2013年5月30日 (木)

NHK経営委員及び経営委員長の選任報道についての声明

声明                                                          2013年5月28日
NHK経営委員及び経営委員長の選任報道について
             NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ共同代表
                              醍醐  聰
                              湯山哲守
 
 一連の報道によれば、5月21日、政府は衆参両院の議院運営委員会理事会に、6月19日に任期切れを迎えるNHK経営委員長の浜田健一郎氏(ANA総合研究所会長)と室伏きみ子氏(お茶の水女子大教授)の再任と上田良一(三菱商事副社長)、宮田亮平(東京芸術大学長)、美馬のゆり(公立はこだて未来大教授)の3氏の新任案を提示したとのことです。
 この問題をめぐって、この間一部の報道には不可解かつ重大な問題を含んだものがありました。報道は5月13日付の「日本経済新聞」、「時事通信」から始まりました。それは「NHK、浜田経営委員長退任へ 後任はJT本田氏軸に」人事案を国会に提示するというものでした(「日経」)。他のほとんどの報道機関が「沈黙」する中、19日付で「朝日新聞」が「JTの本田氏NHK経営委員長就任へ」という見出しで「浜田委員長の退任と本田勝彦氏の委員長就任」を断定的に報じる一方、他の経営委員候補の氏名には触れませんでした。
上記朝日新聞の報道は、「安倍内閣はNHK経営委員に日本たばこ産業(JT)の本田勝彦顧問(71)を起用し、・・・国会同意が得られれば、本田氏は委員による互選で経営委員長に就任する見通し。」というものでした。この「朝日」の報道姿勢自体には重大な疑義があるのであとで問題にしますが、とりあえず本田氏の紹介を次のようにしていました。「本田氏は東大卒、JTで2000年に生え抜きとして初めての社長に就任。06年までトップを務めた。学生時代に安倍首相の家庭教師をしていたことでも知られる。」この段階でのこの報道には看過できない問題がありました。その後の報道によれば、21日に政府が提出した経営委員候補名簿に本田勝彦氏の名前はなく、再任拒否を予定していた浜田健一氏を急遽再任するとされました。名簿提出を受けて他の報道機関も簡単な「顛末」を添えて「本田氏を断念し、浜田氏の再任」の報道を行いました。

 一連の報道において看過できない問題は以下の通りです。
 第一は、これらの情報は「政府・総務省」筋からのリークによるものと考えられますが、その政府筋から示された「意向・方針」は「放送法のNHK経営委員長選出を定める条項」に抵触する越権行為です。放送法の精神は12人の経営委員全員が揃った状態で「互選」をして委員長を選出するということであり、政府が予め委員長を指定して選出することは違法であるのみならず現職経営委員を侮辱するものです。安倍第一次内閣が「委員長指名」人事報道によって「古森経営委員長」を強引に押しつけたことを想起させます。
 第二は、「財界人の『たらい回し』人事」をまたもや行おうとしていたことです。1989年〜90年在任したジャーナリスト出身の天野歓三氏を最後にその後の歴代8人が「財界人」で、しかもその多くが財界トップだった人々です。
3年前、2010年の経営委員選任にあたって、当会も参加する「開かれたNHKをめざす全国連絡会」は、衆参両院の全総務委員宛に「申し入れ」を行いましたが、その中で「多くのメディア研究者やジャーナリスト、各地の市民団体の再三にわたる申し入れにもかかわらず、特定の経営委員ポストを財界人の指定席かのようにたらい回しする悪弊が続いています。」と指摘し、「NHKが担うべきジャーナリズムとしての機能とゆたかな文化をはぐくむ役割を深く理解し、NHKを権力からの自立したメディアとする砦としての役割」を担える経営委員の選任を要望しました。今回も新経営委員がその使命にふさわしい人材であることを望みます。
 第三は、安倍首相の悪癖である、「お友達人事」です。先の古森重隆氏は当時の安倍首相の財界人懇談会である「四季の会」メンバーでした。その古森氏が経営委員長在任中、さまざまな問題を引き起こし、事実上の「不再任」となったことは記憶に新しいことです。今回「指名」を取りざたされている本田勝彦氏は安倍首相の「学生時代の」家庭教師だったという、極めて密接な「知己の人」です。このような「お友達人事」を繰り返すことは噴飯ものといわなければなりません。権力を監視する使命を持つメディアのトップに「知人」を当てる無神経さは糾弾されなければなりません。
 最後に朝日新聞の姿勢についてです。19日付の記事の「国会同意が得られれば、本田氏は委員による互選で経営委員長に就任する見通し。」という表現は放送法をないがしろにするものです。今回の改選は5人ですが、そのうちの1人を特別扱いして「互選で」決まるだろうと予断報道をすることは他の経営委員対する「冒涜」です。
 実は2007年の「古森委員長内定報道」に際し、当会は朝日新聞社と担当記者に質問状を送付しこの点について質しましたが、それへの「回答」は「取材によって得られた証言や資料に基づき、政府が方針を決めたという事実を報道し、・・・必ずしも最終決定を待つのではなく、取材の結果、見通しが固まった段階で、いち早く報じることが読者に対する責務だ」と回答してきました。その際の報道では、断定的に「安倍首相と菅総務相の会談で内定した」となっていました。今回も政府筋の意向をそのまま報じたことに変わりはありません。ちなみに、今回の「報道」では、「日経」、「時事通信」は「経営委員長に就任する見通し」という独断報道はしていません。また、5月20日までは当会の知る限り、07年とは違って、その他のメディアが一切この件について「リーク報道」に加担していなかったことはジャーナリズムの見識を示したものと考えます。
 その後の朝日新聞報道は、「本田案」が自らの報道などで事前に公になったことによって「頓挫」したことをあれこれ釈明しています。しかし、顛末はどうであれ、経営委員長は経営委員が互選するという「放送法」の定めをわきまえず、政府が特定の人物を経営委員長に指名するかのような「新聞辞令」を相も変わらず報道したことは、政府からのNHKの自立をメディア自らが放擲するに等しい行為と断じざるを得ません。         以上。

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2012年12月16日 (日)

経営委員会宛て質問書と石原委員の辞任要求をNHKに提出しました。

石原委員の発言と數戸前経営委員長の献金問題の質問書(報告)
                    2012年12月14日
日時:12月14日 10時半から約45分間
NHK対応:経営委員会事務局   調 弘誓副部長
視聴者事業部 視聴者部       山本健一副部長
         〃     〃 米森公二副部長
参加者:醍醐共同代表、渡邉運営委員

【経緯】
 経営委員の石原進氏(JR九州会長)が原発問題について極めて重大な発言を幾度もしており、財界人として経済界の利害に沿った発言・行動をしたいのなら、政治的にも自主・自立を生命線とするNHKの意思決定・監督機関の委員を退くべきであり、経営委員の職にとどまりながら、原発問題が大きな政治的争点となっている状況の中でこのような発言を繰り返すのは致命的な誤りです。同時に數戸前経営委員長の献金問題も看過できない問題と考え、①経営委員長と委員各位宛の質問状と、②石原委員宛ての辞任要求書を、それぞれ経営委員会事務局に手交しました。面談の日程について10日に申し入れをしましたが、経営委員会事務局の都合で14日の開催となりました。

【面談の様子】
 今回は、何時もの窓口の視聴者部だけでなく経営委員会事務局とも直接面談し、醍醐共同代表から質問状の趣旨説明を行いました。
Q:浜田委員長は最近の記者会見で献金問題について発言しているが趣旨は?
A:自分は国会議員への献金はしていないし、する積りも無い。ただ県知事については高校時代の友人たちと少し出した。
Q:石原発言を問題視する報道は見当たらないが、経営委員会には問題視する声は届いていないか?
A:特に聞いていない。
Q:まず、石原氏の問題意識の有無を確認したい。
近頃、経営委員がNHKの信頼を無くすような足を引っ張る事態が続くなか、経営委員の職務の遂行状況をチェックすべき監査委員が職務をキチンと果たしていないのではないか? 新任の経営委員は放送法、放送ガイドラインについてキチンと説明を受けているのか?
A:私(調氏)が着任して以降は新任の経営委員はいないので、直接、確認はできないが、そういった文書の説明はされていると思う。
Q:今日提出した2通の文書は次回経営委員会(12月18日)までに全経営委員に届けてほしい。
また25日までに質問状の返事を出来ない場合はこれまでのように事前に連絡をお願いします。
A:分かりました。質問状は18日の経営委員会前に各委員に届くようにします。
                           以上
追記:情報公開の問題で、経営委員だけの会の議事録について問題提起しました。
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                      2012年12月14日
NHK経営委員会 委員長・浜田健一郎 様
経営委員各位
            NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ
                 共同代表 醍醐聰・湯山哲守
放送法違反発言を繰り返す石原経営委員の資質と數土文夫・前経営委員長の献金問題についての質問状

 当会は日頃より、NHKが公共放送の充実のためにどのように尽力されているかを注視しています。以下の2点について貴委員会の見解を質します。

 1.石原進経営委員による放送法違反の一連の発言について

 私たちは、石原進経営委員が昨年来、NHK経営委員の立場にありながら、「原発再稼働促進」の政治的発言を繰り返していることに強い驚きを禁じ得ません。
 報道によれば同委員は、昨年5月唐津市での講演会で「原子力発電所の維持は必要」として、九州電力玄海原発2、3号機の運転再開に触れ、「玄海原発は津波の歴史もない安全な地域の原発」などと述べました(asahi.com 2011年5月19日)。続けて6月、福岡市で記者会見を行い、「代替エネルギーで原子力を補うには相当な時間が必要。国、県、九電で徹底的に安全問題を詰め、安全を確認した上で原子力を活用すべきだ」と語ったと報じられ(佐賀新聞2011年6月1日)ました。
さらに本年9月には、「電気料金は最大2倍になると見込まれ、国内産業が立ちゆかなくなる・・・長期にわたって一定程度の原子力比率を維持する必要がある」と発言し(毎日新聞9月15日)、あろうことかつい先日には、総選挙の大きな争点として「原発政策」が浮上している最中に、福岡市で450人の財界人を前にして、「原発を全廃すれば、電気料金が2倍となり、日本の産業は死ぬ」とまで述べ、原発の早期再稼働を訴え、再生可能エネルギーは原発の代替電源となり得ないとの考えを強調。民主党が掲げる「2030年代の原発ゼロ」について「日本国家が潰れ、失業者だらけになる。」と批判したと報じられ(産経新聞 11月30日)ました。3.11事故以降、電力を原発に依存するのかどうか世論が二分される中で、選挙戦の重大な争点である問題について一方に偏する発言を続けることは異常です。

