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花巻東持ち味出せず 散発3安打で力尽きる 全国高校野球
 | 花巻東−延岡学園 6回表花巻東無死、千葉が投前へのセーフティーバントを試みるがアウト |
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 | 花巻東−延岡学園 6回裏2死三塁のピンチでマウンドに集まる花巻東ナイン |
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第95回全国高校野球選手権大会第13日の21日、休養日を1日挟み甲子園球場で準決勝が行われ、東北勢初の優勝を目指した日大山形と花巻東(岩手)はともに敗れ、決勝進出はならなかった。
延岡学園と対戦した花巻東は六回、先発中里が連続適時打を浴び2点を先制された。打線は横瀬に散発3安打に抑え込まれ0−2で敗れた。
▽準決勝(第2試合)
花巻東(岩手) 000000000=0
延岡学園(宮崎)00000200×=2
【評】花巻東は打線が散発3安打で零敗。唯一の好機は五回。先頭山下の中前打と敵失で無死一、二塁の先制機を築いたがバント失敗、さらに後続2人が空振り三振に倒れた。9三振を喫し、三塁を踏むことができなかった。先発中里は五回まで2安打無失点と好投したが、六回の勝負どころで低めの球を逆方向へうまく打たれてしまった。
延岡学園の横瀬は直球にカーブとスライダーを交える緩急がさえ渡った。
◎キーマン千葉、出塁逃す
崩れ落ちるように号泣しながらグラウンドを去る千葉の姿が痛々しかった。花巻東の持ち味を発揮できないまま、あっという間にスコアボードにゼロが九つ並んでしまった。
2番千葉が出塁し、中軸がかえすのが得点パターン。準々決勝までの15打席で7安打5四球と出塁率8割を誇ったキーマンが一度も塁に出られなかった。「(横瀬の)制球が良いので、四球狙いではなく、強いゴロを打つつもりだった」。先頭で迎えた六回は初球、セーフティーバントを試みたが、間一髪、間に合わなかった。「役割を果たせなかった。それが一番悔しい」と絞り出した。
打線は緩いカーブと直球のコンビネーションの前に散発3安打。3番岸里は「カーブが効果的だった。気合もすごかった」と力負けを認めた。
それでも、守りでは「らしさ」を見せた。五回1死一塁。三前バントで一塁への送球がそれたが、二塁八木が素早くカバー、三塁を狙った走者を好返球で刺した。三回は中堅千葉がライナーを下がりながら好捕した。フライを打ち上げてもダイヤモンドを全力疾走する各打者の姿も甲子園ファンの目に焼き付いた。
2年生八木は「練習してきたことなので、体が自然に反応した。あのプレーでは花巻東らしさを出せた。来年また戻ってくる」と顔を上げた。(東京支社・庄子晃市)
◎中里7回2失点
丁寧にコースを突いて好投してきた花巻東の中里が六回、浜田、田中に連続適時打を浴びて2失点。左腕は「低めは突いた。相手がうまかった」と汗をぬぐった。
右の浜田には真ん中低めの直球を右前に流された。左の田中には外角低めのスライダーを左中間への三塁打にされた。「ほかの場面より少しだけ制球が悪かったかもしれない。だが打たれた感じがしない」と振り返った。
七回を投げ終えて降板。「落ち着いて投球したつもりだが、守備から攻撃につながるリズムを生めなかった」と残念がった。
◎バントの定義花巻東に説明/大会本部が準々決勝後
全国高校野球選手権大会の大会本部は21日、花巻東(岩手)の監督と部長に対し、19日の準々決勝後に「バントの定義」に関する高校野球特別規則の説明を行ったことを明らかにした。
花巻東の2番千葉が準々決勝の打席で、投球をカットしてファウルにする粘りを見せていた。バントと判断される可能性があるとして、赤井淳二審判副委員長が試合後に伝えたという。花巻東の流石裕之部長は「『あの打法はスリーバント失敗になります。次からアウトにしますよ』と言われました」と話した。
千葉は4打数無安打だった準決勝敗退後に「ファウルで粘って何としても塁に出るのが自分の役割。(それができず)野球人生で一番悔しい試合だった」と泣き崩れていた。
日本高野連の特別規則には「打者が意識的にファウルにするような、いわゆる“カット打法”は、そのときの打者の動作(バットをスイングしたか否か)により、審判員がバントと判断する場合もある」と記されている。
2013年08月22日木曜日
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