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( ^ω^)はペルソナ能力を与えられたようです
- 19 : ◆iAiA/QCRIM []
:2008/09/27(土) 01:30:00.93 ID:Hz2ycwbY0
真っ白な、何もない世界が続く。
大地と空の境界もわからない、白の世界。
その中をたゆたう、一人の少年。
四肢を広げ、仰向けに寝転がる形で、少年はその世界に居た。
どちらが上なのかすらわからない真っ白な世界は、「浮いている」という感覚すらも感じさせず、
ただただ流れに身を任せることしかできなかった。
やがて、少年の目にもう一つの色が映った。
輝く粒子をひらひらと撒きながら、空中ともわからない空間を舞う、一匹の蝶。
それは黄金色に輝き、まるで、自由の利かない少年を嘲笑うかのように。
しかし少年は、とても優しい笑顔で、瞳で、優雅に舞う蝶を見つめていた。
そのうち、蝶が少年に近寄ってきた。
少年は笑顔のまま、ただひたすらに、蝶を見つめていた。
蝶はそのまま真っ直ぐに進む。
そして、少年の胸の中へと、溶け込むように消えていった。
それと同時に、少年の意識も安らかに眠るように、白い世界に溶け込んでいった。
- 20 : ◆iAiA/QCRIM [] :2008/09/27(土) 01:33:18.14 ID:Hz2ycwbY0
真新しい校舎に、一日の授業の終わりを告げるチャイムが鳴り響く。
字都(アザト)市内の東に位置する津阿都(ツアト)区。
その中心部に、およそ学び舎とは思えない佇まいの学校があった。
VIP高校。
存在を知らない者が見れば、とても大きな教会だ、と思うだろう。
透き通るような白い壁。煌びやかなステンドガラス。
そのどれもが、教会を思わせる造りだった。
そんな風貌をしているのだが、ミッション系というわけではない。
授業内容は至って普通。どこにでもあるような高校だった。
ただ単に、設立者の趣味というだけで、この学校はこんな姿をしているのである。
その変わった造形が功を奏したのか、開校3年目にも関わらず生徒数は1800人を超えていた。
もっとも、学校の外見だけでそこまでの入学者を集められるはずはない。
しかし、これだけの生徒が集まったことは事実だ。
設立者の名前は、モララー。
大企業の会長であった。
- 21 :VIPがお送りします [] :2008/09/27(土) 01:35:03.53 ID:tvzSY54O0
つか、よく見たらトリップw
支援支援
- 22 : ◆iAiA/QCRIM [] :2008/09/27(土) 01:37:02.38 ID:Hz2ycwbY0
チャイムの音を目覚まし代わりに、授業中豪快な居眠りをしていた少年が目を覚ます。
寝ぼけた顔で辺りを見渡し、授業がちゃんと終わっていることを確認した後、大きく伸びをした。
とそこへ、後ろから近づく影が一つ。
影はそのまま少年の真後ろで止まり……傾いていた椅子を思い切り引いた。
( ゚ω゚)「ギャース!!」
当然そのまま、少年は尻もちをつく形で床に激突する。
犯人は平然とした顔で、引っ張った椅子にそのまま座り、足を組んで少年を見下ろした。
ξ゚听)ξ「あんたまた寝てたでしょ…ブーン」
平然と恐ろしいことをやってのけた者の正体は、金髪縦巻きロールの少女。
整った顔立ちをしていて、間違いなく美少女の部類に入るだろう。
( ´ω`)「ツンかお…ひどいお…」
倒れたまま、訴えかけるブーンと呼ばれた少年。
それを呆れた顔で見下ろす、ツンと呼ばれた少女。
それはこのクラス、3年F組では最早定番のことだった。
だからブーンの悲鳴にも、「またいつものか」と、クラスメイト達も慣れたものだった。
- 23 : ◆iAiA/QCRIM [] :2008/09/27(土) 01:40:00.60 ID:Hz2ycwbY0
ξ゚听)ξ「ひどいお…じゃないわよ! もう3年だってのに、そんなんで進学できるの?」