 このような言動が放送法第1条の「放送の不偏不党、真実及び自律の保障」、第3条の2の「政治的に公平であること」に反することは明白です。もし上記一連の発言が「放送電波に乗せたものではない」という抗弁をされるのであるなら、それは浅薄な解釈と言わなければなりません。3代前の経営委員長・古森重隆氏が必ずしも「放送」そのものに関してだけではなく、「安倍晋三氏を囲む経済人の会」に参加していることおよび、国会議員を励ます会の発起人に名を連ね、挨拶を行ったことが指弾の対象になったことは記憶に新しいことです。「不偏不党」を標榜し、それを厳しく「生命線」と位置づけて「全役職員があらゆる業務にあたって貫くべき」であると謳った「新放送ガイドライン」に照らすなら、同委員の言動がそれに背反することは明らかです。そこで質問します。

 質問1 石原委員の「原発稼働推進」発言は放送法ならびに新放送ガイドラインに抵触するという当会の見解を経営委員会は如何に考えますか?抵触するということであれば「辞任勧告」をされたら如何でしょうか。
 なお、この件に関しては、別途直接、石原委員に「辞任要求」を提出していることを付記します。

2. 数土前経営委員長の在職中の政治献金問題について

 去る11月30日に、2011年の政治資金収支報告書が公表され、NHK前経営委員長・数土文夫氏が経営委員長在任中に、衆議院議員3人に計20万円の献金をしたことが朝日新聞などによって報道されました。民主党の安住淳国対委員長(当時)と古川元久国家戦略担当相(当時)と自民党石原伸晃幹事長(当時)であったということです。12月4日の定例会見で貴職は「数土前委員長は個人の判断でされたと思うので、コメントは差し控えたい。」と不問に付す態度を示されました。しかし、この態度は放送法や自ら定めた「放送ガイドライン」に示される精神を軽んじる安易な行為であったと言うべきです。この問題を放置すればNHKへの信頼性が失われます。まして、数土前委員長は、NHK経営委員長を務めながら、取材対象である東京電力の社外取締役に就任しようとしてNHK内外からその軽率ぶりを指弾されました。今回の献金問題は経営委員を「辞任」することにつながった無定見と無関係ではないと考えられます。

放送法は第49条で、「協会に、役員として、経営委員会の委員のほか、会長1人、副会長1人及び理事7人以上10人以内を置く」と定めています。ここから、NHKの理事等ばかりでなく、経営委員もNHKの役員とされていることは明らかです。「NHK放送ガイドライン」は冒頭に「自主・自律の堅持」を掲げ、具体的に次のように述べています。
「NHK は、公共放送として、憲法で保障された表現の自由のもと、正確で公平・公正な情報や豊かで良質な番組を幅広く提供し、健全な民主主義の発展と文化の向上に寄与する。この役割を果たすため、報道機関として不偏不党の立場を守り、番組編集の自由を確保し、何人からも干渉されない。ニュースや番組が、外からの圧力や働きかけによって左右されてはならない。・・・全役職員は、放送の自主・自律の堅持が信頼される公共放送の生命線であるとの認識に基づき、すべての業務にあたる。」 と。
 つまり、NHKの経営委員(長)には一般的な意味での政治的中立性にとどまらず、NHKの役員という立場上、「不偏不党の立場を守り」、公共放送としての信頼を維持する生命線として「放送の自主・自律の堅持」が要請されているのです。 こうした具体的な定めに照らして、数土氏が経営委員長に在任中(2010年12月11日~2012年5月24日)に特定の政党の幹部である3名の国会議員に政治献金を行った行為が「NHK放送ガイドライン」に違反することは明らかです。経営委員各位が上記の使命を自覚して二度と今回のような愚挙を引き起こさないように、検証して教訓を明らかにすべきではないでしょうか。
 質問2 当会は経営委員会が率先して、放送の自主自立、不偏不党の立場を堅持するために、在任中は政治献金はもとより、特定の政治的立場に立った言動は慎むことを申し合わせされるよう要請します。この要請に対する見解をお聞かせ下さい。
以上、お忙しいことと存じますが、12月25日までにお返事を頂けると幸いです。
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                     2012年12月14日
NHK経営委員 石原 進 様
          NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ
                共同代表 醍醐聰・湯山哲守

放送法違反発言を繰り返す貴職の辞任を要求します

 当会は日頃より、NHKが公共放送の充実のためにどのように尽力されているかを注視しています。
 さて私たちは、貴職が昨年来、NHK経営委員の立場にありながら、「原発再稼働促進」の政治的発言を繰り返していることに強い驚きを禁じ得ません。
 報道によれば貴職は、昨年5月唐津市での講演会で「原子力発電所の維持は必要」として、九州電力玄海原発2、3号機の運転再開に触れ、「玄海原発は津波の歴史もない安全な地域の原発」などと述べました(asahi.com 2011年5月19日)。続けて6月、福岡市で記者会見を行い、「代替エネルギーで原子力を補うには相当な時間が必要。国、県、九電で徹底的に安全問題を詰め、安全を確認した上で原子力を活用すべきだ」と語ったと報じられ(佐賀新聞2011年6月1日付)ました。
さらに本年9月には、「電気料金は最大2倍になると見込まれ、国内産業が立ちゆかなくなる・・・長期にわたって一定程度の原子力比率を維持する必要がある」と発言し(毎日新聞9月15日付)、あろうことかつい先日には、総選挙の大きな争点として「原発政策」が浮上している最中に、福岡市で450人の財界人を前にして、「原発を全廃すれば、電気料金が2倍となり、日本の産業は死ぬ」とまで述べ、原発の早期再稼働を訴え、再生可能エネルギーは原発の代替電源となり得ないとの考えを強調。民主党が掲げる「2030年代の原発ゼロ」について「日本国家が潰れ、失業者だらけになる。」と批判したと報じられ(産経新聞11月30日)ました。3.11事故以降、電力を原発に依存するのかどうか世論が二分される中で、選挙戦の重大な争点である問題について一方に偏する発言を続けることは異常です。

 このような言動が放送法第1条の「放送の不偏不党、真実及び自律の保障」、第3条の2の「政治的に公平であること」に反することは明白です。もし上記一連の発言が「放送電波に乗せたものではない」という抗弁をされるのであるなら、それは浅薄な解釈と言わなければなりません。3代前の経営委員長・古森重隆氏が必ずしも「放送」そのものに関してだけではなく、「安倍晋三氏を囲む経済人の会」に参加していることおよび、国会議員を励ます会の発起人に名を連ね、挨拶を行ったことが指弾の対象になったことは十分留意されるべきです。「不偏不党」を標榜し、それを厳しく「生命線」と位置づけて「全役職員があらゆる業務にあたって貫くべき」であると謳った「新放送ガイドライン」に照らすなら、貴職の言動がそれに背反することは明らかです。
 以上、当会は貴職が経営委員として不適格であると断じ、自ら辞任されるよう要求します。

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NHKから回答がありました。

醍醐 聰 様                    平成25年1月18日
湯山 哲守 様
 貴会より経営委員会宛てに頂いた質問状に対し、浜田経営委員長の指示を受け、事務局より以下のとおり回答させていただきます。

1)経営委員会は様々な分野からいろいろな考えを持った方々が選ばれており、それによって国民の広範な意見が反映される仕組みとなっています。  
経営委員会においては、各委員とも放送法などを遵守して職務にあたっております。
なお、ご承知のとおり、放送の編集権は法律上執行部にあり、ご指摘の発言が放送に影響を与えることは一切ありません。

2)各委員が個々の判断で適切に行動されることであり、経営委員会として何らかの申し合わせを行うことは考えておりません。

 ご質問に対する回答は以上ですが、経営委員会として引き続き視聴者の皆さまの信頼が得られますよう努力してまいります。
                   経営委員会事務局

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2012年11月30日 (金)

総選挙報道についての要望を申し入れました。

総選挙にあたっての要望 ”総選挙にあたって争点提示型の公平な放送を要望します”を申し入れました。
日時:2012年11月27日 10時半から約30分間
NHK対応:視聴者事業部 視聴者部 山本健一副部長
                  〃                〃         米森公二副部長
参加者:醍醐共同代表、渡邉運営委員
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NHK会長 松本正之 様
              2012年11月27日
NHK放送総局長 石田研一様
             NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ
                   共同代表 湯山哲守・醍醐聰

総選挙にあたって争点提示型の公平な放送を要望します

 当会は日頃より、NHKが公共放送の充実のためにどのように尽力されているかを注視しています。
このたび当会は、12月4日告示、16日投票という日程が迫ってきた衆議院選挙に関連するNHKの放送について以下のような申し入れをいたします。有権者が賢明な1票を行使するのに資するための判断材料を提供するという公共放送の使命に照らして、私どもの申し入れを真摯に受け止め、番組制作に反映してくださるよう要望します。

1.政党の離合集散を追う政局報道ではなく政策本位の争点提示型報道を

  今回の衆議院総選挙は原発問題、TPP交渉への参加問題、社会保障改革と消費税増税問題、沖縄を始め全国に配備された米軍基地の安全性、日米地位協定をめぐる問題など、国民にとって死活の課題の方向性を問う極めて重要な選挙です。そこで、有権者が表面的な話題性に流されず、各党の公約を熟知して政策本位で1票を投じることができるよう、上記の各重要課題に関して各政党の政策及びその異同をわかりやすく伝えていただくよう要望します。
その際、特に強調したいのは各党が掲げた公約を単に紹介するだけでは不十分だという点です。各党の公約には、文面を読んだだけでは不明確な点や日ごと週ごとに転変する曖昧模糊とした点があります。それだけに、こうしたあいまいさを質す調査・取材を交えた番組制作が必要です。特に、今回の総選挙にあたって、いくつかの政党が「合流」を急ぐ余りに重要政策の不一致を「小異」と称してうやむやにした点が少なくありません。過去の政権与党が掲げた公約とその後の実際の政策に重要な齟齬が生じ、それが有権者の政治不信、政治離れの原因になりました。こうした愚を繰り返さないためにも、NHKが重要政策をめぐる各党の争点を明確にする主体的な番組制作に注力されるよう強く要望します。                            

