仙台市は22日、2012年度の普通会計決算(速報)と財政指標を公表した。東日本大震災からの復興事業が本格化し、歳入は11年度比5.6%増の6244億円、歳出は4.7%増の5989億円で、ともに2年連続で過去最高を更新した。市債残高も3.4%増の7605億円に上り、過去最大規模となった。
歳入のうち市税収入は7.3%増の1700億円。復興需要を背景に企業業績が改善し、2年ぶりに増加に転じた。自主財源比率は3.1ポイント上昇し、42.7%。地方交付税は41.6%減の518億円、市債は11.2%増の765億円だった。
歳出のうち災害復旧費419億円を含む投資的経費は5.3%増の977億円に上った。扶助費が12年ぶりに減少するなど義務的経費は1.2%減の2101億円だった。
財政構造の弾力性を示す経常収支比率は96.5%で5.1ポイント改善した。市税収入の増加に伴い使途が限定される復興特別交付税が減少した上、12年度から始めた職員給与の削減措置が人件費総額を押し下げた。
各種基金の残高は1.4倍の2223億円と過去最高となった。防災集団移転や復興公営住宅整備費などを賄う震災復興交付金基金が2.5倍の1052億円に膨らんだことが主な要因。財政調整基金残高は261億円と7億円積み増した。
実質赤字比率(マイナス2.2%)、実質公債比比率(11.3%)など財政の健全性を示す4項目の指標は全て改善傾向にあり、政令市の早期健全化基準を大きく下回っている。
財政課は「急激に落ち込んだ11年度と比べて一定程度、財政状況は回復している。ただ、復興需要がいつまで持続するか見極められず、予断を許さない状況に変わりはない」と話している。