ブーンを説教するツンの姿は、まるで保護者のようだ。
どうやら彼女は、本気で心配をしているようだった。
ただし、体への気遣いは、皆無。
( ´ω`)「進学……」
呟き、そのまま黙り込んでしまった。
ξ゚听)ξ「…? ブーン…?」
いつもと違う様子に戸惑うツン。
するとそこへ……
('A`)「っよ 御二人さん、相変わらず仲いいな」
(´・ω・`)「でもいつかブーンが死んじゃうんじゃないか、いい加減心配だよ」
川 ゚ -゚)「大丈夫だ、ツンはちゃんと加減してる …多分」
3人のクラスメイトが、冷やかしながらやってきた。
- 24 :VIPがお送りします [] :2008/09/27(土) 01:42:59.60 ID:33mV7D3B0
イアイア支援
- 25 : ◆iAiA/QCRIM [] :2008/09/27(土) 01:43:25.23 ID:Hz2ycwbY0
ξ゚听)ξ「大丈夫 ブーンはこのくらいじゃ死なないわよ」
('A`)「ガキの頃に比べりゃ、かなりマシになったよな」
(´・ω・`)「これでマシになったのか…」
川 ゚ -゚)「まぁドクオ、とりあえず起こしてやれ」
('A`)「あいよー」
ドクオと呼ばれた少年が、ブーンを起こすために近寄る。
('A`)「ほれブーン」
( ^ω^)「お…サンキューだお」
ドクオの手を取り、起き上がる。
ブーンは尻の埃をはらうと、ツン達に視線を向けた。
(´・ω・`)「それじゃ、行こうか」
川 ゚ -゚)「ああ いよいよ追い込みだからな」
- 26 :VIPがお送りします [] :2008/09/27(土) 01:44:00.12 ID:cghHxlb3O
ペルソナ4おもすれー( ^ω^)
- 28 :VIPがお送りします [] :2008/09/27(土) 01:46:11.67 ID:33mV7D3B0
wktk
- 29 : ◆iAiA/QCRIM [] :2008/09/27(土) 01:46:42.22 ID:Hz2ycwbY0
( ^ω^)「おっ 珍しくクーが気合入ってるお」
川 ゚ -゚)「馬鹿言うな 私はいつでも気合入ってるぞ」
とてもそうは見えないクールな表情で否定した、クーと呼ばれた少女。
ツンが美少女なら、彼女には美女という言葉がしっくりくる。
美しい長い黒髪が、なんとも印象的だった。
('A`)「まぁ高校最後の文化祭だからな…ショボンですら興奮してんだぜ」
(´・ω・`)「僕ですらってなんだよ 楽しみなのは認めるけど…」
痩せ気味の少年、ドクオに悪態をつかれ、しょぼくれた顔で文句を言うショボン。
そのやり取りを見て、3人が笑う。
楽しみなのは、皆わかっているのだ。
VIP高校文化祭。別名、泰炎祭(タイエンサイ)。
大層な別称がつけられているが、基本的には普通の高校の文化祭と変わらない。
様々な出店やイベント等の為に、全校生徒が慌ただしく準備を進めていた。
泰炎祭のクライマックスでは、巨大なキャンプファイヤーがグラウンドで行われる。
炎の高さは、実に20メートルにまで達するものだ。
炎の赤が校舎に映し出され、参加者達はその鮮やかな赤に魅了される。
それが、泰炎祭たる由縁だった。
- 31 : ◆iAiA/QCRIM [] :2008/09/27(土) 01:50:32.40 ID:Hz2ycwbY0
ブーン達は準備の為に空き教室へと移動した。
クラス別にもあるが、希望者はグループを作り各々の出し物を行って良いことになっている。
但し、1グループ6名以上とする。
最後の6人目は、すでに空き教室で暇を持て余していた。
( ゚∀゚)「おせーぞお前ら」
( ^ω^)「ジョルジュが早いんだお…」
( ゚∀゚)「またどうせブーンとツンが乳繰り合ってたんだろ? うらやm」
ξ#゚听)ξ「ぶち殺すぞ」
(;゚∀゚)「すいません」
ツンの一言で委縮したジョルジュ。この6人は1年生の頃から特に仲が良かった。