2.既存の大政党の動静に過度に焦点を当てた報道を戒めること

 
  最近のNHKの選挙関連放送(ニュース番組や選挙関連の討論会、報道番組など)を見ますと、民放や全国紙と同様、「三つ巴の争い」と称して、民主党・自民党・いわゆる「第三極」の動静、離合集散に焦点を当てた政局報道に大半の時間が当てられています。
こうした放送が繰り返されますと、選挙をめぐる話題が既存の大政党に集中し、有権者の関心をこれら既存の大政党に偏重させ、他の野党の主張、政策に関する有権者の関心、知る権利を阻害することになります。選挙にあたっては、国会での既存の議席数分布を固定化せず、どの政党の政策、公約も対等に扱うことが原則です。
しかも、3つの大政党とはいっても、上記の重要政策をめぐる3党の政策はそれこそ「小異」といってよいほど近似しています。また、既存の大政党とはいってもNHKが行った直近の世論調査(11月26日放送)によりますと、回答者の35.4%が「特に支持する政党なし」でもっとも高い割合を占めています。こうした事実も銘記され、既存の大政党の動静に過度に焦点を当てた報道を戒めて、公平な選挙関連放送に徹していただくよう、強く要望します。
                               以上
                  連絡先:××××

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2012年6月 5日 (火)

ニューズレター第24号を発行しました。

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ニューズレター第24号を発行しました。

Pdf_icon_311 ダウンロード→

http://kan20.atukan.com/index.html#nldown

または こちらで

  目次   特集 數土経営委員長の東電社外取締兼任問題 

1頁:  新経営委員長選出にあたっての要望
2頁:  NHK経営委員の補充人事にあたっての要望
3頁:  2012年5月14日に提出した当会の「東京電力の社外取締役への
   貴殿の就任の撤回を求める質問・要望書」
4頁: 主張: メディアに求められる調査報道とは何か  醍醐 聰

5ー6頁:  当会は昨年秋、TPP問題をめぐる番組報道に要望書を提出し
   回答を得ました。
7ー10頁:  衝撃のNHK 追跡!レポートICRP(国際防護委員会)
  の実態を暴露--
  「追跡 真相ファイル」で「低線量被ばく 揺らぐ国際基準」

11ー12頁:    この番組に「原子力ムラ」から抗議がきました。
        PDF
13頁:  NHK3ヶ年計画(24−26年度)について  湯山哲守

14頁:7.22民放労連「アナログ停波・地デジ難民阻止」街頭宣伝に参加

 

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2012年6月 1日 (金)

NHKの新経営委員長選出にあたっての要望書を提出しました。

 5月11日、実質国有化される東京電力の社外取締役の一人として、數土(すど)NHK経営委員長を起用する人事方針が発表され、6月下旬に開かれる同社の株主総会後の取締役会でNHK経営委員長の職にとどまったまま、正式に社外取締役に就任される予定と報道されました。

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当会運営委員会は直ちに協議して、數土経営委員長宛に就任撤回を求める「要望書」をまとめ、5/14日、NHKを訪問して提出しました。「開かれたNHKを求める全国連絡会」や近畿の3団体も行動を起こしました。迅速な市民運動による包囲、NHK労組の反対、有力マスコミの批判等を受けて5月24日數土委員長は辞任を表明しました。改めて経営委員の選任方法、財界人による経営委員長が続いている事への批判が議論されていくことになると思われます。數土経営委委員長の辞任を受けて当会は「新経営委員長選出にあたっての要望書」を提出しました。
また川端総務大臣にも「NHK経営委員の補充人事にあたっての要望」を提出しました。
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新経営委員長選出にあたっての要望
NHK経営委員会 御中           2012年5月31日
NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ運営委員会

5月24日、數土文夫NHK経営委員長は緊急記者会見で、「内定している東京電力の社外取締役に専念する」としてNHK経営委員長と経営委員の辞任を表明しました。

この問題が明るみになった5月13日の翌日付で私たちは、事の重大性に鑑み直ちに數土委員長に次のような申し入れを行いました。「NHK経営委員長の職と東京電力の社外取締役の職は、それぞれの職責の重さ、時間的精神的な負担の面から両立は不可能だ」ということを指摘した上で、
東京電力の福島原発事故の完全収束に向けた取り組みと、電力の安定供給といった諸問題はNHKの極めて重大な取材・報道対象であり、「NHKの業務執行を監督する立場にある経営委員会の長が、そうした取材先の社外取締役に就任し経営に参加することは、メディアに携わる者の基本というべき非当事者原則に真っ向から反し、経営委員会の職務遂行の公正性に対する視聴者の信頼を根底から覆す」こと、
さらには事実上、国営企業となる東電の経営に関与することは、政府の意志決定に参加することを意味し、政治からの独立を生命線とするNHKを監督する経営委員長の職にとどまることは結局、NHKあるいはNHK経営委員会の政治からの自立に関する視聴者の信頼を大きく損なうことになり、二重に両職の兼任はとうてい許されるものではない。したがって東電の社外取締役就任を断ること、もし断る意志がないのならNHK経営委員長・経営委員を辞職するべきだということです。
數土経営委員長自身は記者会見で、兼職批判には「配慮したが影響は受けていない」と述べ、あくまでも両職の兼任が不適切であることを認めませんでした。
しかしこの辞任は私たち視聴者運動の主張に理があったことで、多くの経営委員が批判の姿勢を強め、少なくないマスコミが批判報道を行うこととなり、結果として多方面からの批判の集中したことが功を奏したものと考えられます。

私たちの緊急の要望は実現しました。しかし、次の経営委員補充、経営委員長の選出にあたっては今回の「辞任劇」から教訓を引き出さなければなりません。

総務省、NHK経営委員会が推進してきた「財界人」委員長はここ4代にわたって続けて、引責または事実上の引責辞任を重ねてきました。
2007年の石原邦夫氏は社長をしていた東京海上日動火災保険が保険金不払いを行った不祥事で引責辞任、
2008年政治的発言や放送内容への容喙などの不見識によって古森重隆委員長(富士フイルムホールディングス社長)が委員非再選出、
2011年、NHK会長選出をめぐって独断専行を行ったことで小丸成洋委員長(福山通運社長)が引責辞任。
特に、古森、小丸、そして今回の數土の3代の経営委員長は、NHKが公共放送であって「自主自律」の原則が如何に重大なことかを理解していなかったことから破綻してきたことは重要な教訓です。

経営委員長の「財界人たらい回し」の弊は一日も早く改めるべきです。
「経営者」経験ではなく、「視聴者目線を持ち、ジャーナリズム精神に造詣の深い方」が何よりも求められます。
NHKが「放送ガイドライン」の冒頭に掲げる「自主・自律の堅持」の原則は番組編成・放送の現場だけでなく、全ての業務において全ての職員によって貫徹されなければならないとガイドラインの中に書かれています。経営委員長人事や会長人事においても、これは当然貫徹されなければなりません。今回の「社外取締就任」騒動に関して、NHK労組(日放労)を除いては、NHK内部から公式の批判発言がなかったことはこのガイドラインの指針が貫かれていなかったといわざるをえません。

差し迫っての経営委員長人事は、過去しばしばやられたような(衆参両院の承認を受けての)首相任命による外部からの(経営委員長候補の)委員を待つことなく、現在の委員が「互選」をして決定すべきです。
そして委員長候補となる人は「放送の使命」についての見解をきちんと表明して、それに基づいて選出すること、新たな委員の補充にあたっては、政府は拙速を戒め、視聴者に推薦を呼びかけ、「広く」人材を求める方式を採用するよう要望します。たびたび「視聴者のみなさまと語る会ーNHK経営委員とともにー」で意見が出されているように、視聴者は「受信料支払い義務」を強要されるばかりで、何の「権利」もないという状態は脱却しなければなりません。
この際、視聴者にしかるべき「権利」を与え、経営委員候補の推薦、会長候補の推薦などを試み、「NHKを身近に感じる」ことが出来るような方策を検討していくべきではないでしょうか。

數土委員長の辞任を受けて、私たちは政府およびNHK経営委員会に対して次のことを要望します。
、財界人たらい回しの経営委員長人事を行わないこと。
.ジャーナリズムに造詣の深い人を選出すること。
.選考の基準と経過を視聴者にわかりやすく公開すること。

私たちは以上の要望を広く、他の視聴者団体や市民運動団体と合議し、総務省、NHK理事会にも要求していきます。
付記  経営委員長の選出にあたっては過去、経営委員会自ら以下の原則を確認しています。
経営委員長として特に有するべき要件として、

① NHKと特別な利害関係にないこと。② 合議制。
③ 透明性のある運営と国民への説明責任を果たす運営。④ 執行部との緊張関係を維持しつつ良好な関係を保てること等
(平成22年6月、第1121回経営委員会議事録)。
改めて経営委員会がこれらの原則を新経営委員長選出にあたって確認するよう要望します。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
総務大臣
川端達夫 様
NHK経営委員の補充人事にあたっての要望
                       2012年6月1日 
   NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ運営委員会

 5月24日、數土文夫NHK経営委員長は緊急記者会見で、「内定している東京電力の社外取締役に専念する」としてNHK経営委員長と経営委員の辞任を表明しました。
 この問題が明るみになった5月13日の翌日付で私たちは、事の重大性に鑑み直ちに數土委員長に次のような申し入れを行いました。「NHK経営委員長の職と東京電力の社外取締役の職は、それぞれの職責の重さ、時間的精神的な負担の面から両立は不可能だ」ということを指摘した上で、
①東京電力の福島原発事故の完全収束に向けた取り組みと、電力の安定供給といった諸問題はNHKの極めて重大な取材・報道対象であり、「NHKの業務執行を監督する立場にある経営委員会の長が、そうした取材先の社外取締役に就任し経営に参加することは、メディアに携わる者の基本というべき非当事者原則に真っ向から反し、経営委員会の職務遂行の公正性に対する視聴者の信頼を根底から覆す」こと、
②さらには事実上、国営企業となる東電の経営に関与することは、政府の意志決定に参加することを意味し、政治からの独立を生命線とするNHKを監督する経営委員長の職にとどまることは結局、NHKあるいはNHK経営委員会の政治からの自立に関する視聴者の信頼を大きく損なうことになり、二重に両職の兼任はとうてい許されるものではない。したがって東電の社外取締役就任を断ること、もし断る意志がないのならNHK経営委員長・経営委員を辞職するべきだということです。

 數土経営委員長自身は記者会見で、兼職批判には「配慮したが影響は受けていない」と述べ、あくまでも両職の兼任が不適切であることを認めませんでした。しかしこの辞任は私たち視聴者運動の主張に理があったことで、多くの経営委員が批判の姿勢を強め、少なくないマスコミが批判報道を行うこととなり、結果として多方面からの批判の集中したことが功を奏したものと考えられます。

