9月危機説:外資の見方一変「韓国は危機克服の教科書」

 今月初め、東京郊外のある旅館に世界的に有名なプライベート・エクイティー・ファンドの幹部約10人が集まった。アジア市場に対する情報交換を行うプライベートな会合だった。そこに参加した格付け会社ムーディーズのアジア太平洋企業金融担当役員は「公的資金をつぎ込んだ『事後処方』式の韓国の構造調整を問題視する指摘もあったが、大半は『韓国は本当に成長した。安定かつ制度化された市場だ」との意見だった」と会合の様子を語った。

 また、世界的なファンド関係者による別の会合に出席した金融業界関係者も「(外国のファンド関係者が)韓国の特定の財閥グループを指し、『持ち株会社制に転換したところ、以前のようにグループ企業1社が経営困難に陥ることで、グループ全体の経営が悪化することはなくなった。大きな変化だ。韓国はもう過去のように容易にのみ込める市場ではない』と述べた」と語った。

 「第3次金融危機」の兆しが見える中でも、韓国経済が堅実さを維持しているのは、1997年と2008年の経済危機を経験した過程で、経済の体質が強化された上、危機回復のノウハウを知っているからだ。

■新興市場から「先進新興市場」へ

 生まれ変わった韓国経済の姿は数値の上でも確認できる。米国の量的緩和以降、新興国の国債や公債には多額の資金が流入した。しかし、アジア開発銀行(ADB)の資料を分析すると、韓国の国債・公債に占める外国人の割合は約10%だ。インドやインドネシアに比べると3分の1の水準であり、日本(9%)並みだ。ムーディーズ関係者は「韓国経済が世界のホットマネーに左右される新興市場のレベルから脱したことを示しており、それだけ経済が堅実になったということだ」と指摘した。

 韓国の外貨準備高は、2008年の世界的な金融危機当時の2396億ドルから現在は3297億ドルへと40%近く増えた。また、韓国経済のアキレスけんとされてきた短期対外債務の割合は、08年の52%から29%へと大幅に低下した。経常収支の対国内総生産(GDP)比率は0.3%(08年)から2.7%に上昇し、1年5カ月連続で経常黒字を維持している。金融危機が起きるたびに問題になった銀行の健全性も現在は合格点だ。金融監督院は「08年の世界的な金融危機のような危機状況を想定し、外貨流動性のストレステストを行った結果、6月末現在で国内の全ての銀行がテストに合格した」と説明した。

李仁烈(イ・インヨル)記者
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