談話室
▼▽戦時中に強制労働させられた韓国人の損害賠償請求訴訟で、新日鉄住金は敗訴が確定すれば賠償に応じる意向を示した。強制労働は本県でも行われたと聞く。このうち1カ所を取材し、意外な事実に驚いたことがある。 ▼▽場所は天童市の越王山(こしおうやま)。そこに戦争末期、日本軍と“朝鮮人”250人が突然現れ、トンネルを掘り始めた。目的は地下軍需工場造りだ。空襲を避けて軍事物資を生産するために整備された。ゼネコンの前身とみられる業者も何社か関与していたという。今も工場跡が残る。 ▼▽意外な事実とは朝鮮人の扱いだ。軍は住民の自宅を改修し、同居するよう指導した。住民が大根飯を食べている脇で彼らは白米と焼き肉を食べ、おいしそうな匂いを漂わせた。住民の中にはごちそうになる人も。理由は分からないが、強制労働とは程遠い印象だったようだ。 ▼▽逆に日本兵が労働を強制された例がある。旧ソ連によるシベリア抑留だ。県人含め60万人が連行され、5万5千人が死んだ。全国抑留者補償協議会の初代会長は鶴岡市の故斎藤六郎さんだ。過酷な作業を強いられた斎藤さんが望むのは恒久平和だ。あらためて肝に銘じたい。 (2013/08/24付)
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▼▽島の医療に“春”が訪れる。昨年4月から常駐医師の居ない状態が続いていた酒田市の離島・飛島に新任の医師が着任する。長野県で勤めていた内科医の野口健一さん(53)=茨城県出身。来週から診療開始するという。[全文を読む] ▼▽ゆく夏を彩る「むらやま徳内まつり」(23~25日)と「新庄まつり」(24~26日)が繰り広げられ、北国の街は熱気と感動に沸いた。市民は早くから踊りや囃子練習、山車(やたい)製作に奔走。観衆と一体で短い夏を謳歌(おうか)した。[全文を読む] ▼▽華やいだ夏の成人式が終わり、甲子園の熱気も遠ざかり、セミの声が静寂の中に響く。強く陽光が降り注ぐ8月は、鎮魂の月でもある。原爆の日、終戦の日、御巣鷹の墜落事故慰霊も今月だった。お盆参りもしかりだ。[全文を読む] ▼▽戦時中に強制労働させられた韓国人の損害賠償請求訴訟で、新日鉄住金は敗訴が確定すれば賠償に応じる意向を示した。強制労働は本県でも行われたと聞く。このうち1カ所を取材し、意外な事実に驚いたことがある。[全文を読む] ▼▽大雨による洪水のニュースが相次いだかと思うと、今度は西日本などで水不足だという。東京も渇水対策で12年ぶりに人工降雨装置を動かした。豪雨、そして渇水。今夏は“水難の相”でも出ているかのように極端だ。 [全文を読む] ▼▽「うーん、残念」。日大山形がついに力尽きた。だがここまでよく頑張った。県勢初の4強という歴史もしっかりと刻んだ。泥だらけのユニホームは一人一人の努力に対する勲章でもある。ナインの健闘をたたえたい。[全文を読む] ▼▽芭蕉の奥の細道に「春立てる霞の空に白河の関越えんと」というくだりがある。福島県南部にある白河の関はその昔、みちのくへの玄関口だった。鼠ケ関や勿来(なこそ)関と奥州三関の一つに数えられ、今は国の史跡でもある。[全文を読む] |
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