「花火大会事故は暴力団排除条例が一因……」全国の祭りから“テキ屋”が消える日
[ 関連タグ ]事件
イメージ画像(「足成」より)
8月20日現在、3人の死者を出す大惨事となった京都府福知山市の花火大会で発生した露店爆発事故では、露店の店主が、火元近くでガソリン缶を開けるという、初歩的な安全管理を怠ったことが事故の原因とされている。また、主催者や消防など、安全確保に当たる機関が、こうした危険行為に対する措置を講じていなかったことも明らかになった。
さらに事故を起こした露店はベビーカステラを販売していたが、大会を主管する福知山商工会議所に、営業実態と異なる「たこ焼き店」として出店許可申請書を提出。負傷したアルバイト女性についても、住所氏名や連絡先が空欄のままだったにもかかわらず、商工会議所は出店許可を出していた。
出店者と運営側、双方のずさんさが際立つ今回の事件について、「少なくとも俺が現役の頃は、火元の近くでガソリン缶を開けるようなヤツはいなかったね」と話すのは、元テキ屋の60代男性、Y氏だ。
過去40年にわたり、全国の祭や行事にりんご飴やお好み焼きなどの露店を出店してきたというY氏は、2年前に現役を退いた。原因は、全国の都道府県で施行された暴力団排除条例だ。
もともと、任侠の世界と密接なつながりのあるこの業界に長年身を置いていた彼の周囲には、暴力団と関わりのある者も少なくなく、Y氏自身、密接交際者として認定された。これにより、暴力団排除を進める全国の祭や行事に、出店することができなくなったのだ。
「条例で、俺みたいな古株には、商売ができなくなったヤツが多い。そこに代わりに業界に入ってきたのが、テキ屋の経験がなく、火の扱いもマトモにできないような素人。ショバ代を取り立てるヤクザは、俺だって好きじゃない。でも、この商売一本でやってきたテキ屋を排除して、その後の安全管理ができていないのでは、ヤクザに笑われるよ」
全国的に見ても、こうした“テキ屋排除”の傾向は進んできており、先日、尼崎市内の夏祭りで例年なら数十軒も建つ露店が3店しか建たなかった例も報道された。かつての“夏の風物詩”が完全に姿を消し、日本の祭りの風景が一変する日も遠くなさそうだ。
(文=牧野源)
花火大会は娯楽ではなかった!? “花火大会”という儀式の本当の意味を、今一度確かめる
トンネルより深刻…急増する老朽インフラの実態と巨額コスト
恐怖の"アナル・クライシス"!! 中国で頻発する肛門の危機
ひめキュン、LinQ......『あまちゃん』効果で"全国区"を狙うご当地アイドルたち
金爆ヒットに続くのは? 2010年代のV系シーン見取り図
NEWSライブ順延で大混乱…助け合いの意味を誤解した「パーナさん」
豪雨ハイでフリーダムな樹木希林と、無感動な獅童のコントラスト。ヤバすぎた隅田川花火大会
『47都道府県これマジ!?条例集』の著者が語る「暴力団追放条例のトンデモ度」とは?
“DJポリス”賛美に見る治安維持の本当の難しさ
- 「花火大会事故は暴力団排除条例が一因……」全国の祭りから“テキ屋”が消える日
- 恒例、北朝鮮風大学の新入生歓迎祭? 春の法政大学解放総決起集会の一部始終
- 東京上野のタクシー介護会社社長拉致事件、警察の失態で死体の数が増えてゆく……!?
- 動機は日本人への逆恨み? 2邦人死亡グアム通り魔事件 地元証言が浮き彫りにする犯人の素顔
- 「早く出てダイエットしたい」本気で無罪を信じていた内柴正人被告 即日控訴も……
- 「ウソにウソを重ねる富士スピードウェイ」2007年F1“ずさん運営”日本GP一次訴訟が1月24日判決へ