米 国連決議なしでも軍事行動辞さず8月29日 7時10分
シリアで化学兵器が使われたとされる問題を巡り、アメリカ政府は、ロシアの反対によって国連安全保障理事会で決議案が採択されない場合でも、アサド政権に対して軍事行動も辞さない考えを強調しました。
イギリスのキャメロン首相は、アサド政権が化学兵器を使ったとして非難した上でシリア国民を守るために必要なあらゆる手段をとるよう求める決議案を、国連の安全保障理事会に提出する方針を明らかにしています。
これについて、アメリカ国務省のハーフ副報道官は、28日、「けさ、安保理の常任理事国5か国で決議案の内容を協議したが、ロシアから、これまでと違う意見は出されなかった」と述べ、現状では、ロシアが軍事行動に反対する姿勢を崩さないために、決議案を採択するのは困難だという見方を示しました。
一方で、ハーフ副報道官は、「ロシアの妨害の影で、アサド政権が事実を隠し続けられるとは思わない。われわれは適切な行動を進めるだろう。重要なのは、化学兵器の使用は見過ごせないという強いメッセージを送ることだ」と述べ、国連安保理で決議案が採択されない場合でも、アサド政権に対して軍事行動も辞さない考えを強調しました。
国連事務総長「調査は4日間必要」
国連のパン・ギムン事務総長は28日、オランダのハーグで開いた記者会見で、シリアで化学兵器が使われたとされる問題に関して、「化学兵器の使用はいかなる理由があっても国際法違反だ」と指摘しました。
そして、パン事務総長は「現時点の私の最大の責任は、調査団の調査を完了させることだ。調査には4日間必要で、専門家による分析を行ったあと、国連の安全保障理事会に報告することになる」と述べたうえで、近く軍事行動に踏み切る構えを見せている欧米諸国に対して、調査結果が安保理で報告されるまで慎重な姿勢をとるよう求めました。
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