原子力規制委員「東電は国に要望を」8月23日 19時58分
原子力規制委員会の更田豊志委員は23日、東京電力福島第一原子力発電所でタンクから300トン余りの汚染水が漏れ出た現場などを視察し、東京電力に対し、点検がずさんだと指摘したうえで「人手の問題などでできないことがあれば国などに対して声を上げてほしい」と呼びかけました。
原子力規制委員会の事務局によりますと、更田豊志委員は23日午前、福島第一原発を訪れ、今月19日に300トンの汚染水が漏れ出ていることが分かったタンクの周辺などを見て回ったということです。
視察のあと、取材に応じた更田委員は「タンクから漏れることを前提とした準備が取られていたとは思えない。異常に気付くには小さな変化も見逃せないが、そのために必要となるタンク周辺の通常の放射線量の記録などが残されていないのは点検に対する姿勢を疑わざるをえない」と東京電力の対応を批判しました。
そのうえで、東京電力側からは「点検を強化するには4倍の人員が要る」などと説明があったということで、これに対して更田委員は「できないことがあれば声を上げてほしい」と呼びかけたということです。
また、更田委員は「万全を尽くしていると言うことより、やりたい対策ができない現状を言うことの方が大事だ。事業者が言えないという難しい事情は分かるが、ぜひ勇気を持って声を上げてほしい。お金や人手の問題があれば資源エネルギー庁などに対して要望を言わなければならない」と話しました。
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