最終更新: 2013/08/23 12:55

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「はだしのゲン」閲覧制限問題 松江市教育委、来週再び協議へ

島根・松江市の小中学校で、漫画「はだしのゲン」の閲覧が制限されている問題で、波紋はさらに広がっている。
故・中沢啓治さんが、自らの被ばく体験をもとに、広島への原爆投下や戦後の混乱を描いた漫画「はだしのゲン」。
2012年5月、中沢啓治さんは「おもしろく見せながら、本当に戦争と原爆の実態に迫っていく。そういう方法が漫画はとれるわけです」と話していた。
島根県の松江市教育委員会は、2012年12月、はだしのゲンの中の、人の首を切るシーンなど、一部の表現が過激だとして、市内全ての小中学校に対し、生徒らの自由な閲覧と、本の貸し出しの制限を求めた。
しかし、この措置に対し、全国から批判の声が上がった。
はだしのゲン原画展を訪れた人は、「子どもにとっては、ある意味わかりやすく、伝えてくれる漫画じゃないかなって思っているので」と話した。
松江市には、全国から2,200件以上の抗議や意見が寄せられ、教職員組合などからも、制限の撤回を求める申し入れが相次いだ。
制限撤回を求める島根県教職員組合は、「子どもたちが自由に手にとる自由も保障すべきだと」と述べた。
さらに、都内の書店では、ある異変が起きていた。
東京・墨田区のくまざわ書店錦糸町店には、はだしのゲンのコーナーができていて、平積みで本が置いてあった。
さらに、「子どもたちに読ませるべきか? 読ませるのは避けるべきか?」という言葉も書かれていた。
閲覧制限問題の発覚以降、出版元への注文が、例年の2〜3倍に増えるなど、はだしのゲンへの注目が高まっている。
くまざわ書店錦糸町店の神屋大輔店長は「松江の問題が発生して以降、問い合わせが殺到しまして、1回(全部)」なくなって、ちょうど、きょう入ってきた状況です」と語った。
この事態を受け、松江市教育委員会は22日の定例会議で、制限措置の撤回も含めて協議したが、結論は持ち越しとなった。
松江市教育委員会の内藤富夫委員長は「できるだけ早く、委員会としての立場を明確にしたい」と述べた。
会議を傍聴した市民は、「至急、撤回してもらわないと、どんどんほかの府県にも広がっていく、市町村にも広がっていくという危惧を感じます」、「1時間半の会議では、結論が出ない問題だと思う」などと話した。
松江市教育委員会では、来週、再び協議することになった。
閲覧制限問題について、街の人は「大人が見せたくないものを、きちっと見せていくことをしていかないと、戦争の悲惨さがなかなか伝わっていかない」、「子を持つ親としては、戦争のことは勉強させたいけど、(子どもが)低学年の時はちょっと...。抵抗があります。問題提起としてはいいと思いますけど、まだ、自分の中で考えがまとまらないですね」などと話した。

(08/22 19:22)


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