シリア化学兵器:国連特別代表「1000人以上死亡」示唆
毎日新聞 2013年08月29日 11時19分
【ローマ福島良典】シリア内戦の政治解決仲介を目指すブラヒミ国連・アラブ連盟合同特別代表は28日、スイス・ジュネーブでの記者会見で、シリアにおける化学兵器によるとみられる攻撃で1000人以上が死亡した可能性があるとの見方を示唆した。
シリア政府軍が8月21日にダマスカス郊外で化学兵器を使用したとの疑惑に関してブラヒミ氏は「ある種の(化学)物質が使用されたようだ」と指摘し、攻撃による死者数について「300人、600人という人もいる。1000人以上かもしれない」と述べた。
シリアでは国連調査団が化学兵器使用疑惑の調査にあたっている。ブラヒミ氏は化学兵器によるとみられる攻撃によって「シリア情勢がいかに危険で、解決を目指す政治意思がいかに重要かが確認された」と強調した。
ブラヒミ氏は内戦終結に向けて、シリアのアサド政権と反体制派の双方が参加する和平会議を9月にジュネーブで開催したい意向だったが、情勢緊迫のため開催のめどは立っていない。