東北勢躍進、粘り光った花巻東 夏の甲子園総評
前評判の高かったチームが次々と姿を消す中、初出場の前橋育英が頂点に立った。際だったのは随所で見られた堅い守り。2年生右腕の高橋光は、緩急をつけた巧みな投球で相手打線を翻弄(ほんろう)した。
延岡学園は大会前に主戦投手をけがで欠いたが、横瀬や奈須が成長して穴を感じさせなかった。打線も浜田を中心に勝負強さを発揮。宮崎県勢初の決勝進出に貢献した。
東北勢の躍進も目を引いた。史上初めて5校が初戦を突破し、24年ぶりに2校が4強入り。日大山形は日大三や明徳義塾などの実力校を倒し、攻守とも洗練された好チームだった。
花巻東は豊富な投手陣と粘り強い試合運びが印象に残った。ともに地元出身の選手を中心とした快進撃だった。
2年生に好素材が目立った。投手では155キロをたたき出した安楽(済美)や、大阪桐蔭を1点に抑えた岸(明徳義塾)。打者では横浜の高浜と浅間が非凡なセンスを見せた。
春優勝の浦和学院、夏2連覇を目指した大阪桐蔭はともに力を発揮しきれず、甲子園での連覇の難しさを知らしめた。また、1点差試合は昨年の9試合から20試合に激増した。
選手の健康面に配慮して準々決勝翌日に初めて休養日が設けられた。投手の疲労回復には朗報で大いに歓迎したい。ただ、試合中に脚をつって降板した小島(浦和学院)のように、猛暑の中でのプレーをする選手のためにさらなる対策を期待したい。
(2013.8.23)
[PR]
|