トップページ社会ニュース一覧南相馬市ようやく国の除染開始
ニュース詳細

南相馬市ようやく国の除染開始
8月26日 17時31分

南相馬市ようやく国の除染開始
K10040443311_1308261745_1308261823.mp4

去年、原発事故の警戒区域が解除されたものの、国による除染が始まっていなかった福島県南相馬市小高区で、計画より1年半近く遅れて、26日からようやく本格的な除染が始まりました。
ただ、作業が大幅に遅れているとして、環境省は当面の目標としていた来年3月末までに終わらないとしていて、住民帰還の前提となる除染の終了の見通しは立っていません。

ようやく本格的な除染が始まったのは福島県南相馬市小高区で、26日は、小学校や体育センターなど3か所で除染が行われ、作業員が住宅の壁に付着した放射性物質を布でふき取ったり、敷地内に生えた雑草の草刈りをしたりしていました。
小高区には39の行政区があり、環境省は、当初、警戒区域が解除された去年4月から除染を始め、来年3月までに終える計画でしたが、除染で出た廃棄物を保管する仮置き場の確保を巡って住民との間で調整が難航し、1年半近く本格的な除染が始まらない状態が続いていました。
このため、住民との話し合いなどが続けられていましたが、仮置き場の確保のめどがたった39の行政区のうちの4つで、本格的な除染を行うことになりました。
環境省によりますと、対象となるのは、合わせて1300棟の住宅などの建物のほか、農地や道路などで、これらの除染には、来年度いっぱいかかる見込みだとしています。
一方、ほかの35の行政区については、仮置き場のめどがたっておらず、除染の開始も終了の見通しも依然として立っていません。

住民やっと始まった

小高区から鹿島区の仮設住宅に避難している72歳の男性は、「本格的な除染がやっと始まったかという感じで、除染のスピードを早めてほしいという意見が住民側からもっと出ることを期待したいです。早く仮設住宅から自宅に戻り、のびのびと自分の家でゆっくりしたい」と話していました。
また、小高区から原町区の仮設住宅に避難している57歳の男性は、「除染が始まったのは帰還に向けていいことだが、震災と原発事故から2年半近くたっていて遅い。環境省の除染に対する本気度、本気でわれわれの地域を除染して元の姿に戻そうとする気があるのか、疑問に思えてならない」と話していました。

環境省一日も早く終わるよう取り組む

環境省福島環境再生事務所の鈴木幸弘課長補佐は「仮置き場が決まらないことには除染に着手できないので、環境省として、地権者などに精いっぱい説明し、理解を得たうえで1日も早く除染が終わるよう取り組みたい」と話していました。

[関連ニュース]
k10014044331000.html

[関連ニュース]

  自動検索

このページの先頭へ