本はともだち:漫画が伝える戦争、シリーズ全6巻 手塚治虫氏など重鎮作品や解説も

毎日新聞 2013年08月28日 東京朝刊

 戦争を後世に伝える漫画シリーズ「漫画家たちの戦争」(指導・監修・中野晴行、全6巻、金の星社)が、このほど出版された。子どもたちにとって戦後体験を家族らから直接聞く機会が減るなか、戦争継承の一つの手立てとして「漫画が伝える戦争」が注目される。【木村葉子】

 シリーズは「原爆といのち」「子どもたちの戦争」「戦争の傷あと」「戦場の現実と正体」「未来の戦争」と別巻資料の6冊。手塚治虫氏、ちばてつや氏、赤塚不二夫氏、水木しげる氏ら漫画界の重鎮から、「社長 島耕作」の弘兼憲史氏、「シティーハンター」の北条司氏など幅広い年代の作家、作品を収録した。作品ごとに「読書の手引き」がつき、巻末の「戦時用語集」では、「買い出し」「教育勅語(ちょくご)」「玉砕(ぎょくさい)」などを、わかりやすく解説している。

 手塚氏は「大将軍 森へ行く」で、ジャングルに迷い込み木の精霊に助けられた大将を描き、「戦争には正義も悪もない」ことを訴えた。中沢啓治氏の「おれは見た」は、被爆体験をつづった自伝作品だ。父と姉弟が家の下敷きになり亡くなったことや、妹の死などが描かれ、この作品が「はだしのゲン」につながった。

 巻末資料では、写真グラフで当時の子どもたちの暮らしぶりを紹介。日中戦争の始まりから太平洋戦争終結までを、年表、写真、地図、用語解説をつけてたどる。収録以外の戦争漫画の「ミニ事典」もあり、戦争と時代、戦争をテーマにした漫画を見渡せるよう工夫されている。

 「漫画家たちの戦争」は1冊3360円、別巻資料2100円。

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 「本はともだち」は毎月第4水曜日に掲載します。

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