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90年前の「虐殺」で議論 横浜、副読本を異例の回収

2013/8/29 11:15 (2013/8/29 13:31更新)
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 関東大震災直後に起きた朝鮮人殺害事件をめぐり、横浜市では市立中学校で使用している副読本にどのように記述するか議論が続いている。「虐殺」と明記した2012年度版は「誤解を招く」として、市は“異例”の回収措置を取り、一部の歴史学者らが反発、90年前の出来事がいまも暗い影を落としている。

 問題となっているのは副読本「わかるヨコハマ」。横浜開港150年の09年から、横浜市教育委員会が編集、毎年改訂を行っている教材だ。

 09~11年度版は事件について「自警団の中に朝鮮人を殺害する行為に走るものがいた」と説明したが、12年5月に配布された12年度版は「軍隊や警察、自警団などは朝鮮人に対する迫害と虐殺(を行った)」と、「虐殺」と明記。謝罪と反省のために日本人が建てた慰霊碑の写真も掲載された。

 こうした記述の変化を一部メディアが大々的に報道。韓国や中国でも報じられ、市議会では昨年7月、自民党市議が「わが国の歴史認識や外交問題に影響を及ぼしかねない。横浜だけの問題ではない」と批判。当時の教育長はその場で改訂と回収を行うと明言した。

 市教委はその後、記述変更に「手続き上の不備があった」として、責任者だった市教委職員を戒告処分。13年度版は記述を戻し、今年5月から12年度版の回収を始めた。

 各校長には2度にわたって回収を徹底するよう文書で通知、応じない生徒については理由を聞き取るよう指示した。

 ある市教委の担当者は取材に「通常は改訂しても回収まではしない」と異例さを認めるが、配布された約2万7千冊のうち8月半ばまでに約1万5千冊が回収されたという。

 市に28日、回収撤回を求める文書を提出した歴史学者らは「歴史事実を意図的に削除、変更することで、中学生に伝えるべき内容が後退する」と危機感を強めている。〔共同〕

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