東方磁重録 (山有り)
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思わずやっちまった(何をやったかは見れば分かる)

※いつも通り、平常運行の急展開です



四十七話 蟲

 もふもふもふもふ…………俺が頭を撫でてるとあからさまに嫌そうな顔をされる。だがそれでも俺は続けるんだぜ!更に続けたらもっと嫌そうな顔をされた

「師匠……撫でるのを止めてくんない?」

「だが断る!」もふもふもふもふ

「耳とかくすぐったいからヤなんだけど…………諦めよ」

「賢明な判断だ」もふもふもふもふヴヴヴッもふヴヴヴヴンッもヴヴッヴヴウウヴヴヴンッ

 何だろう、もふもふの合間に何か変な音が………周りをみると昼なのにも関わらず沢山の蛍が飛んでいた。この蛍ってなんか普通の数十倍は光ってるような…………
 木の上に何か気配を感じた。誰だ?いや、大量の蟲って時点で何となく察しはついてるんだが
 モシャモシャと上から音がする。蟲か何かが葉っぱを食べてるのか?
 その直後にしゃべり声が聞こえる

「あー、また葉っぱばっか食べて〜……でもお肉も中々美味しいんだよ?ほら、うさぎの肉、あ、こっちに見向きもしないでまた葉っぱ食べ始めた……むーん、偏食はいけないんだけどな〜」

 緑の特徴的な髪に、おでこの辺りには短いながらも触角が生えている、首の辺りには裏地が赤の黒いマントの結び目がある。真っ白なTシャツ、深い青色のかぼちゃパンツ、少し赤いブーツの少女。そう、俗に言うリグルナイトバグである
 リグルは大きめの蟲にうさぎの肉を差し出してるが、その蟲は文字通りリグルの事をむs「師匠?」いや、やっぱりなんでもない。俺はリグルに話しかけてみる

「あのー、そこの人ー」

「ん?私の事?」

「うん?何あの人? 男の子?」

「失礼な、私は女だ」

「おぉ、やっぱりそうか。いきなりで悪いけど名前教えてもらえる?」

「うん?私の名前リグルナイトバグだよ、気軽にリグルって呼んでね」

「そうか、リグルか……因みに俺の名前は朱刃d「うん⁉ え⁉ 朱刃⁉ ちょっと一緒に来て‼」え?」

「何処に行くんd「妖怪の山!」何で妖怪のやm「何か烏天狗の一人が、朱刃さん分が足りないとか意味の分からない事を喚いて山が色々(例、木が根こそぎBang)大変な事になってるから、朱刃って妖怪を見つけたら連れて来いって天狗の長g」良し橙、俺の手を掴め!」

「え?うん分かったy「離すなよ⁉ 行くぜっ‼」きy」

 俺は光になり妖怪の山までトんだ



〜妖怪の山〜

「とうちゃ……く」

 目の前には凄まじい景色が広がっていた。まるで木がそこに無かったかのようになってる。これじゃあ禿山だ。俺は橙から手を離した、瞬間に何かが右から高速で接近してきた
 んあ⁉ 何だこれ⁉ 避けれない⁉

「オゴハァッ⁉」

 何かに吹っ飛ばされた。俺を吹っ飛ばした物体は俺の身体の上に乗ってる、そして物体は俺の臭いを嗅いでるようだった。ハァハァ音がする。犬?狂犬の妖怪か何かか?(現実逃避)俺はゆっくりと目を開けた、そして目の前には、

「朱刃さんっ!朱刃さんっ!朱刃さんっ!朱刃さんっぅぅうううわぁああああああああああああああああああああああん!!!あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!朱刃さん朱刃さん朱刃さんぅううぁわぁああああ!!!あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いですねぇん……くんくん、んはぁっ!私の愛おしい朱刃さんの髪をクンカクンカしましたです!クンカクンカ!あぁあ!!あっ、間違えました!モフモフしたいです!モフモフ!モフモフ!髪髪カミカミモフモフ!カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅんきゅい!!んあぁぁぁ‼
シャワーを浴びてる無防備な朱刃さんとても可愛かったですよ!!あぁぁああ…あああ…あっあぁああああ!!ふぁぁあああんんっ!!
偶然、本当に偶然ですよ!?偶然見てしまった朱刃さんの【検閲禁止】!!あぁあああああ!かっこいい!朱刃さん!かっこいい!あっああぁああ!朱刃さんは皆に好かれて皆を愛して………いやぁああああああ!!!にゃああああああああん!!ぎゃああああああああ!!
あぐあああああああああああ!!!私だけを愛さない朱刃さんなんて現実じゃない!!!!あれ?私はもしかして好かれてない…………?ううぅぅにゃあああああああああああああん!!うぁああああああああああ!!そんなぁああああああ!!いやぁぁぁあああああああああ!!はぁああああああん!!朱刃さんの【検閲禁止】ぁああああ!!
こんのっ!ちっきしょー!やめてやる!!天狗なんかやめ…て…え!?見……てる?目の前の朱刃さんが私をじっと見てる⁉ おぉぉうふ!目の前の朱刃さんが私を見てますよ!距離約数センチ!!!」

「お、おい、あy」

「おふぉぉぉぉぉ!距離約数ミリメートル、目の前の朱刃さんが話し掛けてきましたよ!!!よかった……朱刃さんは私を愛してるんですね!?いやっほぉおおおおおおお!!!やったぁぁぁぁ!!やりましたよ皆!!二人で【検閲禁止】出来ますよぉぉぉぉぉぉおおおおお!!!
あ、周りの紫と幽香さゃああああああああああああああん!!いぃぃぃぃぃぃぃいやぁあああああああああああああああ!!!!あっあああっあああんんんんああああ朱刃様ぁああああああああんんん!!しゅっ、朱刃さんっ!!朱刃さんんんああああぁぁぁぁぁぁああああああ!!!朱刃様ぁぁぁぁぁああああああああ!!ううっうぅうう!!私の思いよ朱刃さんに届け!!距離約数ミリメートルの朱刃さんンッチュウウウウウウウンンンン!!」

「んむっ⁉ んっ!んっんんん⁉」

「ンンンンンン、プッハァァ、はぁはぁ、はぁはぁ……ふぅ、久し振りですね朱刃さん」

「お、おう、久し振りだな」

 まさかたった三十年会わないだけでこうなってしまうとは……確か三十年前にあった時も何か発狂寸前みたいな顔と声色してたしな。文がニコニコしながら口を開いた

「ふふふ、朱刃さん分を三十年間分補給する為今日は離しませんよ〜」

「いやいやそれは困るよ、だって橙をちゃんと……こう、特訓しないと、な!ちぇ…………ん?」

「橙?先程彼処に居た化け猫の妖怪ですか?それなら何処かに走って逃げて行きましたよ?」

 くっそ!橙め!俺を裏切りやがったな⁉ 文が優しく俺の頭を撫でてくる。思わず身体がゾクっとしてしまった。文は妖艶な雰囲気を漂わせながら俺の耳元で囁いた

「愛してますよ、朱刃さん。今日は一日楽しみましょうね?」

「おうふ…………」

 太陽は今、真上に来たばかりである
 俺の長い、長〜い一日が始まった


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