米国株:上昇、失業保険申請を好感-ナスダック取引一時停止
8月22日(ブルームバーグ):米株式相場 は上昇。経済指標で世界の製造業や米労働市場の改善が示されたことが手掛かり。ナスダック市場ではコンピューターシステムの不具合から取引が3時間にわたり停止された。
S&P住宅建設株指数が高い。米連邦住宅金融局(FHFA)が発表した6月の住宅価格指数(季節調整済み)は前年同月比で7.7%上昇した。ヤフーも上昇。7月の同社ウェブサイト利用者がグーグルを上回ったことが好感された。一方でヒューレット・パッカード(HP)は大きく下落。同社が示した利益見通しは一部のアナリスト予想を下回った。カジュアル衣料のアバクロンビー&フィッチ(アバクロ)も大幅安。第2四半期決算が市場予想に届かなかったことが嫌気された。
S&P500種 株価指数は前日比0.9%高の1656.96。ダウ工業株30種 平均は7営業日ぶりに反発し、0.4%高の14963.74ドル。ナスダック総合指数は1.1%上げて3638.71。
ウェルズ・ファーゴ・プライベート・バンクの株式戦略・調査責任者、ポール・マンガス氏は「失業保険申請の統計は明るい内容で、緩慢な雇用拡大が続いていることが示された」とした上で、「中国では安定、欧州では改善の兆しがそれぞれ見られており、米国の多国籍企業には長期的にプラスとなる可能性がある」と述べた。
ナスダックで取引停止米株式市場はこの日もコンピューター障害に見舞われた。取引所間でデータを共有するためのソフトウエアに不具合が生じ、ナスダック市場は株式とオプションの取引を一時停止した。取引はニューヨーク時間午後0時20分ごろに停止した後、同3時25分に再開された。
ナスダックでの取引停止で、アップルやインテル、フェイスブックなど売買が活発な銘柄の多くで一時、事実上取引が行えない状態となった。株式市場では20日にもゴールドマン・サックス・グループがプログラミング上のミスからオプションを誤発注し、市場の混乱を招いていた。
シーブリーズ・パートナーズ・マネジメントの創業者ダグラス・カス氏は「ナスダックにとっては大きな問題だが、影響は皆が考えるほど深刻ではなかった」と述べた。
取引停止を受け、米証券取引所での出来高は祝日前の短縮取引を除けば少なくともここ5年間で2番目に低い水準となった。この日の出来高は約44億株で、3カ月平均を30%下回る。
失業保険申請、景気先行指数米週間新規失業保険申請件数は、先週までの4週間平均値が約5年ぶりの低水準となった。
米労働省の発表によると、4週移動平均 は先週までに33万500件と、2007年11月以来で最低だった。
米民間調査機関コンファレンス・ボードが発表した7月の米景気先行指標総合指数(LEI)は前月比0.6%上昇した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値は0.5%上昇だった。
S&P500種の業種別10指数ではエネルギー株と素材株の上げが目立った。
S&Pスーパーコンポジット住宅建設指数は1.9%上昇。構成する11銘柄全てが上げた。
ヤフーは3.1%高の27.90ドル。コムスコアの21日の発表によると、ヤフーのサイト利用者は7月に1億9600万人超となった。これはグーグルを430万人上回る。
HPは12%安の22.22ドル。ダウ平均で値下がり率トップとなった。アバクロは18%下げて38.53ドル。下落率は2011年11月以降で最大。
原題:U.S. Stocks Rise on Global Data, Jobless Claims AmidNasdaq Halt(抜粋)
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更新日時: 2013/08/23 06:57 JST