アジア・太平洋株式サマリー:香港・印株が下落、中国株は上昇
8月27日(ブルームバーグ):アジア・オセアニア各株式市場の動きは以下の通り。
【香港株式市況】
香港株式相場は下落。オバマ米大統領がシリア政府に化学兵器使用の責任を問うとの認識をケリー米国務長官が示したことで、緊張が高まるとの懸念が広がった。
売上高の半分を米国で稼ぐスピーカー製造の瑞声科技 (AACテクノロジーズ・ホールディングス、2018 HK)は2.1%安。中国南方航空(1055 HK)は1-6月(上期)決算が市場予想に届かず3.8%安。一方、菓子メーカーの中国旺旺(151 HK)は、決算内容が市場予想を上回り9.6%高。
ハンセン指数 は前日比130.55ポイント(0.6%)安の21874.77で終了。下落率は1週間ぶりの大きさ。ハンセン中国企業株(H株 )指数は同0.9%安の9988.23。
BTIG香港のマネジングディレクター、クリスチャン・キールランド氏は、「地政学的リスクは気掛かりだが、最大の懸念は依然として米景気刺激策の縮小だ」と指摘。来月の米連邦公開市場委員会(FOMC)まで、投資家は慎重姿勢を崩さないだろうと語った。
【中国株式市況】
中国株式相場 は上昇し、2週間ぶりの高値となった。工業セクター企業の利益が7月に大幅な伸びを示したことが背景。
中国南方航空(600029 CH)は1-6月(上期)決算を好感し3.0%高。上海国際港務(600018 CH)はストップ高の10%上昇で、3営業日続伸となった。中央政府が上海市の自由貿易区を認可したことが買い材料。
ZTE (中興通訊、000063 CH)と烽火通信科技(600498 CH)は値下がりした。ペトロチャイナ(中国石油、601857 CH)は上海、香港の両市場で売買停止となった。関係者によれば、同社は大慶油田に関する人事を発表する見込み。
上海証券取引所の人民元建てA株と外貨建てB株の両方に連動する上海総合指数 は前日比7.09ポイント(0.3%)高の2103.57。上海、深圳両証取のA株に連動するCSI300指数 は0.2%高の2340.88で終了。
中国国家統計局が27日発表した7月の工業セクター企業の純利益は前年同月比12%増加した。6月は同6.3%増だった。
華西証券の魏瑋アナリスト(上海在勤)は工業利益の統計が「経済の安定化を示す追加の材料になった」としながらも、市場には景気回復の勢いは弱いとのコンセンサスがあることから、株価をさらに押し上げる要因にはならないとの見方を示した。
【インド株式市況】
インド株式 相場は約1週間ぶりの大幅安となった。指標のS&Pセンセックス指数は前日まで3営業日続伸していた。通貨ルピーが対ドルで過去最安値を更新したことで、インドからの資本流出が加速するとの懸念が高まった。
HDFC銀行 はここ4年余りで最もきつく下げ、13銘柄から成る銀行指数は1年7カ月ぶり安値となった。インド最大のエンジニアリング会社、ラーセン・アンド・トゥブロ は2012年1月以来の安値まで売り込まれた。国内最大の発電機メーカー、バーラト重電機 は10%の大幅下落。
27日の外国為替市場でルピーはドルに対し下げ、一時は過去最低の1ドル=66.0775ルピーとなった。
ムンバイ市場でのセンセックス指数 は前日比590.05ポイント(3.2%)安の17968.08で終了。ルピー安阻止の措置が経済成長を損ねるとの懸念が広がる中、同指数は年初来高値を付けた7月23日以来、12%下げている。
ブルームバーグがまとめたデータによれば、海外勢は6月1日以降、インドの株式・債券から120億ドルの資金を引き揚げている。
【タイ株式市況】
タイ株式 相場は下落。指標のSET指数が9営業日続落し、年初来高値からの下落率は21%となった。国内経済の低迷に伴い、同国からの資金流出が加速するとの懸念が広がった。通貨バーツと国債も下げた。
SET指数は前日比35.21ポイント(2.7%)安の1293.97で終了。1998年以来最も長い下落局面となった。バーツは0.8%安の1ドル=32.18バーツ。同国債の10年物利回りは14ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し4.29%と、2009年12月以来の高水準に達した。
タイ経済は4-6月(第2四半期)にリセッション(景気後退)入りした。26日発表された統計では、7月のタイ輸出が予想外の減少となったことが示された。
クルングスリ・セキュリティーズの調査責任者であるカサマポン・ハムニルラット氏(バンコク在勤)は電話インタビューで、「世界の投資家はタイの成長鈍化を懸念している」と指摘、「輸出データ悪化でタイの国内総生産(GDP)がさらに下方修正される可能性がある」との見方を示した。
【フィリピン株式市況】
フィリピン株式相場は大きく下げ、指標である総合指数が2カ月ぶりの安値で引けた。政府の予算措置をめぐり大規模な抗議活動が起きたことから、財政支出が鈍り経済成長の重しとなるとの懸念が強まった。
フィリピン総合指数 は前営業日比244.22ポイント(4%)安の5916.99と、終値ベースでは6月25日以来の安値となった。首都マニラでは26日に約6万人が抗議活動を行った。26日は休場だった。
【オーストラリア株式市況】
S&P/ASX200指数は前日比5.81ポイント(0.1%)高の5141.22。
【韓国株式市況】
韓国総合株価指数は前日比2.02ポイント(0.1%)安の1885.84。
【台湾株式市況】
加権指数は前日比74.13ポイント(0.9%)安の7820.84。
更新日時: 2013/08/27 21:07 JST