1回、満塁のピンチにスタンドで祈る里田まい夫人=Kスタ宮城(撮影・土谷創造)【拡大】
プロ7年目で通算93勝。兄貴分のダルビッシュに肩を並べた。16日にプロ野球記録の21連勝を達成した際にはメールで「俺なら勝たしてへんけどな」とツッコミを受けた。“愛のムチ”を発奮材料に変え、兄貴超えに王手をかけた。
田中の奮闘で今季ワーストの連敗を「5」で止めた星野監督は「いまの状況はあいつ(田中)しかいない。あいつらしいけど、よく投げた」と胸をなで下ろした。
そして、ロサンゼルス五輪男子柔道金メダリストの山下泰裕氏(56)の203連勝を引き合いに「勝つことに加えて、長く続けられるコンディションがすごい。田中も同じだ」と最大級の賛辞を贈った。
「この流れでまた行けると思う」とメモリアルボールをポケットに詰め込んだ田中。開幕18連勝と昨季からの22連勝も達成。さらに1957年に故稲尾和久がつくった、単独シーズン最多連勝記録の「20」にも、あと2と迫った。前人未到の4カ月連続月間MVPも射程圏内。絶対的エースが、イヌワシ軍団を再び羽ばたかせた。 (広岡浩二)
データBOX
〔1〕楽天・田中がプロ野球記録の開幕連勝を18に伸ばした。単独シーズンでの18連勝は歴代3位タイに浮上(別表)。また昨年8月26日の日本ハム戦からの連勝も22となり、こちらもプロ野球記録を更新中。
〔2〕今年6月9日の巨人戦から、登板した全11試合で白星。連戦連勝の最多は2003年の斉藤和巳(ダイエー)が16連勝期間中に記録した「15戦15勝」。
〔3〕通算93勝となり、ドラフト制後(1966年以降)の高卒7年目までの勝利数でダルビッシュ有(日本ハム)と並ぶ4位となった。最多は江夏豊(阪神)の135勝。
(紙面から)