怪物ルーキー松山英樹（２１＝東北福祉大４年）が世界一周のハードな日程をクリアし、来季の米ツアー出場権を手中にしたのは２年前から進めていた準備にあった。

　松山は７月１０日に「全英オープン」へ向けて出発。その後は大西洋を渡りカナダ、米国で「全米プロ」や「ウィンダム選手権」など５連戦に臨んだ。成績は６、１６、２１、１９、１５位と移動や時差、環境の変化などを感じさせない、安定したプレーを披露した。

　もちろん疲労がないわけではない。松山は遠征最後の「ウィンダム」で腰に手を当て、気にするそぶりを見せた。いつもは振り切るスイングもフォローは小さかった。東北福祉大ゴルフ部の阿部靖彦監督（５１）は「十分過ぎるほど疲れてる。ただ、言い訳になるからアイツは簡単には口にしないだけ」と明かした。

　そんななかでも、最後まで力を発揮できたのは日本で“予行演習”をしていたからだ。