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【社会】

「迷ったらエピペン投与」 調布で食物アレルギー研修会

2013年8月30日 10時18分

エピペンの疑似体験では子どもが嫌がることを想定。教師らで押さえつけながら投与していた=東京都調布市で

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 食物アレルギーの対処法を学ぶ研修会が29日、東京都調布市の市立第六中学校体育館で開催された。昨年12月の食物アレルギーによる女児死亡事故を受け、市教委は夏休み期間中に計6回の研修会を主催し、この日が最終日。小中学校の教職員に最低1回の参加を義務付け、希望する保護者らの受講も歓迎した。トータルの参加者は1078人に上った。 (梅村武史)

 この日の参加者は二百一人。東京慈恵医大第三病院(狛江市)の勝沼俊雄・小児科准教授から、食物アレルギーの基礎知識を学んだ後、アレルギー症状緩和注射薬エピペン投与の疑似体験が行われた。参加者はアレルギー症状が出た児童、担任教諭、養護教諭らの役を演じ、マニュアルに沿って行動した。

 「とにかく迷ったら打つこと」と勝沼准教授の声が体育館に響く。参加者らは行動を開始した。まず迅速な容体確認と周囲への協力要請を行い、すぐに緊急の応急処置に移る。エピペン練習器具を児童役の太ももに当てて、カチッと音がするまで押し込み、薬品注入に要する五秒を大声で「一、二、三、四、五」と数える。続いて一一九番通報する−。一連の手続きを何度も繰り返した。

 参加者の一人、市立滝坂小学校で二年生を担任する戸田淑美(よしみ)教諭(39)は「いざというとき、エピペンを打つ覚悟はできました」と自信の表情を見せた。勝沼准教授は「参加者は真剣そのもので食物アレルギーへの理解は十分深まったと思う。今後は身に付けた知識と対応スキルを維持する工夫が必要だ」と話していた。

(東京新聞)

 

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