 私たちの緊急の要望は実現しました。しかし、次の経営委員補充、経営委員長の選出にあたっては今回の「辞任劇」から教訓を引き出さなければなりません。総務省、NHK経営委員会が推進してきた「財界人」委員長はここ4代にわたって続けて、引責または事実上の引責辞任を重ねてきました。
2007年の石原邦夫氏は社長をしていた東京海上日動火災保険が保険金不払いを行った不祥事で引責辞任、
2008年政治的発言や放送内容への容喙などの不見識によって古森重隆委員長(富士フイルムホールディングス社長)が委員非再選出、
2011年、NHK会長選出をめぐって独断専行を行ったことで小丸成洋委員長(福山通運社長)が引責辞任。
特に、古森、小丸、そして今回の數土の3代の経営委員長は、NHKが公共放送であって「自主自律」の原則が如何に重大なことかを理解していなかったことから破綻してきたことは重要な教訓です。経営委員長の「財界人たらい回し」の弊は一日も早く改めるべきです。「経営者」経験ではなく、「視聴者目線を持ち、ジャーナリズム精神に造詣の深い方」が何よりも求められます。

 NHKが「放送ガイドライン」の冒頭に掲げる「自主・自律の堅持」の原則は番組編成・放送の現場だけでなく、全ての業務において全ての職員によって貫徹されなければならないとガイドラインの中に書かれています。経営委員長人事や会長人事においても、これは当然貫徹されなければなりません。今回の「社外取締就任」騒動に関して、NHK労組(日放労)を除いては、NHK内部から公式の批判発言がなかったことはこのガイドラインの指針が貫かれていなかったといわざるをえません。

 以上のような教訓を踏まえ、当会は貴殿ならびに政府に対して、數土氏の後任の経営委員長の選出、ならびに経営委員の補充人事(国会同意人事に向けた候補者選考)にあたり、拙速を戒め、視聴者に推薦を呼びかけ、広く人材を求める方式を採用するよう要望します。また、たびたび「視聴者のみなさまと語る会――NHK経営委員とともに――」で意見が出されているように、視聴者は「受信料支払い義務」を強要されるばかりで、何の「権利」もないという状態は脱却しなければなりません。この際、視聴者にしかるべき「権利」を与え、経営委員候補の推薦、会長候補の推薦などを試み、「NHKを身近に感じる」ことが出来るような方策を検討していくべきと考えます。

 そこで、当会は、貴殿および政府に対し、次のことを要望します。
 .數土氏の辞任を受けた経営委員の補充人事、さらには今後、任期が満了となる経営委員に代わる新委員の候補者選考にあたっては、「経営手腕の実績」に偏重した選考基準を改め、公募・推薦制を採用して、広く人材を募ること。
 .その際には、財界人たらい回しの選考を改め、ジャーナリズムに造詣の深い人物を候補者に選出すること。
 .国会の同意人事に諮られる経営委員候補者には、国会のしかるべき場で所信の表明を求め、それに対する国民の意見も踏まえて、同意人事を行うこと。
 私たちは以上の要望を広く、他の視聴者団体や市民運動団体と合議し、NHK経営委員会、にも要望していきます。      以上

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2012年5月16日 (水)

數土NHK経営委員長の東京電力社外取締役への就任の撤回を求める質問・要望書を提出しました。

NHK経営委員会                2012年5月14日
委員長 數土文夫 様
東京電力の社外取締役への貴殿の就任の撤回を求める質問・要望書
          NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ
           共同代表 湯山哲守・醍醐 聰

 拝啓 貴殿におかれましては日頃よりNHK経営委員長としての重責を担ってご尽力を下さり、厚くお礼申しあげます。
 新聞報道によれば、政府は5月11日、実質国有化される東京電力の社外取締役の一人として、貴殿を起用する方針を固め、東京電力は本日、2012年3月期決算と併せて、本件人事を発表すると伝えられています。そして、来る6月下旬に開かれる同社の株主総会後の取締役会で貴殿は現在のNHK経営委員長の職にとどまったまま、正式に社外取締役に就任される予定と報道されています。
 しかし、貴殿がNHK経営委員長の職と兼任の形で東京電力の社外取締役に就任されることについて、当会は以下述べる理由から、これを断じて認めるわけにはいきません。

 会社法上、社外取締役の職務は会社の業務の執行ではなく、いわゆる独立役員として業務執行取締役の職務の遂行を監視し監督することにあるとされています。その一方で、社外取締役は引き受け手がなく、著名人の名誉職的な役職と評されたりしています。しかし、だからといって、今回、貴殿が東京電力の社外取締役に就任されることを是認したり、就任に伴う問題点を軽視したりすることは到底できません。

 1.まず指摘すべき重大な問題は、NHK経営委員長の職と東京電力の社外取締役の職は、それぞれの職責の重さ、時間的精神的な負担の面から両立は不可能だということです。公共放送・NHKの最高意思決定機関の長の職責の重さは改めて説明をするまでもありません。他方、社外取締役の職務も取締役であることに変わりはなく、他の取締役と同じように善管注意義務・忠実義務・内部統制構築義務・監督義務等を課され、相応の報酬を受けます。このうち、会社に対する損害賠償責任に関しては株主総会の決議によって軽減が可能とされているとはいえ、報酬の2年分が最低責任限度とされ、それを超える範囲内では他の取締役と責任を共有する立場にあります。
 具体的に言えば、社外取締役の職務は、取締役会への出席にとどまらず、報酬・指名・監査委員会や各種経営会議への出席、経営陣との打ち合わせ、投資家・取引銀行・取引証券会社等に対する会社説明会への出席、監査法人との報告会への出席等、枚挙にいとまがありません(日本取締役協会『社外取締役の導入実態調査 2011年』参照)。これを見ただけでも兼任となれば、兼任先の業務遂行に相当な負担を要することは明らかです。
 しかも、今回の貴殿の兼任先は一民間企業ではなく、福島原発事故の完全収束に向けた取り組み、原発事故被災者に対する損害賠償、原発再稼働問題、原発施設が稼働ゼロとなった状況での電力の安定供給といった一国規模での最重要課題を抱えた東京電力です。このように重大な課題が山積する東京電力のコ-ポレート・ガバナンスを有効に機能させる上で社外取締役に求められる職責の重さを考えた時、NHK経営委員長の職にある貴殿が東京電力の社外取締役を兼務できるものでないことは常識に照らして自明です。それでも貴殿が東京電力の社外取締役を引き受けられるとなれば、「NHK経営委員長の職務とはそれほど楽なのか」と評されても致し方ありません。

 2.しかし、問題は兼務に伴う時間的精神的負担の大きさにとどまりません。NHK経営委員長としての職責と東京電力の社外取締役に求められる職責がそもそも相反するという点が重大です。このことは2つの面から指摘できます。
 一つは、東京電力が、福島原発事故の完全収束に向けた取り組み、原発事故被災者に対する損害賠償、原発再稼働問題、原発施設が稼働ゼロとなった状況での電力の安定供給といった諸問題について、NHKの極めて重大な取材・報道対象だという点です。NHKの業務執行を監督する立場にある経営委員会の長が、そうした取材先の社外取締役に就任し、相応の報酬を得る一方、善管注意義務・忠実義務等を共有するのは、メディアに携わる者の基本というべき非当事者原則に真っ向から反し、経営委員会の職務遂行の公正性に対する視聴者の信頼を根底から覆すことは明らかです。

 もう一つは、東京電力が政府の実質的な支配下に置かれる会社になるという点です。貴殿がそうした会社の社外取締役に就任され、取締役会の議決に加わって、その決議に係る責任を分有する行為は、貴殿が政府の意思決定と密接に関わることを意味します。そうした貴殿が政治からの独立を生命線とするNHKを監督する経営委員長の職にとどまることは結局、NHKあるいはNHK経営委員会の政治からの自立に関する視聴者の信頼を大きく損なうことは、これまた明らかです。貴殿はこの点をどう認識しておられるのでしょうか?

 以上から、当会は貴殿に対して、次のことを質問もしくは申し入れをいたします。
 1.(質問) 上記の理由により、NHK経営委員会の長の職責と東京電力の社外取締役の職責は両立しがたく、両者は相反するという当会の指摘について貴殿はどのように受け止められるか、お答え下さい。
 2.(申し入れ)貴殿がNHK経営委員長の職にとどまる意思を持たれているのであれば、それとの両立を期し難い東京電力の社外取締役への就任を辞退されること。あるいは、既に、就任を受諾されたのであれば、それを撤回されること。
 3.(申し入れ) 貴殿が東京電力の社外取締役への就任を受諾される意思が固いのであれば、それとの両立を期し難いNHK経営委員長ならびに経営委員の職を自ら辞されること。

 ご多用のこととは存じますが、以上3点の質問ないしは申し入れについて、ご回答を2012年5月24日までに下記あてに書面でお送り下さるよう、お願いいたします。
                              敬具
付記     趣旨同文の申し入れ文書を枝野幸男・経済産業大臣、川端達夫・総務大臣、NHK経営委員各位、NHK監査委員各位、西澤俊夫・東京電力社長宛てにも送付しました。
                   ご回答の郵送先: ××××

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2011年4月13日 (水)

2011.5.22 関西フォーラム「あれでいいのか?NHK会長選びと原発震災報道」

チラシPDF(表、裏

Picture1

原発震災報道は真実を伝えているか?

1 NHK をはじめテレビ報道は被災者の真実をリアルに伝えてきたか?
・「明るい話題」にことさら焦点を当てていないか?死者12000人、行方不明15000人の数字だけが踊り、その実態に迫っていないのではないか?

2 原発報道で深刻な真実を伝えず「安心」ばかりが強調されていないか?
・「直ちには健康被害がない」などの気休め報道が多すぎないか?
・「放射能汚染の水」を海に放出するという事態は「原発依存政策の失敗」を証明するものだと強調すべきではないのか?本質問題が避けられていないか?

3 東電の責任、指導できない政府、監視する役割を果たせない原子力保安院の「独立性」欠如を追及すべきではないか?

NHK会長に何を求めるか?

