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<シリア>化学兵器施設の空爆、米英が反体制派に通告

毎日新聞 8月28日(水)2時31分配信

<シリア>化学兵器施設の空爆、米英が反体制派に通告

激しい砲撃を受けて、黒煙が上がるシリアの首都ダマスカス東部=2013年8月25日、AP

 【カイロ秋山信一、ロンドン小倉孝保】シリアの化学兵器使用疑惑で、米国や英国などがシリアの反体制派主要組織「シリア国民連合」に対して、数日以内にアサド政権側の軍事基地を攻撃する可能性があると通告していたことが分かった。国民連合幹部が毎日新聞の電話取材に明らかにした。化学兵器の関連施設を短期間に攻撃する見通しだという。巡航ミサイルなどによる攻撃とみられる。

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 国民連合幹部によると、ダマスカス郊外で今月21日に毒ガスによるとみられる攻撃があった直後から、国民連合と米英など反体制派の支援国は対応について協議を重ね、27日までにアサド政権側の軍事基地などを攻撃する案がほぼ固まった。オバマ米大統領ら関係国首脳の最終的な決定を待っている状態だという。

 攻撃は短期間に集中的に行われる見通しで、地上軍の派遣など本格的な参戦にはならないという。国民連合幹部は「政権側と戦うのはあくまでも反体制派だ」と述べた。

 一方、英BBC放送は27日、英政府が軍事攻撃計画の策定に着手したと報じた。キャメロン首相は29日に国会(下院)を緊急招集して軍事攻撃を容認する動議を提出する見通しで、英国は急速に軍事攻撃への環境整備を進めている。

 英国の計画の詳細は不明だが、地元メディアの報道では、米仏両国と協力してシリア政府軍の軍事拠点に巡航ミサイル攻撃をする可能性が高いとみられる。2週間以内に軍事攻撃に踏み切る可能性があるという。また、米NBCテレビは、複数の米政府高官の話として、早ければ29日にも攻撃を開始すると報じた。

 米欧の軍事介入の可能性について、アサド政権を支援するロシアやイランは強く反発。介入が短期間だとしても、アサド政権を支持するイランやレバノンのイスラム教シーア派武装組織ヒズボラなどが、シリア国外で報復攻撃に出る可能性がある。

最終更新:8月28日(水)2時31分

毎日新聞

 
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