米国株:反発、エネルギー株に買い-シリア情勢に注目
8月28日(ブルームバーグ):米株式相場は反発。シリア情勢に注目が集まる中、エネルギー株に買いが入った。
シェブロンとエクソンモービルが上昇。デジタル映像録画サービスのティーボは大幅高。損益が黒字になったことが好感された。一方、採鉱機メーカーのジョイ・グローバルは下落。新機器への需要が減少していることを明らかにした。7月の中古住宅販売成約指数が低下したことを背景に、パルトグループとD.R.ホートンは下げた。
S&P500種株価指数は前日比0.3%高の1634.96と、100日移動平均 近辺で終えた。前日には6月以来で初めて同移動平均を下回っていた。ダウ工業株30種平均はこの日、48.38ドル(0.3%)上げて14824.51ドル。
グリーンウッド・キャピタル・アソシエーツのウォルター・トッド最高投資責任者(CIO)は「前日の売り浴びせに対する小さな反動にすぎない」と指摘。「大きく売られた結果、一部の分野では投資の機会が出始めていると考えられる。投資家は賢明にも、この機会を利用できるかどうか見極めようとしている」と語った。
米英はこの日、国連安全保障理事会の承認なしにシリアへの軍事攻撃に踏み切る用意があることを表明した。
米国は国連の承認がなくともシリアに対して「適切な」行動をとると、国務省報道官が言明した。化学兵器を使用したとしてシリアを非難する決議案にロシアは反対した。
「絶好の買い場」フェデレーテッド・インベスターズのファンドマネジャー、ローレンス・クリアチュラ氏は電話インタビューで、「一つの材料に注目が集まり、他の全てがそれに左右される環境下にあり、この日はそれがシリアだった」と発言。「突然の予期せぬ紛争を嫌気した売りがその反応だ。一時的な出来事に起因する株価の軟調は絶好の買い場になるケースがよくある」と述べた。
全米不動産業者協会(NAR)が発表した7月の中古住宅販売成約指数(季節調整後)は前月比1.3%低下と、今年に入って最も大きく下げた。前月は0.4%の低下だった。ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査の予想中央値では7月は前月比変わらずと見込まれていた。
S&P500種の全10セクターのうち、エネルギー株(1.8%高)を筆頭に7種が上げた。シェブロンは2.5%、エクソンは2.3%それぞれ上昇した。
ティーボ、ジョイ・グローバルティーボ は5.6%上昇した。第2四半期は和解関連を含む2億6890万ドルの純利益を上げた。前年同期は2700万ドルの損失だった。
ジョイ・グローバルは4.7%下落。同社の最高経営責任者(CEO)は顧客のキャッシュフロー縮小により、設備投資が大幅に減り、状況はますます厳しくなっているとの見解を示した。
原題:U.S. Stocks Advance as Energy Shares Gain Amid SyriaConcern(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Nick Taborek ntaborek@bloomberg.net;ロンドン Namitha Jagadeesh njagadeesh@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Andrew Rummer arummer@bloomberg.net;Lynn Thomasson lthomasson@bloomberg.net
更新日時: 2013/08/29 06:43 JST