圧力の低下は、家計の消費力を高め、景気の後押し要因となるほか、欧州中央銀行(ECB)による低金利政策の継続を可能にする。
一方、失業率は国によって状況が異なる。
ドイツでは5%強にとどまるものの、ギリシャでは28%近くに達したほか、スペインでは26%を超えている。
ユーロ圏全体で失業者数は前月に比べ1万5000人減少したが、25歳未満の若者の失業者数は350万人となっている。
シンクタンク「ブリューゲル」のグントラム・ウォルフ氏は「欧州南部のネガティブな力から逃れられない」と指摘。「銀行部門のぜい弱さや低迷する成長、高失業率は依然として脅威だ」と述べた。
*7月のユーロ圏の失業率に関する記事は をクリックしてご覧ください。
*8月のユーロ圏景況感指数に関する記事は をクリックしてご覧ください。
*8月のユーロ圏のEU基準消費者物価指数(CPI)速報値に関する記事は をクリックしてご覧ください。
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