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消費増税点検会合、3日目は増税容認論が大勢

2013年 08月 28日 18:38 JST
 
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[東京 28日 ロイター] - 政府は28日、首相官邸で消費増税を議論する有識者の集中点検会合を開催した。2回に分けて行われた3日目の議論のテーマは「国民生活・社会保障」と「産業」。出席者の間では予定通りの増税容認論が大勢を占めたが、中小企業や低所得者などへの対策充実を求める声が多数上がった。

<小刻み増税、「事務量が莫大」>

甘利明経済財政相によると、「生活」会合で予定通り来年4月に3%の引き上げを行うことに賛成したのは出席した8人中7人。「産業」では9人中8人だった。「生活」では、増税分の税収で医療や社会保障の一段の充実を図るべきとの主張が多く、「産業」では成長を維持するためだとして「状況は厳しいが引き上げざるを得ないとの意見が多かった」(甘利担当相)という。

ただ、容認する意見の中には慎重論もあった。石澤義文・全国商工会連合会会長は、現在の景気動向では来年の3%引き上げは可能でも、その後の2%引き上げは「耐えきれないのではないか」と懸念を表明。小室淑恵・ワークライフバランス社長は増税の必要性を認めながら、長時間労働の是正など労働慣行の変化をうながす施策の導入を訴えた。

消費増税にこれまで否定的な見解を強く示してきた清水信次・日本チェーンストア協会会長は、日本の消費税率が国際的に見て低いことなどを理由に「反対も賛成も、やり方も首相に任せる」と首相への一任を表明。清水会長は「この国を守っていかなければいけない。その負担は協力しようということ」と姿勢を転換した理由を説明した。

毎年1%ずつ引き上げる小刻みな増税方法には、両会合とも否定的な見解が相次いだ。「社会保障の充実を実感できる規模で上げる必要がある。3%は必要」(宮本太郎・中央大学教授)、「対応するための事務量が莫大」(岡村正・日本商工会議所会頭)などの声があった。

<対策求める意見相次ぐ、税と予算の両面で>

予定通り3%引き上げた際に必要となる対策として挙がったのは、「生活」で非正規労働者や低所得者などに対する社会保障の強化、「産業」では価格転嫁や駆け込み需要の反動減、資金繰り、投資減税などの中小企業向け対策。「税で必要、予算で必要、あるいは両方との意見がかなりあった」(甘利担当相)。

トヨタ自動車(7203.T: 株価, ニュース, レポート)の豊田章男社長は、消費税が10%へ引き上がると新車販売台数が93万台減少するとの調査機関の試算を会議で配布し、車体課税の見直しを主張。岡村日本商工会議所会頭は事務負担の大きさなどから複数税率に「断固反対」を表明した。

<浜田内閣官房参与の発言、「よくわからない」>

また、甘利経済財政相は、消費増税の1年延期を主張している浜田宏一内閣官房参与がこの日のテレビ番組で、1年後には景気が上向いてなくても引き上げるべきと発言したことについて「(浜田氏はこれまで)経済環境がそこにいってないから反対とおっしゃってた。1年たって(そこに)行ってなかったらそれはそれでやるんだというのは、どういう意味なのかよくわからない」と述べた。

(ロイターニュース 基太村真司、石田仁志:編集 佐々木美和)

 
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