シリア:化学兵器使用疑惑 現地調査許可アサド政権が声明
毎日新聞 2013年08月25日 20時26分(最終更新 08月26日 00時21分)
【カイロ秋山信一】内戦が続くシリアのアサド政権は25日、首都ダマスカス郊外で21日に化学兵器が使用された疑惑に関連し、国連調査団の現地調査を許可するとの声明を発表した。国営シリア・アラブ通信が伝えた。現場は反体制派の支配地域だが、既に反体制派は調査への協力を表明している。調査団はダマスカスに滞在しており、26日に調査に着手する方向で準備を進めている。
国連の調査対象地域は、政権との合意に基づき、北部アレッポなど3カ所に限定されていた。そのためケイン国連軍縮担当上級代表がシリア入りし、政権側と交渉していた。
反体制派によるとダマスカス郊外では25日も激しい戦闘が続いていた。国連が25日に出した声明によると、アサド政権側は調査中の現場付近での停戦順守を約束したという。
ダマスカス郊外では21日朝に毒ガスによるとみられる攻撃があった。反体制派はアサド政権による攻撃だと非難。一方、政府軍は25日、ダマスカス郊外の反体制派の拠点で、化学兵器を製造するための原材料やガスマスクなどを押収したと発表し、「テロリストが化学兵器を使用した証拠だ」と非難した。政権側は反体制派を「テロリスト」と呼んでいる。