9月危機説:韓国の死角は「投資心理」と「家計債務」

9月危機説:韓国の死角は「投資心理」と「家計債務」

 世界的な資産運用会社、フィデリティのマイケル・リード韓国代表は22日、本紙のインタビューに応じ、「最近外国の投資家が新興国の株式市場と韓国の株式市場を別扱いする動きが目立つ」と指摘した。

 リード代表はその理由を「短期対外債務、外貨準備高などの面で、韓国経済の基礎体力が改善している上、資本流出を減らすための措置を既に取っており、為替の健全性も向上しおている。今回の事態(新興国の危機)が韓国の危機へと拡大する可能性は小さい」と分析した。

 リード代表は「最近インドとインドネシアの金融不安で、再びアジア発の金融危機が起きるのではないかとの不安感が高まっているのは事実だ。韓国は基礎体力が丈夫なため、同じ文脈で心配する必要はない」との見方を示した。

 JPモルガンのアジア担当チーフストラテジスト、タイ・フイ氏は「韓国は経常収支の黒字を計上し続けており、外国の投資家は他の新興国とは別の見方でとらえている」と述べた。韓国は経常収支が1年6カ月連続で黒字となっている。

 バークレイズのアジア担当チーフエコノミスト、ワイホ・リョン氏は「韓国経済は上半期はやや困難に直面したが、下半期は米国の景気回復、韓国政府の財政支出拡大、造船業回復などで全般的に上半期よりは改善が見込まれる」とした。

 3大格付け会社の一角、フィッチ・レーティングスは同日、韓国の信用格付けを「AAマイナス」に据え置くと発表し、「韓国経済はファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)が良好だ」と理由を説明した。

 しかし、韓国経済には依然として脆弱(ぜいじゃく)な部分があると指摘も聞かれた。リード代表は「投資で重要なのは投資心理だが、韓国経済の基礎体力が相対的に優れているという事実がその威力を発揮できず、(他の新興国と)同じ扱いを受ければ、韓国も危機に直面しかねない」と懸念した。フイ氏は「韓国は家計債務のせいで内需に伸びしろが小さいことが弱点だ」と指摘した。

方顕哲(パン・ヒョンチョル)記者
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連フォト
1 / 1

left

  • 9月危機説:韓国の死角は「投資心理」と「家計債務」

right

関連ニュース