22日に東京・西新宿で転落死した歌手の藤圭子(本名・阿部純子)さん(享年62歳)の遺体が23日、安置されていた新宿警察署から目黒区内の葬儀場に移された。関係者によれば、葬儀は行わず、長女で歌手の宇多田ヒカル(30)の到着を待って、荼毘(だび)に付されるとみられる。また、この日、藤さんのヒット曲「新宿の女」「圭子の夢は夜ひらく」を手掛け、今年3月に亡くなった作詞家・石坂まさを(本名・沢ノ井龍二)さん(享年71歳)をしのぶ会が営まれ、初代・林家三平の妻・海老名香葉子さん(79)が思い出を語った。
都内にある知人宅の高層マンションから転落死するという衝撃的なニュースから一夜明けた23日。藤さんの遺体は正午過ぎに、黒のワゴン車に乗せられ、安置されていた新宿署を後にした。新宿署によれば、事件性はないことから司法解剖されなかったという。
遺体の傍ら、後部座席には、22日に本人確認のため新宿署を訪れた元夫で音楽プロデューサーの宇多田照實氏(65)の姿があった。白いシャツにジーンズ、スニーカーという軽装。腕には、喪章代わりなのか、黒ネクタイを巻きつけていた。少し疲れた表情を見せながらも、白い布で包まれた遺体に、いたわるように右手を添えていた。
午後1時過ぎ、ワゴン車が葬儀場に到着すると、照實氏は左手にタオルに包まれたものを大事そうに持って出てきたが、報道陣には何も語らなかった。
その後、関係者を通して、「故人の遺志により面会はご遠慮いただきたい」「葬儀はせずに荼毘に付す」「出棺の日程は未定だが、本日でないのは間違いない」と明かされた。また、葬儀場に祭壇は設けられていないという。
約3時間滞在した照實氏は、4時過ぎに関係者の車で葬儀場を後に。70人近い報道陣が注目する中、右手を口に当て、真っすぐに遠くを見つめる険しい表情を変えることはなかった。
一方、宇多田ヒカルは藤さんの死去以来、新宿署にも姿を現しておらず、葬儀場関係者も「(来るかどうかは)分かりません」と困惑気味に答えていた。ヒカルは米ニューヨーク滞在中との情報もあるが、到着を待って荼毘に付すとみられる。
[2013/8/24-06:00 スポーツ報知]