運悪くジョルジュだけ別クラスになってしまっていたが…。
当然のように、高校最後の文化祭もこの6人で過ごそうと言うことになり、グループを組んだのである。
ちなみに、クラスの半数が自グループで参加することになった場合、クラスでの出し物は免除になる。
さて、この6人が一体どんなことをするのかと言うと…
('A`)「クー、服はできたのか?」
川 ゚ -゚)「ああ、持ってきてあるぞ」
- 32 :VIPがお送りします [] :2008/09/27(土) 01:50:59.97 ID:33mV7D3B0
期待支援
- 33 : ◆iAiA/QCRIM [] :2008/09/27(土) 01:54:13.01 ID:Hz2ycwbY0
そうするとクーは、手に持った紙袋から何かを取り出した。
丁寧に畳んであったそれの正体は…
川 ゚ -゚)「ほら 可愛いだろう」
そう言って、取り出したものを胸元の辺りにあてがった。
(*'A`)「ウホッ」
(*^ω^)「おっおっおっ めちゃんこ可愛いお!」
(*゚∀゚)「これはいい! おっぱいも強調されてるぜ!」
(*´・ω・`)「うん、とっても可愛いよ」
ξ゚听)ξ「ほんっとクーったら器用よねー」
大絶賛を受けた物の正体は、その筋の人間に人気なファミレス店を彷彿とさせるような、
可愛らしいウェイトレス衣装だった。
控え目と大胆の間の、絶妙なバランスを保たれて開かれた胸元に、お決まりの短めのスカート。
川 ゚ -゚)「もちろん、ニーソも履きます」
クーの戦略は完璧であった。
- 34 : ◆iAiA/QCRIM [] :2008/09/27(土) 01:57:57.28 ID:Hz2ycwbY0
ξ;゚听)ξ「ちょ、ちょっと恥ずかしいわね…」
川 ゚ -゚)「何を言う 絶対にツンに似合うぞ」
(*^ω^)「おっおっ そうだお きっと似合うお」
ξ*゚听)ξ「そ、そうかな…って、別に嬉しくなんかないんだからねっ」
(´・ω・`)「ふふっ 楽しみが増えたところで、男の方もできたのかな?」
川 ゚ -゚)「ああ 簡単なタキシードに仕上げておいた」
そう言ってまた紙袋から取り出す。畳んであるままのそれをジョルジュに放り投げた。
それを広げ、制服の上から羽織ってみる。
( ゚∀゚)「おー! いいじゃねえか!」
ξ゚听)ξ「あら、ちょっとは男らしくなったじゃない」
川 ゚ -゚)「ん、イメージ通りだ 当日は頼んだぞ、ドクオにジョルジュ」
('A`)「おう 任せとけ」
( ゚∀゚)「おっぱい達をヒィヒィ言わせてやるよ!」
- 36 : ◆iAiA/QCRIM [] :2008/09/27(土) 02:01:15.01 ID:Hz2ycwbY0
川 ゚ -゚)「ショボンの方はどうなんだ?」
(´・ω・`)「ああ、厨房は大体完成したし、あとは材料を運ぶだけかな
当日は腕を振るうよ」
ξ゚听)ξ「期待してるね、ショボンのケーキおいしいもん」
彼等の出し物は、ケーキ屋。
実家が洋菓子屋のショボンがケーキを焼き、4人がウェイトレス、ウェイターとなる計画だ。
ツンとクーは学校きっての美少女、ジョルジュは性格はおっぱいだが、なかなかのイケメン。
ドクオも痩せている以外は特に短所がなかった。
ちなみにブーンは、ショボンの手伝いと皿洗い担当だ。
( ^ω^)「皆頑張ってくれお」
ξ゚听)ξ「何言ってんのよ ブーンもしっかりショボンを手伝ってあげてね」
(´・ω・`)「ああ、よろしく頼むよ」
( ^ω^)「おっおっ がんばるお!」
全員の力で、このケーキ屋を成功させる。
全員がそう思っていた。
(´・ω・`)「さぁ、そろそろ準備に取り掛かろうか」
- 37 :VIPがお送りします [] :2008/09/27(土) 02:03:57.61 ID:33mV7D3B0
性格はおっぱいだが
なんかフイタwww
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