アラブ連盟、アサド政権が化学兵器攻撃に関与したとの声明発表
[カイロ 27日 ロイター] - アラブ連盟は27日、エジプトのカイロで緊急会合を開き、シリアのアサド政権が前週の首都ダマスカス近郊での化学兵器による攻撃に関与したとする声明を採択、国連安保理に対しシリアに対する決議を採択するよう要請した。
シリアの化学兵器使用疑惑に対し米国などが軍事介入に踏み切るとの観測が高まるなか、アラブ連合がこうした声明を発表したことは、軍事介入に対する政治的な裏付けになると見られている。
この日は「シリアの友人」の中核国11カ国を構成する米英仏独伊、トルコ、サウジアラビア、エジプト、ヨルダン、アラブ首長国連邦(UAE)、カタールの各国代表が、シリア国民連合のジャルバ議長ら幹部とイスタンブールで会合を開催。同会合の出席者によると、西側諸国はシリアの反政府派に対し数日以内に政府軍への攻撃を行う可能性があると伝えた。
アラブ連盟の声明は軍事介入の可能性については触れていないが、アラブ連盟はシリア政権が「この醜悪な犯罪行為に完全に関与していた」と見ており「この凶悪な犯罪を行ったすべての者は国際的に裁かれる必要がある」と言明、これまでにない強い口調でアサド政権による大量虐殺を非難した。
そのうえで、国連安全保障理事会に対し意見の相違を乗り越え「この犯罪を行った者に対する決議」を採択するよう要請した。
国連安保理では、ロシアと中国がこれまでにアサド政権に対する決議採択に反対している。
外交筋によると、アラブ連合のこの日の声明は、サウジアラビアとカタールが特に強力に支持。サウジアラビアのファイサル外相は、「シリア国民の悲劇を終わらせるために、国際社会は断固として立ち上がる必要がある」と述べている。
シリアの内戦をめぐり中東地域は2つに分裂。イラン、レバノン、イラクのイスラム教シーア派はアサド政権を支持。一方、湾岸アラブ諸国は主にスンニ派で構成される反アサド派を支持している。
この日のアラブ連盟の声明に対しては、イラク、レバノン、アルジェリアが声明全文、もしくは一部に対し支持を保留した。
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