松江市教育委員会が市立小中学校に漫画「はだしのゲン」の閲覧制限を求めた問題について、下村博文文部科学相は21日の記者会見で「市教委の判断は違法ではなく問題ない。子どもの発達段階に応じた教育的配慮は必要だと思う」と述べ、理解を示した。閲覧制限には表現の自由を制限するとの批判的な意見があり、議論を呼びそうだ。
下村氏は過激な描写と指摘されている部分を自らも確認したことを明らかにし「小中学生が必ずしも正しく理解できない描写だ、と考える人もいるかもしれない」と語った。
また「誤った解釈をしないように、教員と一緒に学習しようとの考えだと聞いている」と話し、表現の自由に反するとの指摘は当たらないと主張した。
過激な描写を問題にするのではなく、作品全体のメッセージを読み解くことが重要だとの批判があることについては、「だからと言って、(子どもが読むのに)露骨な描写があっていいわけではない」と反論した。
鳥取市立の図書館がはだしのゲンを児童書コーナーから事務室内に移していたことにも触れ、「大人が読むには規制をしてはならないが、児童コーナーをどうするかは一つの判断だろう」と述べた。(共同)