名古屋グランパスのドラガン・ストイコビッチ監督(48)が27日、J1では史上5人目となる監督通算100勝目が懸かる28日の大分戦(瑞穂陸)に向けて選手に活を入れた。最下位の大分から確実に白星を奪い、上位戦線に殴り込む構えだ。
取りこぼしが許されない大分戦を前に、ストイコビッチ監督は、自らの節目の記録さえもモチベーションを上げる道具に使った。
J1通算100勝目が懸かっていることを問われると「その質問は選手に言ってほしいね。選手がギフトとして私に100勝目をプレゼントしてくれることを願っているよ」。記念の1勝を贈ってみせろと厳命した。
就任6年目にして大台到達へリーチをかけている。過去にJ1で100勝以上している監督はG大阪で黄金期を築いた西野朗氏ら4人だけ。
「個人的な記録にはあまり興味がないけど、積み上げてきた数字は誇りに思う」。グランパスに初優勝をもたらした男が、次の1勝で名実ともに名将の仲間入りを果たす。主将のGK楢崎も「監督はともに戦ってきた仲間でもある。100勝が懸かっているなら、それをモチベーションにして勝ちます。(最下位の)大分が相手でも油断は全くない」と力強く語った。
27日は非公開で大分対策を最終チェックした。「過去の悪い記憶がある。明日はサプライズを起こさない」とピクシー。昨年は7月に最下位札幌に敗れて優勝争いから脱落した。同じ失敗を繰り返さないために、セットプレーの守り方などを確認したもよう。「心配することは何もない。明日はギフトを待つことにしよう」と笑った。
故障欠場する闘莉王に代わってダニエルを先発起用。普段はダニエルが務めるセンターバックの交代要員は用意せず、ベンチには攻撃の選手をズラリと並べる見通しだ。ピクシー流の攻撃サッカーを貫き、100勝目を奪い取る。 (木村尚公)
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