1 日本を代表する巨大ジャーナリズムの会長はジャーナリズム精神に燃えた人であってほしい。
・「株式会社」の経営ではなく、報道文化の組織の長としての自覚を持て。

2 NHK の生命線「放送の自主自律を堅持する」(新放送ガイドライン)を率先して実行する人でなければならない。
・政治を監視するジャーナリズムのトップは政治家に 跪(ひざまず)かないでほしい。

3 「ETV2001 番組改変」事件を真に解決する人であってほしい。
・「番組改変」後、従軍慰安婦問題が NHK の放送から消えて10年。福地会長も「解決」せずに辞めてしまった。いつまでも放送しないで済ますわけにはいかない。まずは「検証番組」を実現する決断力を望む。

4 NHK会長は、視聴者の声が聴ける人でなくてはならない。
・会長選びに公募・推薦制を取り入れよ。
・「会長候補」に所信表明をさせよ。
・受信料を払っている我々にも「権利」をあたえよ。

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2011年4月 8日 (金)

地デジ移行、被災3県延期へ 半年~1年程度

2011年4月8日3時2分 asahi.com
http://www.asahi.com/showbiz/tv_radio/TKY201104070526.html

 総務省は7日、東日本大震災の被害が大きかった岩手、宮城、福島の3県に限って、7月24日に予定していた地上デジタル放送(地デジ)への完全移行を当面延期する方針を固めた。被災地から「地デジの準備に手が回らず、生活再建を優先したい」との声が上がっているためだ。
 この3県では、7月24日以降もデジタル放送と従来のアナログ放送の両方を見ることができる。これには電波法の改正が必要で、いまの国会に提出している同法改正案に追加する。延期幅については、半年~1年程度を軸に自治体や放送局と調整に入るが、復旧・復興の状況次第ではさらに延びる可能性もある。

 総務省は全国一律の移行をめざしていたが、震災や津波により、電波の届きにくい集落向けの共同アンテナの流失や損壊が続出。高齢者などにきめ細かい周知活動をしようにも、復旧作業などに追われる地元自治体の協力を得るのが難しい状況だ。
 例えば、宮城県で最多の2万人近くが避難している石巻市。もともと地デジの電波が届かず、特別な対策が必要な地区が多い。市の担当者は「地震後、地デジの取り組みはすべて止まっている。7月にアナログ放送が停止すれば、テレビを視聴できない世帯が多数出る」と話す。

 岩手県でも、山がちな地形から、共同アンテナ設置に向けて住民が組合を作っていたが、加入者らが被災し、話し合いは進んでいないという。
 地デジ対策が間に合わなくても、衛星放送経由で地デジを見る方法はある。だが、こうした方法で受信できるのは東京向けのNHKと民放キー局の番組で、地元放送局の番組や地元自治体が流すデータ放送は見られない。「被災者から情報を伝える手段を一つでも奪うことはできない」(総務省幹部)として、被災地に限って、移行を延期することになった。

 ただ、放送局にとってはアナログ機材の補修など多額の費用がかかり、経営に与える影響は大きい。このため、総務省は、国が財政支援することも含めて検討し、理解を求めていく。(岡林佐和、高橋昌宏)

◇ 〈地デジ完全移行〉 現在は従来のアナログ放送と地上デジタル放送が同時に放送されている。7月24日でアナログ放送用の電波が使えなくなり、完全にデジタル化する計画だった。地デジを見るには対応テレビやチューナーなどの受信機がいる。山間部やビル陰などの電波の届きにくい場所では、共同アンテナの設置やケーブルテレビへの加入が必要。昨年末時点の世帯普及率は94.9%(総務省調べ)。

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2011年4月 5日 (火)

<JCJ声明>放射能汚染の拡散阻止へ叡智結集、真実の報道に全力を

2011年4月4日 日本ジャーナリスト会議
http://jcj-daily.seesaa.net/article/194201950.html
 3月11日、三陸沖で発生した巨大地震と大津波、そして東京電力福島第一原子力発電所の大事故は、多くのかけがえのない生命と財産、人々の暮らしを奪ったうえ、世界中に原子力災害への深刻な波紋を広げました。日本ジャーナリスト会議は、亡くなられた方々に心から哀悼の意を表するとともに、被災された方々に深甚なるお見舞いと激励を表明いたします。

 日本はいま、東電福島原発の炉心溶融とみられる事故によって重大な危機に直面しています。放射性物質による大気汚染と土壌汚染がもたらす健康被害、そして汚染水の太平洋流出によって世界の海が放射能に汚染されれば、地球規模の環境破壊を引き起こします。 未体験の大災害を前にして、政府の原子力安全・保安院や東京電力は、正確な情報を公表せず、対策がすべて後手後手に回り、不安を煽り、被害を拡大させていると言わざるを得ません。
 原子力災害への対応は、一刻の猶予も許されません。政府は、国民と認識を共有するため、情報をすべて公開し、解決のための工程表を明らかにすべきです。そのためには、政府、業界、学界の癒着構造を改め、原子力安全委員会を全面改組して、幅広い人材を網羅した新体制を発足させ、調査、分析をはじめ、事故収束のための強力な権限を持った規制機関として確立させることが急務です。さらに、国際的な叡智と援助を受け入れる体制整備も喫緊の課題です。 こうした緊急事態に際して、「国民の知る権利」に応えるメディア・ジャーナリズムの役割は決定的に重要です。正確で迅速な「真実の報道」こそが生命と人間の尊厳を守る保障となるのです。

 大地震発生直後から、被災地の最前線で危険を顧みず、「今、何が起きているのか」「被災者が一番求めているのは何か」を懸命に取材、報道し続けている数多くの新聞・放送・雑誌・フリーのジャーナリストの奮闘に私たちは熱いエールを送ります。一方、これまで政府・財界・推進派学者が作り上げた「原発安全神話」に主要メディアが積極的に加担してきた事実も忘れてはなりません。
その実態と経緯を糾明し、再び過ちを犯さぬよう自ら克服・転換しなければなりません。 日本ジャーナリスト会議は、こうしたジャーナリズムの役割をしっかりと自覚し、市民とともに、弱者の立場に立って、「真実の報道」に全力を尽くすことをあらためて決意表明するとともに、より深刻な危機回避と震災・原発被災地の復興へ向け、一刻も早く国民の叡智を集めた総力結集体制を構築するよう政府に強く要求します。(以上)

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2011年3月29日 (火)

番組種別の放送法施行規則改正案は原案通りに、総務省が意見募集結果を公表

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20110329/358876/

長谷川 博=日経ニューメディア    2011/03/29

総務省は2011年3月29日、「放送法等の一部を改正する法律」に盛り込まれた放送法の改正(法公布後6カ月以内施行)に伴う放送法施行規則の一部改正案についての意見募集の結果を発表した。修正を要望する意見がいくつか提出されたものの、総務省は原案の通りにすることが適当とした。
 この改正案は、総合編成のテレビ放送(NHKはラジオ放送を含む)事業者の放送番組の種別および種別ごとの放送時間についての放送番組審議機関に対する報告および公表の手続きを定めるものである。28事業者(団体を含む)から意見が寄せられた。

 今回の改正案は、放送番組の種別とそれぞれの放送時間について、「毎年4月から6カ月の期間ごとに、当該期間における各月の第3週の期間で放送された番組の種別を五つの区分(「教養番組」「教育番組」「報道番組」「娯楽番組」「その他の放送番組」)に分類し、速やかに当該期間の経過後に公表する」と規定している。複数の放送事業者から、1年間のうち四つの月(5月、8月、11月、2月)の標準的な1週の期間を公表するという内容に修正してほしい」という意見が出た。「番組編成は3カ月(四半期)ごとに改編が行われるので、この4回の改変期を基準とすればこの制度の目的を達成できる」というのが理由である。

 これに対し総務省は、「3カ月につき1週間分では必要な透明性が確保されるとは言えず、本制度の目的が十分に達成できない」とし、原案の通りにするとした。 今回の意見募集では、通信販売番組の定義をより明確にするための修正要望も多く寄せられた。改正案において通信販売番組は、「…商品やサービスを販売することを目的とする放送番組」と定義されている。これに対し複数の民放事業者は、通信販売番組の定義を、商品またはサービスを販売することを「専ら」目的とする放送番組に修正することを要望した。

 これに対し総務省は、「通信販売番組の定義を原案以上に具体的に規定することは、かえって放送事業者の自主自律の下で放送番組を分類する際の妨げになる恐れがあるため、原案の通りとする」という考えを示した。さらに、「例えば通信販売番組の要素が極端に少ない放送番組まで当該区分に分類されるべきとは考えていない」としている。
 このほかに日本民間放送連盟および会員社である民放事業者から、「この制度による番組種別ごとの放送時間の公表に合わせてCMの放送時間量についても自主的に公表する」という意見が出された。日本通信販売協会は、「今回の番組種別と放送時間の公表および審議機関への報告などが通信販売番組に対する過剰な規制につながらないよう要望する」という意見を出した。
[報道資料へ]

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2011年3月11日 (金)

【3月26日】公開シンポジウム 「“大改正”で放送制度はどう変わる?」<アワプラ>

投稿者: ourplanet 投稿日時: 金, 03/11/2011 - 01:04
公開シンポジウム:「“大改正”で放送制度はどう変わる?~市民から見た問題点を探る~」

2006年以来の「通信・放送融合法制論議」は、昨年11月、放送関連4法の一本化によって、総務官僚以外は全体像が分からない“巨大放送法”を誕生させました。その内容は、「放送」の定義変更、総務大臣による業務停止命令の範囲拡大、番組種別の公表など、多くの問題を持つものです。インターネット時代の放送制度を考える際に、禍根を残しかねない課題が新たに提起されました。今回のシンポジウムでは、このような多くの問題点を持つ「新・放送法」を市民の目で考え、今後の放送について考えていきたいと思います。

日 時:2011年3月26日(土)午後2時~5時
会 場:TKP代々木ビジネスセンター2号館/カンファレンス21A (JR代々木駅徒歩1分)
住所:〒151-0053 東京都渋谷区代々木1-28-25 TEL:03-5304-2071
   http://tkpyoyogi.net/access/index.shtml

プログラム
◇基調講演:砂川浩慶(立教大学准教授)「新・放送法の問題点とは?」
◇パネリスト:白石 草(OurPlanetTV代表)
中村正敏(日本放送労働組合書記長)
砂川浩慶(立教大学准教授)
コーディネーター:岩崎貞明(メディア総研事務局長)
参加費 1000円(学生・メディア総研維持会員は無料)
主 催:メディア総合研究所
連絡先:03-3226-0621(電話) 03-3226-0684(fax)
mail@mediasoken.org

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2011年3月 9日 (水)

「地上アナログ放送の終了延期=地デジ難民のゼロ化」を求める記者会見

地デジ難民ゼロ化を求める会見(YouTube動画配信)

2011-03-09
会見資料はこちら。全配布資料(pdf A4版18頁 625KB) ←click!!  
これが正確なアナログ延長コストだ!(pdf B5版4頁 129KB) ←click!!

