Updated: Tokyo  2013/08/29 19:33  |  New York  2013/08/29 06:33  |  London  2013/08/29 11:33
 

債券は続伸、需給良好で超長期債に買い-2年入札結果遅延の影響限定

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  8月29日(ブルームバーグ):債券相場は続伸。需給環境の良好さを背景に超長期債を中心に買い優勢の展開となり、長期金利は3カ月ぶりの低水準を付けた。きょう実施の2年債入札は順調となり、結果発表時刻が遅延した影響は限定的だった。

東京先物市場で中心限月の9月物は前日比2銭高の144円31銭で取引を開始し、午前は144円35銭前後でもみ合った。午後に入ると水準を切り上げ、一時は144円47銭と中心限月の日中取引ベースで5月9日以来の高値を付け、結局は12銭高の144円41銭で引けた。

現物債市場で長期金利 の指標となる新発10年物国債の329回債利回りは同横ばいの0.715%で開始し、午前9時すぎに0.5ベーシスポイント(bp)低い0.71%と5月10日以来の低水準を付けた。その後は同水準での推移が続いた。20年物の145回債利回りは2.5bp低い1.63%と6月10日以来の低水準、30年物の39回債利回りは2bp低い1.745%と6月4日以来の低水準を付けた。

JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは、あすは日銀の5-10年で国債買い入れオペが入るとみられる上、月末の債券指数エクステンションが大きく、「かなり需要自体が見えている状況なので、なかなか売り崩せない感じがある」と指摘。20年など超長期債も強く、「地合い自体はしっかりしている」と話した。

財務省がこの日実施した表面利率0.1%の2年利付国債(332回債)の入札結果によると、最低落札価格は99円97銭5厘と事前予想を5厘上回った。小さければ好調とされるテール(最低と平均落札価格の差)はゼロと前回の5厘から縮小し、昨年9月以来のゼロとなった。投資家需要の強さを示す応札倍率は5.55倍と前回の9.27倍から低下した。

一方、今回の2年国債入札は事務トラブルで結果発表時刻が午後1時15分となり、通常の午後零時45分から30分遅れた。

山脇氏は、2年債入札について「入札結果は強いのではないか」と指摘。発表遅延の影響については「10年債などだったらあったかもしれないが、影響はなかった」と説明した。

新発2年債利回りは午後3時すぎに0.105%に低下、4月9日以来の低水準を付けた。

需給は良好

28日の米国株相場は反発。シリア情勢に注目が集まる中、エネルギー株に買いが入った。S&P500種株価指数は前日比0.3%高の1634.96で引けた。一方、米債相場は下落。米株高や5年債入札の低調な結果が手掛かり。米10年国債利回り は同6bp上昇の2.77%程度となった。

米株高・米債安を受け、きょうの債券相場も反落を見込む向きが多かったが、良好な現物債需給を背景に朝から堅調な展開が続いた。岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、シリア情勢をめぐる不透明感が強く、安全資産と位置づけられる債券は買われやすいと指摘。「需給良好も相場の支え。積極的に買いが入る水準でないが、年金の年限長期化などの買い需要、限月交代接近の先物に買い戻しが入っている」と話していた。

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 小宮弘子 hkomiya1@bloomberg.net;東京 山中英典 h.y@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:大久保義人 yokubo1@bloomberg.net;Rocky Swift rswift5@bloomberg.net

更新日時: 2013/08/29 15:55 JST

 
 
 
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