平成24年3月30日
金融庁

監査法人の処分について

金融庁は、平成24年2月1日、公認会計士・監査審査会から、同審査会がロイヤル監査法人に対して行った検査の結果に基づき、公認会計士法第41条の2の規定による当該監査法人に対する行政処分その他の措置を講ずるようPDF勧告を受けました。

同勧告を踏まえ、金融庁は本日、下記のとおり当該監査法人に対して、公認会計士法第34条の21第2項第3号に基づく処分を行いました。

1.処分の概要

  • (1)処分の対象

    ロイヤル監査法人

  • (2)処分の内容

    業務改善命令(業務管理体制の改善)

  • (3)処分理由

    ロイヤル監査法人については、別紙のとおり、運営が著しく不当と認められるため。

2.業務改善命令の内容

  • (1)監査法人として、組織的な業務運営を行い、監査業務の品質を合理的に確保する業務管理体制を整備すること

  • (2)監査の基準に準拠した監査手続を実施するための態勢を強化すること(リスク・アプローチに基づく監査計画の策定、会計上の見積りの監査など、検査において指摘された事項の改善を含む)

  • (3)監査の基準に準拠した審査手続を実施するための態勢を強化すること(監査計画、内部統制監査に関する審査、監査報告書や財務諸表の適切性、監査上の重要な判断の審査など、検査において指摘された事項の改善を含む)

  • (4)日本公認会計士協会の品質管理レビューによる指摘事項等の改善を組織的に行うことを含め、品質管理のシステムの監視態勢を強化すること

  • (5)上記(1)から(4)に関する業務の改善計画を、平成24年5月1日までに提出し、直ちに実行すること

  • (6)上記(5)の実行後、当該業務の改善計画の実施完了までの間、平成24年9月末日を第一回目とし、以後、6ヶ月ごとに計画の進捗・実施及び改善状況を取りまとめ、翌月15日までに報告すること

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局企業開示課(内線2767、2764)

別紙

ロイヤル監査法人の運営は、下記のとおり著しく不当なものと認められる。

  • 統括代表社員等において、組織的に品質管理のシステムを整備し、監査業務の品質を確保するという意識が欠如していることなどから、監査法人として必要な体制の整備に取り組んでおらず、品質管理のシステム全般にわたり不備がみられるなど、監査法人としての組織的な業務運営が行われていないことに加え、その業務運営は監査業務の品質を合理的に確保するものとなっておらず、業務管理体制は極めて不適切である。

  • 監査業務の実施については、業務執行社員等において、監査の基準に関する理解が不足していることなどから、リスク・アプローチに基づく監査計画、会計上の見積りの監査等の重要な監査手続において十分かつ適切な監査証拠を入手していないなど、監査の基準に準拠した監査手続が行われていないものがみられる。

  • 監査業務に係る審査については、審査の重要性に関する認識等が監査法人全体として希薄であることなどから、監査計画、内部統制監査に関する審査を実施していないもの、監査報告書や財務諸表の適切性、監査上の重要な判断を審査していないものがみられるなど、審査態勢は極めて不適切である。

  • 日本公認会計士協会の品質管理レビューの指摘事項については、統括代表社員等が、監査法人として適切に対応しておらず、改善措置の実施を業務執行社員に任せきりにし、その改善状況を確認していないことから、未改善の事項や改善不十分な事項が多数みられ、改善に向けた取組状況が著しく不十分である。

(以上)

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