2011-03-07
3月4日会見で配布した全資料をup。私たちの主張 ←click!!
──────────────────────────────────────
<署名のお願い>アナログテレビ放送の一斉打ち切りを見直し、「段階的停波」を求めます(NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ)
──────────────────────────────────────

ONTV Japan: 「地上アナログ放送の終了延期=地デジ難民のゼロ化を求める記者会見」開催
http://www.ontvjapan.com/article/02_00/enki_kaiken0304.php

地デジ対応受信機の累計出荷台数は2010年12月末で1億300万6,000台とされているが、この中には対応チューナー・録画機(約2,367万台)、ケーブルテレビのSTB(約1,024万台)を含んだ数値であると指摘。「ケーブルテレビ加入者が地デジを見ている場合は、STBとデジタルテレビセットで使用する。そこにHDDなどの録画機が加わればトリプルで使用するケースも想定される。すなわちトリプルカウント、重複カウントの恐れがある。地デジ受信機としてカウントするならば、PDPと液晶テレビの累計出荷台数6,786万台が妥当」とした。
──────────────────────────────────────
<賛同署名要請>アナログ放送の一斉終了を延期し、柔軟な地デジ放送への移行を日本ジャーナリスト会議
 現在、地上デジタルテレビ放送と同時に放送されているアナログテレビ放送を今年7月24日に一斉に終了し、すべてデジタルに移行する措置がとられようとしている。
 しかし、これまで普及していたアナログテレビ1億2000万台以上のうち、この期限までに地デジに置き換わるのは70%前後と見られ、百万単位の視聴者がライフラインとも言うべきテレビから締め出され、災害などから身を守る情報手段を失う危険すら予想される。
 また、このことは放送法で「あまねく全国において受信できるように」する義務を負わされているNHKにとって、受信不能世帯による受信契約の解約が、また民放にとっては視聴者数の減少による広告収入の落ち込みが予想されるなど、放送事業ひいては放送文化のとって悪影響をもたらすことも考えられる。
つづき
──────────────────────────────────────
 老人党掲示板

アナログ波2年延長を 有識者要求
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2011-03-05/2011030501_06_1.html 
地上デジタル放送への完全移行が予定されている7月24日が迫る中、放送問題に詳しい有識者が4日、国会内で記者会見を開き、「地上アナログ放送の終了延期=地デジ難民のゼロ化」を求める要求書を発表しました。有識者が「延期」を提言するのは昨年7月に続き2度目。今回はアナログ終了期日を2年3カ月延ばすよう具体的に提案しています。
 要求書では、(1)アナログ放送終了を全国一律とせず、全国32のテレビ放送エリアごとの実情に応じて段階的に終了する(2)終了期日は「2013年10月31日」までとする(3)国は地デジ難民ゼロ化に万全を期す―ことを求めています。.......

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2011年3月 8日 (火)

NHK会長人事迷走の原因は手続き、情報管理の不備…経営委が総括

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20110308-OHT1T00175.htm

NHK会長人事迷走の原因は手続き、情報管理の不備…経営委が総括

 NHK経営委員会は8日、迷走したNHK会長人事について、手続きや情報管理上の不備から混乱を来したなどとする総括を発表した。
 総括では、会長任命のための指名委員会立ち上げが遅れたことに触れ、「今後は全経営委員が運営に責任を持つ」ことを確認。経営委で会長候補の選考手続きについて再検討し、文書化する考えを示した。
 経営委の責任については、小丸成洋前委員長が引責辞任したことで「包括的な責任を取った」としている。

 会見した安田喜憲委員長代行は「(総括を)次の会長人事では絶対に生かさなければいけない」と述べた。(2011年3月8日18時32分  スポーツ報知)

新会長任命に至るまでの過程についての検証と総括(NHK公表) 平成23年3月8日

NHK経営委員に数土文夫・JFEホールディングス相談役(70)らの同意人事、衆参両院に提示
http://www.asahi.com/politics/update/0308/TKY201103080484.html

日銀審議委員らの同意人事、衆参両院に提示
2011年3月8日20時24分

 菅内閣は8日、3月末で任期満了を迎える日本銀行審議委員の須田美矢子氏(62)の後任に、白井早由里・慶応大総合政策学部教授(48)を起用するなど5機関7人の国会同意人事案について、衆参両院の議院運営委員会理事会に提示した。新任は4人、再任は3人。

 新任は白井氏のほかに、2月から空席になっていたNHK経営委員に数土文夫・JFEホールディングス相談役(70)、3月末で任期満了となる情報公開・個人情報保護審査会委員には山田洋・一橋大大学院法学研究科教授(57)と公認会計士の椿愼美氏(63)。
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NHK経営委員長に数土氏有力=JFE相談役、空席解消へ
http://www.jiji.com/jc/c?g=ind_30&k=2011030800767
 空席となっているNHKの経営委員長に、鉄鋼大手JFEホールディングス前社長の数土文夫相談役(70)が就任することが8日、有力となった。政府は同日、数土氏を経営委員に充てる人事案を国会に提示。衆参両院の同意を得て正式に任命された後、数土氏を含む12委員による互選を行い、数土氏が新経営委員長に選任される見通しだ。
 1月にはJR東海出身の松本正之氏がNHK会長に就いており、経営委員長も決まればNHKの新体制がようやく本格的に発足する。(2011/03/08-21:03)
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http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/110308/ent11030819550014-n1.htm
NHK経営委が安西慶応前塾長に謝罪表明
2011.3.8 19:54

 NHK会長人事が混乱した問題で、経営委員会は8日、新会長任命過程についての総括を発表し、いったん会長就任を要請しながら事実上撤回した前慶応義塾長の安西祐一郎氏(64)に対し、委員会として「心から深くおわび申し上げます」と公式に謝罪の意を表明した。
 総括では安西氏について「結果として名誉を大きく傷つけた」とし、国民と視聴者に対しても「ご迷惑、ご心配をおかけした」と謝罪した。安西氏には面会を申し入れたものの、「まだ実現していない」(安田喜憲委員長代行)という。
 人事混乱の原因については、会長任命のための指名委員会立ち上げが遅れたことなどに触れ、今後、選考手続きについて再検討する考えを示した。経営委の責任については、小丸成洋前委員長が1月に委員を辞任したことで「包括的な責任を取った」としている。

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ラジオ局同士の合併全面解禁へ 総務省「1局1波」転換

http://www.asahi.com/national/update/0303/TKY201103030527.html

ラジオ局同士の合併全面解禁へ 総務省「1局1波」転換  2011年3月4日3時 

 総務省は3日、民間のラジオ局同士の合併・統合を全面解禁する方針を固めた。一つのラジオ局が複数のチャンネルを持つことも認める。これまではテレビ局やラジオ局同士の合併や統合は、一部の特例を除いて認めてこなかったが、経営難のラジオ局が破綻(はたん)する例が出始めており、ラジオ局に限って規制を大幅に緩和する。
 4日に発表する省令改正案に盛り込む。4月に総務相の諮問機関である電波監理審議会にはかり、6月下旬の施行をめざす。県単位を中心に設けられた同じ放送エリアのAM局同士が合併して複数のチャンネルを展開したり、AM局を経営する地方新聞社が新たにFM局を傘下におさめたりできるようになる。放送エリアが広い北海道などでラジオ局の再編が進む可能性があるとみられ、民間ラジオで戦後から続く「1局1波」体制は転換点を迎える。

 放送行政の基本原則である「マスメディア集中排除原則」では一つの事業者が複数の放送局を所有・支配することを禁じている。1990年代初めのバブル崩壊以降、放送局の経営が悪化し、隣接する放送エリアの放送局同士の合併を一定の条件下で認めるなど一部で特例もできたが、同じ放送エリアの放送局同士の合併は従来、認められなかった。
 しかし、インターネットの普及や景気低迷で広告収入が落ち込み、ラジオ局の経営は厳しさを増している。ラジオ業界全体の放送事業収入はここ20年で半分弱の水準に。09年度は民放ラジオ局101社のうち45社の純損益が赤字となった。昨年には神戸市のFMラジオ局がFM局として初めて民事再生法適用を申し立てたほか、名古屋市の外国語FM局が地上波の放送局として初めて廃業した。
 こうした事態を受け、総務省は身近なラジオ局の合併を認めた方がラジオの多様性の確保につながると判断した。(岡林佐和)

http://mainichi.jp/select/biz/news/20110305k0000m020072000c.html
ラジオ局:合併解禁の省令改正案を発表 4局まで保有可に

 総務省は4日、ラジオ局同士の合併を解禁する省令改正案を発表した。広告収入の減少で、地方を中心にラジオ局の経営環境が悪化していることから、再編による経営基盤の強化を認めることにした。
 省令は、特定の企業が複数のラジオ局の株式を同時に20%以上(放送地域が重複する場合は10%超)保有することを禁じる「マスメディア集中排除原則」を定めている。改正案はこの規制を緩め、ラジオ局に限って1社が最大4局まで100%保有できるようにする。電波監理審議会(総務相の諮問機関)で検討し、6月下旬の施行を目指す。

 民放連研究所によると、ラジオ局の営業収入は、インターネット広告の普及などで09年度は前年度比10%減、10年度予想も5%減と、長期低落傾向が続いている。昨年は、FMラジオ局の運営会社3社が経営に行き詰まり、「RADIO-i(レディオ・アイ)」(名古屋市)が放送を終了、「Kiss-FM KOBE」(神戸市)と「ラブFM」(福岡市)が他社に事業譲渡された。【乾達】
毎日新聞 2011年3月4日 20時15分(最終更新 3月4日 20時28分)

放送法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係省令等の整備に関する意見募集  平成23年3月4日
http://www.soumu.go.jp/main_content/000105193.pdf

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2011年3月 5日 (土)

<署名のお願い>アナログテレビ放送の一斉打ち切りを見直し、「段階的停波」を求めます

 総務省・NHKがアナログ放送からデジタル放送への一斉切り替えを予定している7月24日まであと5カ月を切りました。
NHKは関東地方など大都市圏を中心にVHFアンテナでアナログ放送を受信している戸建て世帯約500万のうち約80万世帯が地デジ化未了と推計し、3月7日からUHFアンテナの有無などを調査するための電話ローラー作戦を行うとのことです。
これから調査をして果たしてどれくらいが未対応と判明するのか、未対応の世帯をどうやって7月24日までに対応完了にこぎつけるのか、目途は立っていないのが実情と思われます。(新聞報道はこちら
 それどころか、今までのテレビ出荷台数にもとづいて、ジャーナリストらが見積もったところでは、今のまま7月にアナログ放送を停止すると、百万単位の国民がテレビを失う(テレビ難民となる)と予想されています。
 また「地上アナログ放送『終了延期』プロジェクト」(発起人:岩崎貞明 ,小林潤一郎, 坂本衛, 清水英夫, 砂川浩慶, なだいなだ, 原 寿雄:各氏)は3月4日記者会見で「地デジ難民のゼロ化」と「停波は地域ごとに段階的に行う」ことを求めました。(報道はこちら
地デジ難民ゼロ化を求める会見(YouTube動画配信

