消費者庁:読者プレゼント数水増し 秋田書店に措置命令
毎日新聞 2013年08月20日 19時27分(最終更新 08月20日 21時47分)
マンガ雑誌の読者プレゼントで当選者数を実際より多く表示していたとして、消費者庁は20日、出版社の秋田書店(東京都千代田区)に、景品表示法違反(有利誤認)に基づく措置命令を出した。読者プレゼントの水増しへの措置命令は初めて。
不当表示があったのは、少女マンガ月刊誌の「ミステリーボニータ」(3万2000部)と、「プリンセス」(2万部)、「プリンセスGOLD」(3万5000部)。2010年6月号から12年5月号にかけて、携帯型DVDプレーヤーやテレビゲーム機、商品券(1万円分)などの景品について、それぞれ1〜50人の当選者が出ると記載しながら実際はそれより少ない数しか発送せず、当選者が全くいなかった景品もあった。また、当選者を発表した号では、不当表示が発覚しないよう架空の名前を雑誌に掲載していた。
同社の関係者によると、内部告発を受けた社内調査で同社が事実関係を把握し、不当表示を中止した模様だ。水増しの理由について同社は「近年、メーカーから景品の無償提供を受けられなくなり、経費削減のためやった」と消費者庁に説明している。
同社は同日、秋田貞美社長名で「読者や関係者に深くおわびし、再発防止に取り組む」などとする謝罪文を公表したが、関与した社員への処分や経営陣の責任については「コメントできない」としている。
措置命令は、消費者庁が景表法に違反して消費者が誤解するような不当表示などをした業者に、その行為の撤回や再発防止を命じる行政処分。命令に従わない場合、命令を受けた法人には3億円以下の罰金、その代表者には2年以下の懲役または300万円以下の罰金が科される。【太田圭介】