Special Advice
- 1 BCP策定には地図情報を活用する
- 2 リスクを「見える化」して解決する
- 3 トランシーバーを含む複数の通信手段を用意する
2011年3月11日に発生した東日本大震災と津波被害は、人々の想像をはるかに超えるものでした。
企業にとって、こうした災害が事業の継続性に関わる重大な脅威となることも明らかになりました。
震災前後でBCPに対する意識にどのような変化が見られたのか気になるところです。
そこで今回の<スペシャリストに聞く>では、BCPの策定支援を手がける株式会社パスコで企業向けのコンサルティングを担当されている橘 克憲氏と小城貴浩氏にお話をうかがいました。
BCP策定に役立つヒント、実際にあったBCPの成功例、
さらに初動対応におけるトランシーバーの有効性についても貴重なご意見をいただきました。
「東日本大震災でBCPに対する意識は大きく変わってきました」
橘氏:私どもの会社は1953年に創業、飛行機を使った航空測量によって地方公共団体向けに地図を作成するのが本業ですが、地震や台風などの災害時には保有機材を活用して被災状況を把握し、自治体や国土交通省など関係機関に情報を提供しています。
2007年には合成開口レーダー(SAR)衛星「TerraSAR-X」の国内総代理店となり人工衛星を使った画像解析なども採り入れています。地震や豪雨などの自然災害が発生した場合、上空からレーダーで捉えた画像を解析することで被災状況を詳しく知ることができ、いち早く対策を立てることも可能です。
そうした業務の延長上で、災害時における事業継続を図るためのBCP策定支援も手がけるようになったのです。
東日本大震災から半年を経過し、その間に企業のBCPに対する意識も大きく変わってきたと実感しています。ひとことで言えば、反省と見直しですね。
震災前に作成していた災害対策マニュアルを事業継続という観点から見直したり、具体的な被害想定に基づいて作り直したりするケースが多く、私どもにもそうした企業からの相談が寄せられています。
例えば、多店舗展開されている金融機関、小売業などでは、災害時であっても店舗を開けることが社会的な使命と捉えられていますから、その対応が遅れた場合、企業に対する信用や評判が傷つくこともあります。
製造業においても、自社工場のみならず1次サプライヤー、2次サプライヤーの被害まで想定して代替的な手段を講じておかないと事業継続が困難になります。そうした具体的な根拠に基づく事業継続計画を作るための重要な材料として、私どもでは地図の活用をご提案しています。
そうした業務の延長上で、災害時における事業継続を図るためのBCP策定支援も手がけるようになったのです。