団地再生へ基本検討委託 複合施設化も視野 将来像やニーズを調査(UR千葉地域支社)

 都市再生機構(UR)千葉地域支社は27日、「23年度複合型団地再生に係る基本検討」の一般競争入札(総合評価方式)参加手続きを公告した。千葉幸町団地(千葉市)、袖ヶ浦団地(習志野市)、若松2丁目団地(船橋市)の3団地を対象に、▽団地の将来像の検討▽各種ニーズの把握▽再生メニューの検討▽公募等資料の作成(千葉幸町団地のみ)などの基本検討を実施する。履行期間は来年2月24日まで。

 千葉地域支社では、19年12月の「UR賃貸住宅ストック再生・再編方針」(以下、再生・再編方針)により、団地再生(複合型)類型として4団地を位置付けた。この再生・再編方針では、30年度までに事業着手する予定だが、事業仕分けなど取り巻く周辺環境が大きく変化している状況。

 また、複合型団地再生の事業イメージとして、相当範囲の住棟を除却して建替えるだけでなく、既存住棟を活用した住棟リニューアルや従来の住戸リニューアル等を中心とした事業など、団地の特性に応じた幅広い事業イメージを想定している。

 これらを踏まえ、千葉地域支社では、既に地元住民と団地の将来像に係る意見交換を実施している千葉幸町団地(昭和44年管理開始、4287戸)、袖ヶ浦団地(昭和42年管理開始、2990戸)、分譲団地での建て替え検討や駅前企業庁土地の開発など団地を取り巻く動向のある若松2丁目団地(昭和44年管理開始、1335戸)を対象に、団地再生に向けた基本検討を委託する方針を固めた。

 委託業務の内容は、「団地の将来像の検討」が、▽現況および課題(既往調査の整理を含む)▽団地再生の方向性▽URストック商品戦略(ターゲット等)──。「各種ニーズの把握」が、▽住民ニーズ▽事業者ニーズ──。

 また、「再生メニューの検討」は、▽住戸改善(間取り・設備改善、リニューアル等)▽住棟改善(URまたは民間による住棟活用:ルネッサンス2等)▽整備敷地等活用▽ソフト戦略──。「公募等資料の作成」が、▽高齢者福祉施設▽子育て支援施設▽医療施設▽利便サービス施設(コンビニ、来客用駐車場等)──としている。

 このうち、「住民ニーズの把握」については、地元自治会との意見交換会(2月に1回、全3~4回/団地程度)を実施する予定。「事業者ニーズの把握」では、高齢福祉事業者や子育て支援事業者、商業事業者など2~3者程度のヒアリングを計画。

 また、「整備敷地等活用」では、現状の低未利用地や将来的な住棟跡地、周辺動向との連携(学校統廃合:千葉幸町)、習志野市こども園構想:袖ヶ浦)、分譲建て替えや駅前企業庁用地:若松2丁目)などを検討する。

 「公募等資料の作成」は千葉幸町団地のみだが、整備敷地公募の条件(敷地範囲、インフラ状況、壁面後退、高さ制限:高齢者福祉施設のみ、日影制限:同等)に関する図面を作成させる。

 主な参加資格は、UR関東地区の測量等建設コンサルタント業務参加資格を「調査」で持ち、17年度以降に同種または類似業務」の調査業務実績がある事業者。調査業務は、団地再生事業、住宅団地(マンション)の建設・建て替え、または公共団体の住宅計画(マスタープラン等)作成に関係する計画コンサルティング業務(配置計画、基本設計、実施設計のみの業務は除く)を指す。

 また、予定管理技術者に関しては、

 一級建築士と技術士(建設部門・都市および地方計画)の資格を持ち、都市再生事業等の事業者として技術的実務経験を25年以上有する者。17年度以降に団地再生事業の実務に従事した経験も求めた。

 委託事業者の選定は、総合評価方式で実施する。価格点(価格点×(1-入札価格/予定価格))は30点、技術評価点(60×技術点/技術点の満点)の最高点は60点としている。

 また、技術点は、評価項目(企業の経験および能力、予定管理技術者の経験および能力、実施方針、評価テーマに関する技術提案)ごとに評価して算出。評価テーマは、▽複合型団地において住戸改善および住棟改善の実施を検討する際の留意点▽複合型団地において、団地周辺も含めた地域コミュニティの活性化を目指し子育て世帯と高齢者世帯の交流促進を図る上での留意点──の2点とした。

 今後は、申請書および資料を来月20日までに提出させ、8月26日までに入札書を持参または郵送で受け付ける。その後、同月29日に開札する予定だ。

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