大相撲名古屋場所:「緊張よりも喜び」 蒼国来関が復帰、黒星でも充実感

毎日新聞 2013年07月08日 中部朝刊

 大相撲名古屋場所は7日、名古屋市中区の愛知県体育館で初日を迎え、八百長問題に絡む地位確認訴訟で解雇無効の判決を勝ち取った幕内・蒼国来(そうこくらい)関(29)=中国・内モンゴル自治区出身=が解雇処分前と同じ西前頭15枚目で2年半ぶりの本場所復帰を果たした。「蒼国来」コールが鳴り響く中、土俵に立ったが、新入幕の徳勝龍関に押し出しで敗れた。

 2年半のブランクは甘くなかった。2011年の初場所千秋楽で高見盛関(現振分親方)に勝って以来の本土俵は、立ち合いで当たった直後に左に変化した徳勝龍関の動きについていけず押し出された。筋力は戻っても、相撲勘を取り戻すには時間がかかる。それでも「こんな応援は初めて。怖さや緊張よりも、喜びやうれしさがあった」と語った顔は充実感に満ちていた。

 八百長問題では元力士の証言を基に「クロ」と認定され、日本相撲協会から解雇された。納得がいかず、11年6月に東京地裁に提訴。今年3月に解雇無効の判決を勝ち取り、翌月から稽古(けいこ)を再開し、この日を目指してきた。

 師匠の荒汐親方(元小結・大豊)は「今日より明日、明日よりあさってとなればいい」と期待する。本人も「まだ初日。あと2週間、頑張りたい」と気力は充実。苦しい時に支えてくれた周囲への感謝の思いを土俵で伝える。【井沢真】

 ◇ファンは大声援

 蒼国来関の復帰戦を、愛知県体育館の観客席に詰めかけた支援者らも見守った。八百長問題の弁護団から贈られた化粧まわしで土俵に上がると、「お帰り」などと大きな声援が飛んだ。

 岐阜県のファンらで結成した「蒼国来を育てる会」会長の鹿野正春さん(68)=同県恵那市=によると、全国の支援者約350人が観戦。しこ名にちなんだ青いTシャツを着て横断幕を掲げた。黒星スタートだったものの、鹿野さんは「土俵に戻れたことが一番。勝ち負けは次だ」とねぎらった。

 「育てる会」メンバーで、蒼国来関と同じ中国・内モンゴル自治区出身のゲルラトヤさん(48)は「潔白を信じてきた。復帰をあきらめずに2年半闘ったことが何よりうれしい」と喜んだ。

 復帰を訴える署名活動を展開してきた埼玉県小川町の豊嶋康子さん(45)は「現役を長く続けて味のある相撲を見せてほしい」と話していた。【稲垣衆史】

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