一枚の写真がテーブルの上に置かれた。
彼女は言った。
「この人、誰だか分かるかしら?」
私は、写真の女性が二人並んだ内の1人は、気合の入ったピンクのスーツを
カッチリと着込み上品な笑顔を浮かべる彼女自身だと、すぐに分かったが・・・
もう1人の髪を束ねラフを通り越し地味なパンツ姿の控えめに微笑む女性は?
誰かに似ていた・・・・
黙ったままの私を、じれったく思った彼女は言った。
「秋篠宮紀子様よ!」
何でも、当時2歳の真子様に同年齢のお友達と遊ぶ機会をと考えた宮内庁から
当時侍従と知り合いの彼女の父親に相談が舞い込み、2歳のIちゃんと彼女に
白羽の矢が当たったのだという。
驚いて椅子から落ちそうになった私を見て、気を良くした彼女は何かを探しに、
リビングから消えた。
湘南に住んでいた頃、公園で知り合った彼女は、子供同士が同じ年齢で、
公園一ハイソな雰囲気だった。
気が強く丁寧な言葉遣いでズバズバ話すところが、どこか滑稽だった。
彼女がいない間、テーブルにセットされている透明な紅茶のポットを眺めていた。
勢い良くジャンピングしていた紅茶の茶葉が底に溜まりだした頃、
彼女は戻ってきた。
やはり、目の前に写真を置き、間髪を置かず紅茶をカップに注ぎながら言った。
「皇太子様と演奏した時のよ!」
彼女はバイオリンの勉強のために、Iちゃんを連れてオックスフォードに行って
帰ってきたばかりで、自宅で生徒さんに教えていた。
圧倒され続ける私に、紅茶を差し出した。
『な、なんかハーブのような味?』、という私に、
彼女は涼しい顔で言った。
「アール・グレイよ。」
私にとって、紅茶と言えば昔ならリプトンもしくは日東紅茶だった。
せいぜい贈答用のトワイニングの変わったネーミングのティバッグが
稀にあったぐらいだった。
『アール・グレイ・・・』
長女を連れて自宅に戻った私の頭には「アール・グレイ」の文字がグルグルと
回り続けていた。
その後、元々紅茶が好きだった事もあり、様々な紅茶を楽しむようになり、
図書館で借りた本で自家製のアイスティとガムシロップを作るまでになった。
何事も憧れからパワーが生まれてくるもの。
彼女のおかげだ。
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コメント(2)
この友人の方は凄い経歴をお持ちで、もう私までビックリ致しました。
真子様と遊ばれた、その娘さんのその後の成長が楽しみですし、気になりますね。
まあ、余計な詮索はしませんが。。。
ところで私も紅茶が大好きで、毎日妻の作ってくれたセイロン紅茶葉で作るアイスミルクティーを朝と夜必ず飲んでいます。
私のプロフィールにも書いていますが。。。
我が家の紅茶は、渋谷のとっても美味しい紅茶さん、カフェ「ケニヤン」で教えて貰ったミルクを使っていますが、アイスミルクティーはこのミルクの味でかなり左右されますね。
勿論、アール・グレイ茶葉もアイスティー向きではありますね。
美味しいですよね。
2008/5/30(金) 午後 8:18
ミルクにもこだわった奥様お手製のアイスミルクティーなんて本当の意味で贅沢ですね!
沢山の氷で一瞬に冷やして作るアイスティーは琥珀色で、本当においしいですね。大きめのポットに1日分まとめて作っていました。
Iちゃんは2歳からバイオリンを始め、数々のコンクールで優秀な成績を残しています。
これからもバイオリンの道を突き進むのでしょうね。
陰ながら応援していきたいと思っています。
2008/5/30(金) 午後 9:30