 こうした情況の中で「開かれたNHKをめざす全国連絡会」(当会・視聴者コミュニティも参加)は先日の世話人・運営委員連絡会で、アナログ放送の一斉停止に反対し、視聴者の地デジ対応が完了したエリアからアナログ放送を順次停止することとし、それまでは放送を延長するよう、総務大臣とNHKに求める署名運動を始めることを決定、広く皆様に署名へのご協力を呼びかけさせていただくことにいたしました。

<NHK会長、総務大臣、衆・参両議院総務委員会委員,民放連会長宛申し込み書>
アナログテレビ放送の一斉打ち切りを見直し、「段階的停波」を求めます(文書A)
http://kgcomshky.cocolog-nifty.com/anaenki/anaenki1.pdf
WORD形式

さらに詳しい資料として、
アナログ放送終了の延期を求める「10の根拠」(「終了延期」PJT)が大変明快にかつ具体的資料を示して説明していますので、是非ご覧ください。ただ少々時間がかかりますので、最重点を3つ抽出すれば
.予定通りアナログ放送を停止すると、百万単位の国民、その多くはテレビをライフライン(命綱)とする大量の社会的弱者、がテレビを失う。

 ●この状況でアナログ放送を停止するのはNHKにとっても財政上、引き合わない。地上アナログ放送の終了が2011年7月24日より遅れた場合に余分にかかる経費は約60億円(2008年5月8日、福地会長会見録より)
 ●アナログ停波による契約者減でNHKは91~666億円の受信料を失う(東京新聞)
 つまり、アナログ停波を延期して、アナログとデジタル双方を並行放送する方が財政的にも得策である。
.デジタル放送とアナログ放送を並行して実施する(いわゆるサイマル放送の一種)ことは技術的に全く問題はない。実際、政府は助成金を出してまでCATVで受信する集合住宅などのデジタル化を支援する一方で、各地のCATVは2011年7月以降もアナログ放送を視聴できる措置を講じている。ーーということになろうかと思います。

署名の方法ですが、いずれにしても
1.文書A(アナログ停波延期と「段階的停波」)に賛同し署名する意志
2.お名前
3.ご住所
の3つが明確になれば有効署名として集計できます。

署名用メールフォーム(http://form1.fc2.com/form/?id=638971)にお名前、ご住所を記入しクリック
文書Aをダウンロード、記入しメール添付して ykangeki8-anaenki@yahoo.co.jp  におくる。
文書Aをダウンロード、記入しFAX、郵送で送る。
・FAXは 059-222-3165
・郵送は〒134-0083 江戸川中葛西五郵便局局留 視聴者コミュニティ 渡邉 力 宛に

皆様の友人、知人に呼びかけ、声を大にしてアナログ「停波」見直しを要求しましょう。

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2011年2月26日 (土)

問題の核心に迫らなかったNHK監査委員会の調査~会長選考の調査報告書を読んで~

調査はどのように行なわれたか
 昨日(2月25日)、NHK監査委員会は「新会長任命に至るまでの過程についての調査報告書」を公表した。その全文は次のとおり。
 http://www.nhk.or.jp/kansa-iinkai/condition/pdf/report_110225.pdf 
 この調査の目的は、NHK会長の選考の過程で各経営委員ならびに経営委員会事務局職員が「経営委員の服務に関する準則」(情報の管理、委員会での合意に基づく行動)を遵守したかどうかを検証することにあるとされている。

 この目的に沿って、監査委員会は各経営委員から準則を遵守して行動したかどうかの確認書の提出を求めた。これには経営委員も辞任した小丸前経営委員長を含む当時の経営委員12名全員から提出があったという。その際、監査委員会は小丸氏から、「12月19日の候補者〔安西氏のこと〕との接触は、就任の要請でない旨の回答を得た」という。
 次いで、監査委員会は経営委員に質問書を送って回答を求めたうえで、一人一人の委員から聞き取り調査をしたという。なお、小丸氏はすでに経営委員を辞任し、一市民となったので、と述べてこの聞き取り調査に応じなかったという。

 ところで監査委員会は、これら書面ならびに面接を通じて、経営委員会における会長選考の節目ごとに、その段階では正式発表に至っていなかった審議内容(報道事象)をA~Fに区分し、それぞれの審議内容の発生日と、当該審議内容が各種報道機関(週刊誌等も含む)で報道された月日を比較対照した表を示し、各経営委員ならびに経営委員会事務局職員が報道の取材源に関与したかどうか、その他経営委員会の内部資料とされたものをブログやメール等で外部へ流出させた事実がなかったかどうかについて調査したという。
調査で明らかにされたことぜんぶよむ

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2011年2月25日 (金)

NHK松本会長に聞く 同時配信検討 民放反発も

http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819696E0E6E296858DE0E6E2E0E0E2E3E38698E2E2E2E2?n_cid=TW001
 NHKは現在、テレビの設置を根拠に受信料を徴収しているが、ネットの広がりを踏まえ、ドイツはテレビの設置にかかわりなく全世帯から徴収する。松本会長は「参考にしたい」と語った。 約4時間前 webから http://twitter.com/bilderberg54

就任1カ月 松本正之NHK会長
http://www.tokyo-np.co.jp/article/entertainment/news/CK2011022502000057.html   
2011年2月25日 朝刊
 二十五日で就任一カ月を迎えるNHKの松本正之会長が二十四日、本紙のインタビューに応じ、心境を語った。「放送と通信の融合が混沌(こんとん)としている中で、公共放送としてのNHKの方向性を見いだして、役割を果たす」と述べ、ネットへの本格進出も含めた新たな公共放送の姿を描き出すことが使命との認識を示した。一問一答は次の通り。 (早川由紀美)

 -就任の日のあいさつで、自身が選手だった陸上の十種競技に例えて「十種のうち、強いところを伸ばすと弱い競技も自然と強くなる」と話していたが、現時点で見えてきたNHKの強みと弱みは。

 「強みは、いい番組を作る能力。弱みというか、組織の特質としては、法律とかルールの中で(国会などと)関係を持ちながらやっており、特有の、ある意味の固さがありますよね。組織がかっちりしている」
 -そんな中で、会長としての自らの使命を何だと考えているか。
 「外部に向けては、良い番組、豊かな番組を作り続けること。内部では、意思疎通のしやすい風通しの良さがあればいいと思う。放送と通信の融合が混沌としている中で、公共放送としてのNHKの方向性を見いだして、役割を果たしていく。あるべき姿を見いだす」
 -就任後すぐ、大相撲八百長問題が表面化。結局春場所は中止となったが、生中継を再開できる条件は。
 「特別調査委員会の結論が出て、日本相撲協会の方でもいろんな疑惑が払拭(ふっしょく)できることが前提。あとは、世の人が大相撲を見たいという動向があるかどうかだ」

 -現在の経営計画で掲げている二〇一二年度からの受信料収入の「10%還元」は、実現できるかできないか、その方法など含め、いつの時点で、何を判断材料として決めるのか。
 「(12年度に向け)いろんな情勢の変化がある。地上波が完全デジタル化する七月二十四日を越すときに、どういう状況にあるのかという問題がある。極端な話をすれば、視聴者が受像機を放棄する可能性もある。経済が動いていて、(生活保護世帯などを対象とした)受信料の全額免除世帯が増えている。もっと将来の話でいえば少子化(による世帯減)がある。議論はデジタル化の帰趨(きすう)を見定めてになる。判断材料は、NHKの体力だ」
 -現在、NHKは放送法でインターネットへの番組の同時配信が認められていない。ラジオについては難聴取対策として、法改正なしで配信できるよう総務省に認可申請したばかりだが、テレビも含め、放送と通信の融合の全体像は。
 「それが一番の問題。放送と通信の融合が進み、(iPadなどの)新たな形の受信端末が広がっていく中で、公共放送がどういう形で役割を果たすかは、避けては通れない課題だ。(テレビでの視聴を前提としている)受信料にも関わる話なので、会長の諮問機関である専門調査会の出す方向も含めて、決めていくんでしょうね」

 -福地茂雄前会長は自らの使命を「コンプライアンス(法令順守)だと言っていた。就任後も無免許運転や視聴率データの漏えいなど不祥事が続いているが。
 「内部で言っているのは、世間がNHK職員に求めているモラルが高いから、それに応えて自律していかなければいけないということ。不祥事をなくすのに手品みたいなことはなく、一つ一つの事象を見て、それが二度と起きないよう手だてを打っていく。無免許運転が発覚すれば、免許証を確認する」
 まつもと・まさゆき 1944年4月生まれ。66歳。三重県出身。67年名古屋大学法学部卒業後、国鉄(当時)に入社。2004年にJR東海社長、10年に副会長に昇格。学生時代にしていた陸上の十種競技のうち得意だったのは「中長距離と跳躍」という。

NHK、値下げ以外の方法も検討 受信料還元で会長
http://www.47news.jp/CN/201102/CN2011022401000479.html
 インタビューに答えるNHKの松本正之会長
 就任から1カ月を迎えたNHKの松本正之会長(66)は24日、共同通信などのインタビューに応じ、経営計画に盛り込まれている2012年度からの受信料収入の10%還元について「いろんな形の還元方法がある。どういう形ができるのか検討したい」と述べ、値下げ以外の還元方法も検討していく考えを表明した。
 ただ、具体的な方法については「現段階でイメージはない」と述べるにとどめた。
 相次ぐ不祥事について、松本会長は「NHK職員は高いモラルが求められており、より信頼性を高めていきたい」と強調。各職場で近年起きた不祥事の事例を再確認し、あらためて具体的な再発防止策を示すよう指示したことを明らかにした。
 松本会長はJR東海副会長から、1月25日に就任した。

http://www.jiji.com/jc/c?g=ind_30&k=2011022400772
受信料還元、値下げに限定せず=具体策は7月以降-松本NHK会長
 1月に就任したNHKの松本正之会長は24日、インタビューに応じ、2012年度からの受信料の10%還元について「還元という言葉の中で、どういう形の対応があるのかも含めて検討していく」と述べ、単純な値下げには限定しない姿勢を示した。具体的な還元策を詰める時期に関しては「7月の地上デジタル放送化の結果を見なくてはいけない」と語った。
 NHKの収入の大半は受信料が占め、松本会長は「(還元後も)経営が成り立たないといけない」と指摘。有識者による受信料制度の専門調査会が6月をめどにまとめる報告も踏まえ、還元策を最終的に判断する考えを示した。(2011/02/24-17:54)

http://mainichi.jp/select/wadai/news/20110225k0000m040041000c.html
NHK:夏場所中継、協会の対応見定めた上で 松本会長

