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2013年8月29日 (木)

慰安婦問題での批判にも「強制連行はしていない」などと言い訳することより、こうした現代の問題に真摯に取り組んでいることを示すことこそが肝要だと思う。→ 人身取引、日本でも  朝日新聞 2013年8月29日

こうしたことは日本だけの問題ではない。たとえば米ABCテレビの報道番組「ナイトライン」でも最近、米国内での強制売春について「潜入レポート」を放送していた。自由と人権のための世界的な取り組みが必要なのであり、日本政府も、日本国民も「その戦列の側に立つ」姿勢が最も大事だ。

慰安婦問題での批判にも「強制連行はしていない」などと言い訳することより、こうした現代の問題に真摯に取り組んでいることを示すことこそが肝要だと思う。→

人身取引、夏休み相談増 売春強要の14歳「死にたい」
朝日新聞 2013年8月29日
http://digital.asahi.com/articles/TKY201308280583.html

 【山本奈朱香】人身取引は日本でも起きている――。「外国のできごと」と思われがちな実態を知らせ、なくす取り組みを続ける団体がある。夏休みに入った7月後半から、普段の1・5倍の相談が寄せられている。家出も増える来月半ばまで、相談窓口の態勢を強化している。
 「友人の未成年の女の子が風俗で働かされているようだ。助けてあげたいが、どうしたらいいか」
 7月末、NPO法人「ポラリスプロジェクトジャパン」に入った相談だ。
 代表の藤原志帆子さんが米国のポラリス本部勤務を経て日本で団体を立ち上げたのは2004年。これまでに約3千件の相談が寄せられた。当初は大半が外国人からだったが、09年ごろから日本人の相談が急増。深刻な例も少なくない。
 「死にたい気持ちでいっぱい」。関東地方に住む14歳の少女から、交流サイトを通してメッセージが届いたのは3年前。藤原さんが会いに行くと、少しふっくらした、まだあどけない女の子だった。約2カ月間、毎日のように売春をさせられていたという。
 遊び仲間が出会い系サイトに「中2。これから遊べる人募集」と書き込む。仲間内で最年少の彼女が選ばれたのは「オヤジ受けしそうだから」。連絡してきた複数の男性から仲間が「客」を選び、彼女は1人で指定されたホテルへ。「部屋に入ったら先に金を受け取れ」と言われた。額は1万円前後。お金は仲間に渡した。ショックで抵抗する気も失せた。親や学校に知れることも怖かった。
 相手の男性には大学生もいれば、祖父の年頃の男性もいた。彼女は、性行為自体が初めてだった。事件が明るみに出て逃れられたが「私の体は汚くなってしまった」と苦しんでいた。
 関東地方に住む30代前半の女性は「今の状況を抜け出したい」と書いてきた。
 複数の消費者金融に借金があり、返済のため19歳から水商売を始めた。仕事を通じて知り合い、「恋人」になった男性が「一つにまとめたら楽だよ」と借金を肩代わりしてくれた。
 すると、返済先は「彼」に変わったのに、返せないほどの利息がついた。いくつかの水商売を掛け持ちさせられ、「払えない」と言うと暴力を振るわれた。
 住む部屋も携帯電話も契約はすべて男性名義に。10年以上働き、ポラリスの支援で逃げ出した際、手元に残ったのは20万円だった。
 藤原さんは「搾取する側は、疑似恋愛だったり住む部屋だったり、女の子たちが欲しいものを用意していて、女の子たちも洗脳されてしまう」という。
 甘い誘惑に乗る被害者が悪いという指摘もあるが、藤原さんは「虐待を受けるなど、身近に守ってくれる大人がいなかった子も多い。周りでおかしいと思う行為を見たら連絡してほしい」と訴える。
 日本語と英語の相談窓口は電話0120・879・871。ポラリスの運営は民間団体からの助成金や個人の寄付金でまかなっている。相談が増える夏場に窓口を拡充するため、9月20日までに160万円の寄付を募る緊急対応キャンペーンを実施中だ。寄付はポラリスのホームページ(http://www.polarisproject.jp/)で受け付けている。
■米の報告書で指摘 「根絶のための最低基準を満たさぬ国」
 米国務省は、世界各国の人身取引や強制労働に関する年次報告書を毎年発表している。その中で日本は「人身取引根絶のための最低基準を満たさない国」とされる状況が続いている。
 ポラリスプロジェクトなど約30団体でつくる「人身売買禁止ネットワーク」は6月末に都内でシンポジウムを開き、人身取引対策の担当機関の設置や、被害者保護と防止に関する法整備などを求める菅義偉・官房長官あての要請書を採択した。
 同ネットワークの共同代表、吉田容子弁護士は「人身取引のキーワードは搾取。売春の強要があったかどうかではなく、搾取があったかどうかが問題だ。政府は現場で対応しているNGOなども交えて事例を集め、対策について分析してほしい。責任を持って対応する部局も必要だ」と話している。
■人身取引を見つけるサイン
(ポラリスが発行する冊子「いま、彼女に起きていること~かすかなサインを見逃さないように~」から抜粋)
□行動をコントロールされている
□仕事を変えたり辞めたりできないと言う
□あざや傷などのけがを負っている
□恐怖心をいだき、ふさぎこんでいる
□日本語が母語ではない
□パスポートやその他の身分証明書をもっていない
     ◇
 〈人身取引〉 甘言や詐欺、暴力や脅迫などによって人を支配下に置き、強制的に売春や労働をさせて利益を得る行為で「現代の奴隷制」とも言われる。外国人研修生・技能実習生が被害を訴える例も多い。「人身売買」と呼ばれることもあるが、必ずしも人を金銭で取引するわけではない。日本では2005年、刑法に人身売買罪が新設された。買い受けで懲役5年~3カ月、売り渡しで懲役10年~1年となる。だが、人を金銭で売り買いしない限り罪に問えないため、「人身取引罪」の新設を求める声があがっている。

写真・図版
ポラリスプロジェクトジャパンに届いた相談メールの一部
写真・図版
ポラリスプロジェクトジャパンに届いた相談メールの一部

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