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経済
【田村秀男の国際政治経済学入門】消費税増税強行へ目に余るメディアの虚報
筆者は、来年4月からの消費税増税に極少数派としてここ数年、反対の論陣を張ってきた。増税賛成論に対しては反論するが、きちんとした論拠さえあれば、尊重するのが当然だと考える。しかし、主流派メディアの根拠なき増税論やデマの多さにはあきれる。増税に慎重な安倍晋三首相を前にしてあせる財務官僚の意を汲(く)んだ御用メディアの虚報は目に余る。(SANKEI EXPRESS)
虚報とは、「消費税率10%でも財政再建できない」「増税で税収が増え、デフレにならない」「増税しないと国債が暴落する」という3点に尽きる。いずれも財務官僚の言いなりになったメディアが喧伝(けんでん)してきた。
黒字化達成できない?
最新の事例は8月8日に内閣府がまとめた「中長期の経済財政に関する試算」である。単なる「試みの計算」書ではない。1年前に国会で成立した消費増税法案通り、消費税率の2014年4月の8%、15年10月の10%への引き上げはもとより、さらに一層の増税を合理化する狙いがこめられている。消費増税分が上乗せされる14、15年度以降、23年度までの税収を試算。今後10年間の経済成長率平均が名目3%、実質2%であっても、国・地方の基礎的財政収支(税収・税外収入と国債費を除く歳出の収支)は20年度でも国内総生産(GDP)比で2%の赤字となり、目標とする黒字化を達成できない、というが詐術である。
鍵は基点となる今年度の一般会計税収にある。「試算」では43.1兆円と、何と12年度の実績である43.9兆円より減る。現実には景気の好転で、税収は法人税収を中心に大きく伸び続けている。ところが、首相のひざ元の内閣府がアベノミクス効果を完全無視し、13年度予算の税収見込みをそのまま受け入れ、財務官僚の意に従った。この試算の「ウソ」は筆者が8日の時点で安倍首相周辺の専門家たちに指摘したところ、「気付かなかった。まさか、そこまでやるとは」と絶句していた。
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