 就任1カ月を迎えたNHKの松本正之会長は24日、毎日新聞などの取材に応じた。大相撲の八百長問題に絡み、夏場所(5月8日初日・両国国技館)の中継は「日本相撲協会の対応や相撲ファンの意向を見定めた上で判断する」と述べ、必ずしも放送を前提としていない考えを示唆した。
 中継の是非は、相撲協会の特別調査委員会(座長、伊藤滋・早稲田大特命教授)の結論と同協会の対応、相撲ファンの反応を考慮して決めるとした。

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2011年2月24日 (木)

「視聴者コミュニティ」NHK会長選考の抜本的見直しを要求

 今回のNHK会長選出での前代未聞の失態の結果を受けて「『NHK経営委員会の情報漏れ』で監査委が調査」(毎日2/22)等の報道がなされています。
また2/22の衆議院総務委員会では野党議員から「経営委の情報漏れ」での経営委員会の責任が追求されました。(注1)しかし今問われていることは「経営委の情報漏れ」などという局所的な問題ではなく、会長選考とNHK経営委員会の本来的ありかたの問題です。
これに真っ向から取り組んでいただくため、「NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ」は次の3つの要望・質問書をNHKに提出しました。
(2月22日、4名の運営委員がNHKハートプラザに出向き文書を手渡し、担当窓口と面談)
NHK会長選考の迷走から汲むべき教訓は何か~開かれた会長選考に関する私たちの見解・要望・質問~(NHK経営委員会・監査委員会宛)→PDF
NHK会長選考ならびにNHKと政治の関係に関する貴職の見解についての質問書(NHK経営委員会 委員長代行 安田喜憲様宛)→PDF
NHK会長選考に関わる貴職の職務遂行についての質問書(NHK経営委員・監査委員 井原理代様宛)→PDF

①の要旨は
Ⅰ. ・監査委員会での調査が視聴者の知る権利や委員の自由な言論を阻害する
  ことがないよう要望。
      ・調査は当時の関係者を例外なく対象者として厳正に行われるべき。
      ・調査結果は最大限視聴者に公表されるべき。

Ⅱ. 会長選考が迷走した根本的原因は、NHKの会長に求められる資質をうやむやにしたまま、個々の経営委員の限られた知己・人脈に頼って人選を進めたため、選考に行き詰まったこと、そのため、最後は顔と人脈が広い経済界に対象が収斂し、大きな組織を牽引した経験を殊のほか評価するという歪み・偏向が生じた。こうした偏向を正当化するために「鉄道も放送も公共性において同じ」などという牽強付会な説明をするのは不見識である。A
また今回の人選の迷走を教訓にして、放送法の改正を待つまでもなく、経営委員会の意思で実行が可能な公募制の導入を、本腰を入れて検討すべきと考えるが、どう受け止めるか?B
・上記ABに対する経営委員会の見解を文書にてお聞かせ願いたい。

②の要旨は
Ⅰ.選考の途上で候補者として名前が挙がった人物に対し、小丸経営委員長(当時)は「全員一致で議決したと報告した」と説明しているのに対し、井原委員ら各委員は「議決前の打診をしたと理解している」と発言している。人事のイロハともいうべきこのような選考手順の次元の違いについて経営委員長と監査委員他との間に大きな認識のずれがあったことが会長選考を混乱させた原因の一つと言えるが、これについて委員長を補佐する立場にあった安田氏はどのように責任を認識しているか?我々は辞任に値すると考えるがどう受け止めるか?

Ⅱ.安田氏は松本正之氏をNHKの会長に選任することに賛同した理由として、「国威の発揚という意味で大きな役割を果たしてくれるものと期待して」と発言しているが、公共放送の長に国威発揚に協力する資質を期待するのは筋違いである。

Ⅲ.自民党の総務部会に出席して、経営委員会内に服務準則違反があったなどと発言するのは経営委員会の自律性を揺るがせ、政治との緊張関係をおろそかにする言動と思うがどうか? この種の説明は政治家に向かってではなく、視聴者に向かって行なうべきことであり、目線がずれていないか?

③の要旨は
Ⅰ.選考の途上で候補者として名前が挙がった人物に対し、小丸経営委員長(当時)は「全員一致で議決したと報告した」と説明したのに対し、井原委員ら各委員は「議決前の打診をしたと理解している」と発言 している。人事のイロハともいうべきこのような選考手順の次元の違いについて委員長と監査委員他との間に大きな認識のずれがあったことが会長選考を混乱させた原因の一つと言えるが、これについて常勤の経営委員・監査委員・指名委員会委員を兼務した井原氏はどのように責任を認識しているか?

Ⅱ.指名委員会を代表して経営委員会に、松本氏を選考した報告をする際、同氏の適格性に関して、「公共放送としての使命の理解はこれからのことかもしれませんが」などと報告をしたのは公共放送の長を選ぶ組織の中心人物として無責任かつ杜撰な職務遂行と考えるが、このような指摘をどう受け止めるか?

Ⅲ.松本氏の公共放送に関する資質の情報も得ないまま、本人に面談もせず、即日議決をするというのは重大な職務懈怠に当たると考えるが、このような指摘をどう受け止めるか?

Ⅳ.上記ⅠⅡⅢで指摘した職務懈怠は、常勤の監査委員の職を辞して責任を明らかに
するのに相当すると考えるが、かりに今の職にとどまるとしても、非常勤の経営委員長の約3.5倍に当たる年間報酬を、受信料を原資にして得ている常勤職の重責に照らし、常勤職として加算された報酬のうちのしかるべき割合を返上して視聴者に対する責任を明確にすべきと考えるがどうか?

Ⅴ.政党の部会に出席し、その場で服務規律違反の有無について調査を約束する発言をしたことについて。ーーです。

もう少し詳しい説明は
NHK会長選迷走の検証を情報漏えいの調査に矮小化してはならない醍醐聰のブログ

視聴者コミュニティ、3通の文書をNHK経営委ほかへ提出~先のNHK会長選考の迷走に関して~

さらに今回の経緯については
新旧政権政党の部会に出向いて政治家の「注文」を聞き取ったNHK会長、経営委員長、監査委員

NHK経営委員長代行の底なしの無定見

視聴者コミュニティ、小丸NHK経営委員長の解任を要求

をご覧ください。

注1衆議院TVのカレンダーから22日をクリックー総務委員会ー坂本哲志ー32分10秒から50:00までNHK問題の質疑ー
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参考:NHK会長引責 政治の介入招く『甘さ』 Tokyo Web

   NHK会長 自主自律の人を透明に

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2011年2月21日 (月)

NHK問題・近畿3団体:NHK会長選任過程について見解と申し入れ書を提出

NHK会長 松本正之様                  2011年2月19日
NHK経営委員会 経営委員各位
NHK会長選任過程についての私たちの見解と申し入れ

                 NHK問題京都連絡会
                 NHK問題大阪連絡会
                 NHK問題を考える会(兵庫)

1 NHK会長選出騒動と経営委員会の無定見ぶり

NHK経営委員会は1月15日、NHK新会長にJR東海副会長の松本正之氏を選任しました。
今回の会長選びの過程は、マスコミが報道したように、選考過程がきわめて不透明で委員会の意思決定が不明確だったことなどから混乱を招いて経営委員会の無定見ぶりを露呈しました。その結果、小丸委員長は責任をとって辞任するという異例の事態になりました。私たち視聴者は当然の結果と考えます。
最初の候補者擁立に失敗するとあわてて、たった1回の審議で「満場一致」で松本氏を選任するなど、選出した経営委員会の見識が問われることになりました。

委員長辞任によって経営委員会の迷走は収束したかに見えますが、小丸氏の辞任だけで今回の問題をすますわけにはいきません。小丸氏の独断とも思える行動に同調した経営委員の責任も重大です。経営委員会は当面、安田喜憲氏の「委員長代行」による不十分な体制で運営せざるをえなくなりました。安田氏もまた記者会見で「NHKの技術で国威発揚」とか「NHKも鉄道も同じ」とジャーナリズムとは無縁の無定見な発言をしています。
今回の教訓から、辞任した小丸経営委員長の後任には、ジャーナリズムに見識の高い人が選ばれるべきだと考えます。また、委員長選出の方法も透明で民主的なルールのもとに行われることを求めます。将来的には、NHK会長の選任に当たっての「視聴者の推薦」制度と合わせて経営委員の「公募・推薦制」の導入も視野に入れた放送法の改定が必要だと考えます。

2 新NHK会長への懸念――NHK会長に求められる資質

松本正之新会長は、旧国鉄、JR東海で人事・労務を担当し、国鉄の分割・民営化を推進した中心的な人物です。松本氏は「NHKと鉄道は高い公共性とサービスを求められる点で似ている」「今までは一視聴者の立場でNHKを見ていた。たくさんの視聴者の方々を相手に仕事をして質を高めていくところは似ている。私が経験したことを土台にしてやっていく以外にない」と記者会見で述べました。
この会見の中で、公共放送NHKと鉄道業務の理念の違いについての見解が披瀝されることはありませんでした。私たち視聴者は、今後のNHK運営に懸念を抱かざるを得ません。

いうまでもなく、NHKには当面する課題として、地デジ問題、放送とインターネットの融合、受信料問題など難問が山積しています。
 そして、NHK会長に何にもまして求められるのは、経営能力にとどまらない高いジャーナリズム精神です。ジャーナリズム精神にとって欠くことのできない要素は「政治権力への監視精神」です。聞くところによれば、新会長は、小野新副会長を伴って、安田経営委員会委員長代行・井原監査委員とともに、早速、自民党総務部会を訪問したと伝えられています(2月11日山本一太自民党参議院議員のブログ)。そこでは「会長人事に関しての経緯説明」がなされたとのことです。新会長は民主党へも同様の訪問をするのでしょうか。このような姿勢ではとうていジャーナリズム精神を期待することはできません。

 福地茂雄前会長が「政治家に放送前の個別番組の内容説明をすることはないし、求められたとしても断る」と言明されました(平成21年6月4日付、NHK『放送倫理検証委員会の見解についての見解』)。新会長はこの事実を重く受け止め、今後、李下に冠を正すような態度をとられないよう厳しく申し入れるものです。 以上

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2011年2月20日 (日)

公共放送のニュース価値を問う、海老蔵会見:たるんだ報道に喝!【ニュースメタボ診断】

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12月7日、市川海老蔵が記者会見した。NHK「ニュースウォッチ9」は冒頭から14分25秒、「皆さまにおわびしたい」「一切暴行していない」という海老蔵の言い分をひたすらに垂れ流した。

公共放送の報道枠の存在意義を制作者たちはどう考えているのか。その価値や使命、この番組でしか叶えられない役割について、根本から勉強しなおせ、と僭越ながら、言わねばならない。
民放にはできないことがある:(文=別府三奈子)→つづき1
                       つづき2

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