東日本大震災の被災者らを勇気づけようと、東京都品川区の五反田ゆうぽうとホールで27日、「大震災復興支援『正論』講演会」(産経新聞社主催)が開かれ、第26回正論大賞を受賞したジャーナリストの櫻井よしこ氏が「日本再生で国難を乗り越えよ」をテーマに熱弁を振るった。
櫻井氏は冒頭、「この未曽有の国難は、日本を根本からつくり替えるきっかけにもなる。この試練を夢につなげていこう」と力強く呼びかけた。
その上で、今回の大震災で国民が示した沈着冷静な行動を、天皇陛下のお言葉を引用しつつ評価し、「すさまじい被害の中でも、日本人はかくも雄々しかった」と強調した。
一方、会議ばかりで具体策を示せていない菅直人首相の対応を批判。「これは菅首相だけの問題ではない。戦後日本の国家のありようを象徴している」とし、憲法改正を含む日本再生の必要性を訴えた。
会場はこの日、約1400人の聴衆で埋め尽くされ、櫻井氏の迫力ある主張に繰り返し拍手がわき起こるなど熱気に包まれた。
今回の講演は、櫻井氏の正論大賞受賞を記念して行われたが、大震災を受け、被災者への追悼とお見舞いの気持ちを込めた特別講演となった。
会場では櫻井氏のサイン入りの著書なども販売。その収益の一部は、この日集まった義援金とともに、産経新聞厚生文化事業団を通じて被災者支援などに役立てる。