人生でいちばん幸せな日
テーマ:* なつくんのことわたしが感染してしまった細菌は 『 常在菌 』 と呼ばれる
膣の中によくいる雑菌のひとつでした
健康なときは悪さをしない何てことのない菌ですが
妊娠などで抵抗力が落ちると繁殖し 膣や子宮に炎症を引き起こすのだそうです
この炎症が 赤ちゃんの入っている卵膜に感染すると
卵膜に穴が開き破水 流産・早産の原因になるとのこと
後期流産を起こす妊婦さんの割合は全体のわずか1%
このときわたしは まさか自分がこの1%のうちのひとりになるとは夢にも思っていませんでした
妊娠11週 そろそろつわりも落ち着きはじめるかと期待していた頃
おりものに血が混じるようになりました
初めて血を見たときは 心臓が止まりそうになりました
病院に連絡して指示を受けている間 涙が溢れて止まりませんでした
切迫流産と診断されました
細菌によって炎症を起こしていること
2週間の自宅安静が必要だということを告げられました
一方 赤ちゃんはとても順調に育ってくれていて
手足をばたばたと元気に動かしている姿を見せてくれました
今にも詰まりそうだった胸を ほっとなでおろしたとことを覚えています
その日から わたしは実家に帰り
処方された薬を飲みながら できる限り安静に過ごしました
おりものに混じる少量の出血と 下腹部痛がずっと続いていたけど
1週間後の診察では 血腫もないしもう出血は止まっていると言われました
おりものに混じる血は残っているものが出てきているのだろう
下腹部痛も そんなに気にすることはないと・・・
その日は つわりの症状も軽くて
病院帰りに 仕事をぬけて病院への送り迎えをしてくれた旦那さまと
妊娠して初めての外食をしました
季節はいつのまにか夏で
太陽と青空がとても気持ちよかったことを覚えています
心配事がすっかりなくなって すごく気分が良くて
お母さんへのおみやげに ケーキを買って帰ることにしました
旦那さまと お母さんと 3人でケーキを食べながら
その日にもらった赤ちゃんのエコー写真を眺めていて・・・
そのとき ―
妊娠して初めて ものすごい幸福感に包まれたんです
お腹の赤ちゃんが可愛くて愛しくてたまらなくなって
お腹にこの子が来てくれたことに心から感謝していました
エコー写真を何度も何度も見つめては
お腹の赤ちゃんに 早く会いたいねと話しかけました
次の妊婦健診で 初めて旦那さまと一緒に赤ちゃんのエコーを見られること
旦那さまと並んで 赤ちゃんグッズのお買いものへ行くこと
お友達に妊娠の報告をすること
お腹に手を当てて想像すると 幸せな気持ちが込み上げました
赤ちゃんがわたしのお腹に来てくれたことに
何度も何度もありがとうを言いました
この子のためならなんだってできる そう思えました
わたしもやっとお母さんらしくなれたかな?
そんな自分が なんだかとても嬉しかったです
おそらくこの日が わたしのマタニティライフ そしてわたしの人生の中で いちばん幸せな日でした
この日の3日後 わたしは緊急入院することになります
次の妊婦健診は 永遠に来なかったんです
旦那さまに 元気なあの子の姿を見せてあげることはできませんでした
あんなに楽しみにいていたのに・・・ 一目会わせてあげたかった
赤ちゃんも きっとお父さんに会いたかったよね
会わせてあげることができなくて 本当にごめんね
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