キング牧師50年式典:米大統領が演説 差別解消に意欲
毎日新聞 2013年08月29日 10時56分(最終更新 08月29日 12時41分)
【ワシントン及川正也】オバマ米大統領は28日、黒人差別撤廃を求めたワシントン大行進とマーチン・ルーサー・キング牧師の「私には夢がある」演説50年記念式典で演説した。「彼らが行進を続けたことで、米国は変わった」と述べたうえで、平等を求める闘いは終わっていないと指摘。「50年前に示した共感と同志愛、良心の連帯の残り火にもう一度灯をともそう」と訴え、格差問題などに国民が結束して取り組む重要性を指摘した。
ワシントンのリンカーン記念堂で開かれた式典にはオバマ夫妻や民主党のクリントン、カーター両元大統領、ケネディ元大統領の長女キャロライン・ケネディさんらが出席。24日からの一連の式典を締めくくった。
オバマ氏は差別との闘いの結果、黒人初の大統領に自身が就任したと評価。収容所に入れられた日系米国人らの努力などを評価し、「米国はより自由で公平になった」と強調。一方、人種間の失業率の差が2倍近いなど経済格差の現状を指摘した。
次期駐日米大使に指名されているケネディさんは鴨長明の方丈記の一節「行く川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」を引用。世代を超えた努力の必要性を強調し、「両親たちの夢を私たちがかなえる番だ」と語った。
1963年8月28日のワシントン大行進には約25万人が参加。公民権運動の黒人指導者キング牧師は平等が実現し、子どもたちが「肌の色でなく、人格の中身で評価される国に住むという夢」があるなどと演説した。
◇「黒人社会が支持できる政策を」
黒人の歴史に詳しい米ジョージタウン大学のモーリス・ジャクソン准教授(アフリカ系米国人研究)の話
キング牧師のような人はもう現れない。キング牧師がとなえ、実現していない希望について多くの演説が今日あったが、オバマ大統領には演説ではなく、(黒人の生活を向上させる)政策をみせてほしい。
アフリカ系米国人社会はまさに貧困との闘いだ。貧困は固定され、平均的な白人家庭と違い親から受け継ぐ相続財産すらない。黒人社会が支持できる政策と、それを推進するリーダーを増やすことが必要だ。