中日スポーツ、東京中日スポーツのニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 中日スポーツ > プロ野球 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【プロ野球】

マー様 連敗5で止めた 止まらない22連勝

2013年8月24日 紙面から

◇楽天5−0ロッテ

楽天−ロッテ 6回表2死二、三塁、代打福浦を空振り三振に仕留め、ガッツポーズする田中=Kスタ宮城で(佐藤哲紀撮影)

写真

 楽天の田中将大投手(24)が23日、Kスタ宮城でのロッテ戦で勝利投手となり、開幕からの連勝を18、昨年8月26日からの連勝を22として、ともに自身の持つプロ野球記録を塗り替えた。2位ロッテとの首位攻防3連戦の初戦に先発して7イニング無失点。5−0での勝利に貢献し、今季ワーストの5連敗と苦しんでいたチームを救った。

      ◇

 叫んだ。止めた。断続的な雨を切り裂き、田中の雄たけびがKスタに響いた。7イニング無失点で開幕18連勝。「俺が止めんで誰が止めんねん、という気持ちだった」。昨年8月26日からの連勝も22に伸ばした絶対エースが、5連敗を喫していた楽天の危機を救った。

 1点を先制した直後の6回だ。田中の魂が試合を支配した。2死二、三塁で打席に代打福浦を迎える。追い込んでからの4球目。「やっと自己最速を塗り替えることができた」という156キロの外角直球で空振り三振に仕留めると、ため込んだ感情が爆発。体を反転させ、その勢いのままに右コブシを突き出した。

 「絶対に点を与えたくなかったし、1−0だったので、こん身の力で投げました。トップギアに入れて、気持ちと体のバランスもあった。良い球だったと思います」

 抜くところは抜き、抑えるべき場面では力を思い切り使う。今季の田中は、オンとオフを自在に切り替えている。プライベートでは人気ドラマの「半沢直樹」なども見てリラックス。しかし、マウンドに上がれば鬼神と化す。今季のロッテ戦は3戦3勝。「倍返し」を許さず、「返り討ち」にしてみせた。

 2つのプロ野球記録を塗り替えてきた右腕は、この日で07年のプロ入りから通算93勝。メジャー6球団が視察する中で、高卒7年目の勝利数としては尊敬するダルビッシュ(現レンジャーズ)に並んだ。

 それでも、田中にとっては連敗中で迎えた2位ロッテとの初戦を制したことの方が、はるかに価値がある。前回先発した16日の西武戦の翌日に始まった連敗を止め、チームに7日ぶりの白星をもたらした。

 星野監督は「今の状況ではアイツしかいないと思っていた」と振り返った。絶対に負けられない戦いを制し、さらにはチームをも蘇生させた。無敗街道を突き進むエースに導かれ、イヌワシ軍団が再発進する。

  (井上学)

 

この記事を印刷する

PR情報

おすすめサイト

ads by adingo




中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