そして、しばらくロードバイクに乗っていると、もっと速く走りたいという気持ちが自然に生まれてきます。その欲求が自転車乗りを、パーツへのこだわり、カスタマイズの世界へと誘うのです。私も2台目は、スペインの「オルベア」というブランドのORCA(オルカ)北京オリンピック限定モデルのフレーム(約30万円)に、別のブランドのホイールを装着したものを購入。
そのホイールは、「ボントレガー」というメーカーのカーボンホイール、XXXLite(トリプルエックスライト)という製品で、値段は前後輪でなんと30万円超! フレームと合計すると約60万円!! 高級ブランドのアクセサリーを買ってもお釣りがくる額なのです。
でも、このパーツのおかげで確実にパフォーマンスが向上するので、競技自転車乗りとしては手放せません。
しかも、この程度で驚いていてはいけません。自転車乗りの中には、フレーム、ペダル、ハンドルをはじめ、あらゆるパーツに改良を加え、総額100万円以上の自転車に乗っている人も珍しくないのです。言ってみれば、自転車乗りは金遣いの荒い女(または男)に貢いでいるようなものかも……。
だからこそ、自分のこだわりがいっぱい詰まった自転車は、とても愛おしい。ただその姿を見ているだけで、時間が経つのを忘れます。
すらりと伸びたフォークはスーパーモデルの手足のようだし、ドロップハンドルは闘牛の角のよう。それから、ハンドルとフレームをつなぐ「ステム」というパーツを、私は男性のアソコを連想させるカタチだと密かに思い込み……。自転車屋さんにずらりと並ぶ「ステム」を見るたびに赤面したりして……(汗)。
ロードバイクは、いつまで眺めていても飽きることのない美しい乗り物なのです。
プロフィール
- MOCO(もこ)
本名・笹本智子。1980年生まれ。静岡県出身。自転車ロードレーサー。
2010年、ヒルクライム参戦2戦目にして、東京都が主催する奥多摩ヒルクライム・20代の部で優勝。2011 年はJBCF Road Race(カテゴリーJFT)にエントリー中。竹芝サイクルレーシング(2010年実業団Jグランプリ チームランキング1位)所属。今季も肉食系アラサー美女アスリートとして上位入賞を狙う。ツイッターもやってます! (twitter.com/MOCO_Sasamoto)